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違国日記とオーズと阿闍梨餅

・違国日記を読んでいる。急な事故で両親を亡くした少女、朝が少女漫画家である叔母、槙生に引き取られ、徐々に親の死に向き合っていくヒューマンドラマ。

・面白い。特にいいセリフは、一巻60p。両親の死を受け止め切れずに困惑する朝に対して、槙生が日記をつけるように勧める場面。槙生は、次のように言う。

この先誰が あなたに何を言って…誰が何を言わなかったか
あなたが今…何を感じて何を感じていないのか
たとえ二度と開かなくても
いつか悲しくなったとき
それがあなたの灯台になる

ヤマシタトモコ『違国日記 1』祥伝社

・この言葉を読んだ時、「ない」ものを日記に書きとめるのは難しいなと思った。誰が何を言ったか、までは覚えていても、何を言わなかったかを汲み取るのは簡単じゃない。
・でも、だからこそ意味があるのだと思う。自分が困難に巻き込まれた時、誰が何を言ってくれて、何を言わないでいてくれたのか。それを覚えておくことで、槙生さんの言う通り、自分の支えになってくれる人を見つけられる。
・自分が何を感じないか、についても同じだろう。あるものだけじゃなくて、ないものを書きだすことで感情のバランスがとれる。自己分析、というより、自己整理って感じだろうか。
・しっとりした感じの人間関係がたまらない、そんな貴方におすすめの漫画です。

・仮面ライダーオーズを見ている。小学生?の頃、ちらっと見た程度だったけど、凄く好きだった。ただ、日曜日の朝はなかなか起きられなくて、結構記憶に穴がある。
・欲望の怪物「グリード」から、人々を守るために、グリードの内の一人「アンク」と手を組み、古代のヒーロー「オーズ」に変身する青年、火野映司の活躍を描いた作品。
・「タカ、トラ、バッタ!!タ、ト、バ、タトバ、タ、ト、バ!!」(変身音)
・動物の力を封じ込めたメダルを、ベルトの三つの穴にはめることで変身できる。ベルトの穴は、それぞれ右から「頭・上半身・下半身」の三つの部分に対応しており、入れ替えることで、様々な動物の力を使って戦うことができる。
・仮面ライダー史上、一番音が気持ちいい作品かもしれない。

・そんな仮面ライダーオーズにも、いいセリフがある。それは、第12話「ウナギと世界と重力コンボ」での火野映司の、恩人(筑波)に対する台詞だ。有名になりたいと悩むブロガーの筑波。彼は、怪人の力でライバルから力を奪い、努力することなく名声を得られるようになった。しかし、何も行動しない筑波はすぐにインパクトのあるエピソードが無くなってしまう。そこで彼は、映司に対して彼の「紛争地帯で友人を失った経験」を自分のエピソードにしたいと持ち掛ける。
・この経験は、映司がオーズとして戦う根底にある記憶であり、それは視聴者もよくよく理解している。ただ、映司は意外にも「いいですよ。」と言う。

火野「俺が内戦に巻き込まれた話、筑波さんの話にしていいですよ。」
筑波「ええ」
火野「有名になるためでも何でもいい、争いがどれほど人を苦しめるか、伝えられるなら……大事なのは、何をしたかだと思うし。」

第12話「ウナギと世界と重力コンボ」

・そう言って、映司は怪物との戦いへと舞い戻っていく。どれだけ上手く話そうと、本当にやってないことはバレる。何もしなければ、自分の成長にはつながらない。映司の、明日を掴もうとする姿勢がみられるいい台詞だと思う。
・あと半分くらいあるので、まだ楽しめる。

・阿闍梨餅は美味い。ただ、消費期限ギリギリの阿闍梨餅は微妙。


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