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ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2022冬)



12月20日 the kinks/Waterloo Sunset

夕暮れ時に聴くと胸がぐうと鳴る。
重厚なコーラスを背景に儚げにレイデイビスの声がつもる。ロンドンのウォータールーで見る夕暮れも京都の西大路通りで見る夕暮れと同じように美しいに違いない。繰り返し繰り返し聴く。

12月21日  Arik einstein/כמה שרציתי כלב

イスラエルのシンガーソングライター。
低音膨よかな声と音に対する遊び心、造詣の深さを感じさせる表現の一々、細野晴臣に通ずるものがあると思った。するり馴染む懐っこいポップス。ライオンの石像に跨った子供と、デッキブラシをつま先に乗せる、白い短パンをはいた男性ジャケットのアルバム。
曲名をGoogle翻訳すると「いくらでも犬が欲しかった」と出た。なんやいなそりゃ。

12月22日 Monkey Majik/空はまるで

久しぶりに聴いた。最初に聴いたのは10代を折り返したあたりの頃だろうか。
「君は空のように青く澄んで」ではなくて、空はまるで君のようだと歌う詩に感銘を受けたのを覚えている。どこまでも狭くて広い世界を一節で表現しているロマンチックな詩。

12月23日 Harumi/First Impression

68年リリース。在米日本人のharumi手がけた唯一のアルバム「Harumi」の収録曲。
(プロデューサーはボブディランやベルベットアンダーグランドを手がけた人らしい)
アルバム通して幻想的な風合いに満たされゆめみごこちだ。殆ど彼についての情報がない。今どこで何をしているのだろう。

12月24日 桑田佳祐/白い恋人たち

明日のライブでみんなで歌う予定の曲。
この時期は街で一度は耳にする名曲。歌い心地のよい言葉が並ぶ。

12月25日 Harry Nilsson/without You

銭湯で歌った後に湯に入った帰り道。
寒空の下。「君なしでは生きていけない、これ以上与えられない」ハリーニルソンの切なく美しい歌声。冬のぴんと糸を張ったような夜気に包まれて。


12月26日  Bob Dylan/All theTired Horses

ディランの声は聞こえてこない。
女性シンガーが同じフレーズを繰り返すのみ。「お日様の下で疲れ果てた馬たち、どれかに乗ろうなんて考えられるだろうか」
ぬくい光にくるまれる馬の艶やかな絹のような毛並み。優しく撫でられるように肌の少し外側に暖かい空気が纏わりつく。そんな優しさを感じる。ボブディランは自分が歌わないこの曲を何を思って紡いだのだろうか。

12月27日 杉並児童合唱団/風の通り道

森の奥で生まれた風が遊歩する。
なぜ懐かしい気持ちになるのだろう。トトロを思い出しているだけじゃない。メロディが風の通り道を教えてくれるのだ。なんとも言い表せない心持ちにさせれる。

12月28日 つじあやの/暗闇坂むささび変化

オリジナルも好きだけれど此方も大好き。
ウクレレと囁きような歌声。自分の胸の内にだけそっと入ってきてくれているようなすきま風のようなうた。はらっぱの上で聴きたい。


12月29日 Billy Joel/My Life

何故だかわからないけど寒い時期によく合う気がする。「これは俺の人生さ放っておいてくれ」という投げやりな詩が虚空に吸い込まれる。そんなイメイジ。でも自嘲的ではあるが、全く腐っているいるというわけでない。軽快なピアノが歩調を表しているよう。

12月30日  T.Rex  / Manbo Sun

ミドルテンポを携えて体を揺らす。舞踊のよう。繰り返されるメロディが馴染む。心地よい。





追記
今年ももう終わりますね。また来年も宜しくお願いします。このところ音楽をそんなにも聴けてないような気がするから来年はもうちこっと気概をもって聴こう。いや、そんなものでもないか音楽は。やっぱりに気楽に聴こう。

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