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ぴょこんたん落とし穴



住んでいるあなぐらから、ほんの少し出たところに八百屋がある。正確には農家の直売所で無農薬野菜なんかも安くで手に入れられる。僕は有り難く馴染みにさせてもらっている。
店番は大体おじちゃん、おばちゃんで都合3人が代わりばんこで売り子さんしてる。(と思う)
このおばあちゃんとは、お勘定の時にほんの一言二言会話を交わすことがある。
僕が其処にはじめてお買い物をした時分に、

「あら、学生さん?」

「あ、いやもう卒業しています」

「ごめんなさいね、見た目がお若いから学生さんかと思っちゃった」

このような会話をかわした。僕にとっては学生だと思われるのはしばしばで、何の変哲もないやりとりなのだが問題はその数年後である。

ある日、勘定の時に「学生さんはまだ春休み期間なの?」と不意に聞かれた。
ありゃ、また学生だと思われてるわん。と思いつつあまりに不意を突かれたもので

「ええ、まあまだ休みですね〜」
なんておばちゃんの話に適当に乗っかってしまう大失態を犯してしまったのだ。
一つ言っておくと、この八百屋のおばちゃんは、ボケ老人ではなく、とてもしっかりされていて、上品で優しい方だ。(この人に育てられたお野菜たちは本当に美味しい)
最初に学生ではないと話たのが数年前のもんだから、すっかり忘れてしまっているだけなのだ、そんなことは誰にでもある。僕がもう一度言えば済む話なのだ。

これで彼方には僕が学生である情報が更新されてしまった。
後日「夏休みなの?」ということも聞かれてしまった。しっかり学生だと思われている、、。
僕はこの先、学生の体で話さなければいけないという枷を背負い込むことが決定したようだ。
一瞬の判断の誤りで人生が変わってしまう。
落とし穴は何処に潜んでるかわからぬ。
一寸先は闇。沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。無常の風は時を選ばず。こんこんちき。アブラカタブラうんたらかんたら、、、。


今日はというと、友人から貰ったど根性ガエルのTシャツを着ていったら、「私の息子が小さい頃アニメで見てたようなやつよ、よく知ってるわね〜」

「おばちゃんおばちゃんっ。こいつあさ、もう学生なんかじゃないんだっ。」



ピョン吉がそう言ってくれたらなあ。




















追記
ど根性ガエルのアニメを見た
ピョン吉の恋人のぴょん子ちゃんが、番長のごりらいもに、鍋にされて食べられそうになる回。

ど根性で、ヒロシとピョン吉はごりらいもにぴょん子ちゃん奪還に立ち向かうのだけれど、ごりらいもは、今から食べようとしているカエルが、ピョン吉の恋人だという事情を知らない。
彼に事情を話せば、強行策に出ずに済んだんじゃないだろうか。
ごりらいもは、ピョン吉におへそを噛みつかれて逃げていったけれど、ちょっぴり可哀想に思った。そしてごりらいもは、普段カエルを食べる習慣はないらしく、舎弟のもぐらから煮てくったら美味いのだと聞いて、カエルを捕まえたらこのザマなのである、、。何処に落とし穴があるかわからない。

youtubeに公式で上がっていたのでご覧なっては如何でござんしょ。

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