グランマモーゼス展覧会

@あべのハルカス美術館

女流画家として大統領に招待を受けるほどの知名度

80を目前にして一躍有名になるというシンデレラストーリー

古き良きアメリカを象徴するフォークアートの名手

きらびやかな謳い文句に誘われて観に行ってみました。

牧歌的な画風は観る者を癒し、まさに「昔は良かった」を具現化したような風景が並びます。

ただ、この方の年表に目を移すと…奉公、数度に渡る死産と子の看取り、夫に振り回されたあげく先に死なれ、70の声を聞いてまだ孫の世話のために引っ越しを余儀なくされる…

穿った見方かもしれないけれど、「女」としての業を煮詰めたような人生。

溢れる色彩と人々の愉しげな表情、四季折々の美しい自然が充ちる画面の裏でどれほどの苦悩を抱えて生きたのだろうか、と。

展覧会の最後、ぜひ本物を観てほしいのですが…

人生そのものがまるで長い長い夢だったかのような表現。 

彼女にとって人生とは悪夢だったのか、良い夢だったのか。

素敵なフォークアート。

感想はそれで充分です。

しかし、彼女を含めた過去の女性達が置かれていた立場にも想いを馳せて眺めてみるとまた違った風景が見えてくるかもしれません。