型月厄介オタクがふご始めた
6日目@なろうアドベンター
https://adventar.org/calendars/5540
今年になって、長らく手を付けていなかったFGOをはじめてみました。
今回はわりと面倒くさいタイプのTYPE-MOONファンの私が、なぜ今更になってFGOを始めたのかという経緯を、TYPE-MOONが世に出ていく過程を振り替えりつつ、できるだけ面倒くさい感じで振り返ってゆきたいと思います。
■2000年12月29日
コミックマーケット59にて18禁同人ゲーム「月姫」発表
当時私は愛媛に住んでいたのですが、インターネット環境がテレホーダイからフレッツISDNに移行していくさなかにあり、地方の情報格差が徐々に緩和されていく過渡期にありました。
月姫のことは、当時入り浸っていたIRCチャットで大阪の大学に通う友人から「すげーのが同人で出た」という噂を聞きつけ、大阪日本橋に遠征した際に入手してプレイしました。
本編のストーリーの質、ボリュームとも噂に違わぬ素晴らしさだったのですが、本当にTYPE-MOONの凄みを感じたのはその半年後の2001年夏コミで発売された「歌月十夜」というファンディスクの存在でした。
当時のゲーム業界では、ファンディスクはかなり気を抜いた作りになるのが普通で、ファンもご祝儀としてお金を払うというようなものが多かったのですが「歌月十夜」は本編に勝るとも劣らない内容で、これを冬コミから次の夏コミに出してくる辺りに、こんな同人ソフトが出てきたら今後業界はどうなるんだ、と驚愕したことを覚えています。
■2002年12月28日
コミックマーケット63にて「MELTY BLOOD」発表
当時Leafの18禁ノベルゲーム「ToHeart」を題材にした2D格闘ゲーム「THE QUEEN OF HEART」等で、これも同人の域を超えていると注目を集めていた渡辺製作所とのコラボで発売された2D格闘ゲーム。
後にアーケードに移植され、そちらでもかなり人気を博してシリーズ化されたゲームですが、最初に発表された同人版の特徴は、格闘ゲーム特有の添え物ではない、かなりしっかりとしたストーリーを読ませる作品だった、という点でした。
当然ストーリー部分は奈須きのこが担当しており、月姫の正統スピンオフ作品として素晴らしい内容になっていました。
思えば、"本来ストーリーを添え物として扱うジャンルのゲームに、しっかりとストーリーを絡ませる"というFGOの手法は、この作品の開発経験から生まれたのかもしれません。
■2003年10月クール
テレビアニメ「真月譚月姫」放送開始
この時点でのTYPE-MOONは、一部のマニアには絶大な支持を受けているものの、あくまでいち同人メーカーに過ぎず、このアニメ化においては、原作サイドとしての意向が強く反映されない、比較的弱い立場にあったのではないかと思われます。
そのことが最も顕著に表れているのがキャスティングで、前年に発売された「MELTY BLOOD」からキャストが完全に差し替えられています。
TYPE-MOON側としては「MELTY BLOOD」版のキャスティングにも思い入れが強かったようで、後年、比較的強くTYPE-MOONの意向を反映して制作された映像化作品「カーニバルファンタズム」では「MELTY BLOOD」版のキャストが採用されています。
「真月譚月姫」のアニメ化は、1クールの尺でストーリーを十分に描写できなかったということもあり、世間ではかなり辛い評価を受けました。
なお、佐々木少年の手によるコミック版「真月譚月姫」は原作ファンにも評価が高く、佐々木少年はその縁もあって後年、FGOでサーバントのキャラクターデザイン等に参加しています。
■2004年1月30日
18禁商業ゲーム「Fate stay/night」発売
当時、18禁商業ゲームは毎週金曜日に新作が発売される慣習があり、同日の発売は、アニメの空鍋シーンで有名な「SHUFFLE!」でした。
当時すでに18禁ゲーム業界ではTYPE-MOONは知られた存在でしたが、発売日の空気感としては「SHUFFLE!」と人気を二分するというような印象でした。(ジャンルが違うということもありますが)
■2006年1月クール
スタジオディーンによる「Fate stay/night」アニメ放映開始
「真月譚月姫」制作当時と比較すると原作も商業ベースにのっており、このアニメ化では原作サイドとしてTYPE-MOONが一定の関わりをもち、2クールを使ってしっかりと描写したこともあり、作品の評判は良く、TYPE-MOONが特定のマニア以外に一定の知名度を得る切っ掛けとなりました。
■2007年12月1日
劇場版「空の境界 俯瞰風景」封切
この劇場版アニメシリーズの製作は当時としては大変無謀なプロジェクトでした。どう無謀だったかというと……。
・当時、主にヒットしたテレビシリーズのご祝儀として見てくれる
特定のファンだけに向けて制作されていた深夜アニメ映画製作を、
TYPE-MOONの中でも特にマニアックな空の境界の初映像化で
行おうとした
・上記のような経緯で、ただでさえ成功が危ぶまれる中、いきなり
全8部作の映像化を打ち出した
・制作のufotableは当時動画クオリティにこそ定評があったものの、
前年に元請として制作したコヨーテラグタイムショーが滑り倒して
おり、無茶ができるほどの体力のない中堅メーカーとみられていた
この無謀なプロジェクトに対して、アニプレックスは「上映を(1章公開当時)テアトル新宿の単館に限る」「劇場上映と近いタイミングでDVDをリリースし、劇場での収益とソフトの収益で売上を立てる」という戦略をとって成功しています。
このスタイルは、空の境界以降マニア向けアニメ映画のスタンダードな戦略として確立されており、空の境界プロジェクトは、2010年代から現在に至るアニメ映画バブルの礎を築いたと言っても過言ではないでしょう。
ここはアニメ史のテストに出るのでチェックしておいてください。
なお、作品としては相当とがったマニア向けの内容になっており、結果として従来のTYPE-MOONファンの間でのみ消費される形となったため、外に向かって拡がる要素の薄いプロジェクトではありましたが、ufotableの実力はアニメファンの間で見直され、続くFate ZEROのヒットに繋がってゆきました。
■2010年1月28日
スタジオディーンによる劇場版「Fate UNLIMITED BLADE WORKS」封切
アニメ映画が今のように一定の集客を見込める作品発表の場として定着し始める過渡期にあり、この映画もヒットしたテレビシリーズの打ち上げ、お祭りとして作られる、ファンだけに向けた作品というような内容でした。
(でなければUBWを2時間で描写しようとは思うまい)
今作については原作本編でも人気の高いUBWを、一応映像化したという以上の意義はなかったと思います。
しかし、私と一緒に見に行ったFate未プレイの友人は楽しめたという感想だったので、原作をプレイすればもっと楽しめるだろうと勧めたことを覚えています。
■2011年10月クール 及び 2012年4月クール
ufotableによるテレビアニメ「Fate ZERO」放映
こちらは、外部ライターである虚淵玄によるスピンオフ小説が原作となるため純粋なTYPE-MOON作品ではありませんが、原作にかなり近い位置づけの作品であり、Fateプロジェクトとしては初のいわゆる"覇権"と呼ばれるような大きなヒットとなった作品です。
この作品によってFateプロジェクト、TYPE-MOONに触れたユーザも極めて多く、TYPE-MOONが世間に広く認知された決定的なポイントになったと思います。
また、ufotableが一般的なアニメファンの間で、業界をリードするスタジオとして認知された切っ掛けの作品でもあり、今日の鬼滅の刃の大ヒットにもつながるポイントになります。ここもテストに出るので覚えておきましょう。
■2014年10月クール 及び 2015年4月クール
ufotableによるテレビアニメ「Fate UNLIMITED BLADE WORKS」放映
Fate ZEROの高いクオリティを見て、ufotableによるFate本編のリメイクを望む声が聞かれるようになる中制作された、Fate本編の2番目のルートの映像化になります。
前評判通りのクオリティで、TYPE-MOON、ufotableのヒットメーカーとしての名声を確固たるものにしました。
この頃、IPとして注目されたFateプロジェクトは多くのスピンオフ作品を発表しており、そんな中……。
■2015年7月30日
スマートフォン向けゲーム「Fate Grand Order」リリース
というわけで、FGOが発表されました。
この当時、私は雨後の筍のごとく量産されていた「奈須きのこの作家性が発揮されない関連作品」にかなりうんざりしていたこと、持っていたスマートフォンがかなり低スペックだったことから、スマートフォン向けゲームの中でもかなりスペックを要するとの噂があったFGOにはかなり消極的な態度をとっていました。
さて、ここまででTYPE-MOONが世に出る過程の話は終わりです。
ここからは私がFGOを始めるに至る経緯という、わりとどうでもいい話を書いていくので、興味がある方だけ読んでください。
■2018年11月17日
FGOインストール(マシュ入手日から特定)
当時、相変わらず型落ちのスマートフォンを使っていたのですが、kindle書籍用に初めて購入したタブレット端末にインストールしてみたという経緯になります。
なお登録時のガチャで引いた★4サーバントはライダー・マルタでしたが、当時はリセマラしてまでやり込もうというモチベーションはなかったため、そのままプレイしています。
■2018年11月25日
特異点Fクリア(キャスター・クーフーリン入手日から特定)
グランドオーダー=聖杯探索の冒険が始まる、という展開にかなりわくわくしたことを覚えています。
■2019年1月1日
初の★5スカサハ・スカディ入手
これは、いわゆるお年玉ガチャ(通常よりかなり高倍率のガチャ)が開催されていたため、とりあえず引いておいたという感じでした。
特異点Fクリアからここまでプレイが滞っていた理由は、第1章のオルレアンがあまり面白くなかったということにつきます。
ああ、やっぱりこれも原作から距離のあるスピンオフプロジェクトの一つか、という落胆を感じたことと、プレイ端末が持ち歩きしづらいタブレットだったことから、ここから長くプレイを中断しています。
■2020年1月1日
2番目の★5沖田総司入手
それでも未練がましくお年玉ガチャだけは引いていました。
■2020年3月
スマートフォンを最新機種に更新
これは特にゲームのためというわけではなく、旧端末がいい加減諸々のアプリに対応しなくなり、仕方なく買い替えたものでした。
■2020年4月30日
3番目の★5刑部姫入手
これはガチャではなく、公式に行われた★5サーバント配布での入手になります。
くれるものなら貰っておこうと入手しましたが、この時点ではまだゲーム自体をやり込むつもりはなく、この時入手した刑部姫はゲーム的にはかなり弱いサーバントで、福圓さんのキャラいいなー、という長閑な理由で入手したものでした。
しかし、この★5サーバント配布、仮登録したサーバントの信頼度というパラメータを5レベルまで上げないと正式に入手できないという縛りがありました。(これはちょっとだけ頑張らないと達成できない基準)
ここで
・直近でスマートフォンを買い替えており、プレイ環境が整った
・コロナ流行で引きこもってGWを過ごすことになった
・★5入手という運営からの強い誘導に引っかかった
という流れでとりあえずメインクエストを再開することにしました。
FGO初心者がメインクエストを進める際、フレンドに登録した知人から強力なサーバントを借り受けるという方法がかなり有効に働くのですが、GW中、ゲームを進めるにあたって先達の友人に話を聞きつつ進めていったところ、「6章まで進めたら唐突にシナリオが面白くなる」ということを聞きつけ、とりあえずそこまではやってみようという気になっていました。
また、メインシナリオは相変わらず微妙な感じでしたが、GW中に開催されていた復刻限定イベントのファイナル本能寺が意外とおもしろかったことも多少モチベーションを高めていました。
■2020年5月23日
6章クリア(ベディビエール入手日から特定)
言われた通り進めていくと、確かに6章に入ると突然シナリオがおもしろくなり、これはもしやと調べてみると、6章、7章から奈須きのこ本人がシナリオに参加しているとのこと。
この時点で自分の中でのFGOの位置づけが
「奈須きのこが魔法使いの夜、月姫2、DDDを書く作業を妨害するスピンオフ作品」
から
「作品の中から断片的に立ち現れる奈須きのこ要素を補給する作品」
に変わり、少なくともシナリオは追っていこう、というモチベーションに至りました。
■2020年6月8日
7章クリア(ジャガーマン入手日から特定)
■2020年7月29日
2部1章クリア(礼装入手日から特定)
■2020年8月3日
2部2章クリア(礼装入手日から特定)
■2020年8月6日
2部3章クリア(礼装入手日から特定)
■2020年8月10日
2部4章クリア(礼装入手日から特定)
■2020年8月16日
2部5章前半クリア(礼装入手日から特定)
■2020年11月11日
2部5章後半クリア(礼装入手日から特定)
■2020年12月6日
2部5.5章クリア
というわけで、メインシナリオも最新箇所に追いついたので、今後もちまちまゲームをプレイしつつ、たまに出現する奈須きのこのシナリオ成分を楽しみたいと思います。
それはそれとして、魔法使いの夜の続編は是非とも私が生きているうちに発売していただけるよう、今年もサンタさんにお祈りしておこうと思います。
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