自分を操る「超集中力」

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今回は、前回の続編 「超集中力」を身に着けるための方法をご紹介します。

第1章 集中力を自在に操る3つのルール

ー集中力の高い人は、実は長時間集中していないー

*飽きる前に焦らす。まとまった時間は短く切る

「集中力は長く続かない」という性質を逆手に取り、集中できる時間を効率的に使っていく方法があります。

それは、あらかじめ時間を短く区切り、「もうちょっとやりたかった」「もう少しやれたかな」というところで仕事や勉強を打ち切ってしまう方法です。

あえて休憩をとることにより休んでいる間も「もうちょっとやりたい」というモチベーションを保つことができます。

これを「焦らし効果」と呼びます。

仕事や勉強のスピードを速くしたいのなら、自分のやりたい気持ちを上手に焦らすこと。

「もう少しやりたい」「もう1つ多くやりたい」という気持ちを焦らすことによって、パフォーマンスの向上に活かしてください。

*取り組む時間を短くするほど、早く終わる

「あれも、これもやれる、、、」と思っている状態ほど、集中できず、結果に結びつかない可能性が高くなります。

こうした事態を避ける為にも「仕事や勉強の時間を短く区切ること」です。

集中力は自由な時よりも制限のある状態の方が高まっていくのです。

時間を区切る、例えば、「定時に帰る」というようなデットラインが定まると、そこまでに最低限片付けなければならない仕事量と処理にかかる時間を意識し、発想が変わります。
また、他の例だと「働くママ」は、出産以前に比べて時間の使い方が格段に効率化されていきます。これは、自然と時間の区切りが生じているから、朝は保育園に送り届けるまでにやるべき家事を片付け、夜も残業できないので仕事を効率化するしかありません。

第2章 高い集中力を生み出す7つのエンジン

ートップスピードで「すぐ没頭できる」自分に変わるー

*机に置くだけで、集中力が高まるアイテムとは?

いつもより、長く集中していたいとき、有効なのが、「鏡」です。

いつもよりも、長く集中していたい時自分の顔が映る位置に鏡を置きます。

本を読み、ノートに書き込み、ちょっと疲れたなと感じて顔をあげた時、視線の先には鏡に映った自分の顔がある状態です。

集中力が切れた時に、だらけ始めた自分に気づき、「いかん、いかん」と戒めるわけです。

すると、今の自分と理想の自分を比べて、理想の自分に近ずけようと思う力が生まれるのです。

こうした思いを心理学では、「自己認識力」と呼びます。

高い集中力を保って机に向かう自分でありたい。

鏡に映る自分を見ることは、自己認識力を高める効果があるので、試してみてください。

*環境と条件で、自分を誘導する

自分が最も重視したい目的に向けて、部屋を整えることが、集中力を高める上で大切になってきます。

例えば、テレビと向き合った場所に座り心地の良いソファがあって、その間にローテーブルが置かれ、勉強する時は床に座って白熊野ノート、パソコンに向かっている。

これでは、絶対に集中できません。というのも、その部屋はソファでリラックスしながらテレビを見る為に作られているからです。

逆に言えば、集中したい対象以外、「何もない場所」を作ることで自然と集中力は高まり、勉強も仕事も捗っていきます。

部屋を目的に合わせて最適化するのは、人間の本能を生かした、集中力を起動させるエンジンとなります。

繰り返しになりますが、選択する機会が多く、「迷い」が多ければ多いほど、ウィルパワーは消耗します。

ですから、日々の生活の中で、選ぶ場面は少なければ少ないほど集中力は上がります。

例えば、スティーブ・ジョブズは公の場に出る時、いつも同じ服装でした。

「毎日の服を選ぶ」という選択をする機会を減らせば、その分本当に集中したいことに集中できるようになります。

「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定を私は本当にやりたいだろうか?」ースティーブ・ジョブズー

こんな名言を残している彼ほど、自分が何を目的とし、日々を生きていくかに自覚的だった人はいません。

*即時判断がウィルパワーの消費を防ぐ

意思決定を減らせば減らすほど、ウィルパワーは消費されなくなります。

脳は行動することによって疲れるのではなく、小さな意思決定の連続によって疲弊していくのです。

やるべきことなら、雑事こそ即時判断をすることが重要です。

例えば、毎日の家事は意思決定の連続です。食事の後の皿洗い。お皿を洗いだけですから、そこには意思決定などないように思うかもしれません。

しかし、満腹時は行動を起こすのが億劫になります。

ここで意思決定をなくす為にも「シンクに持って行ったら、その場ですぐに洗う」という決まりにしときます。

この皿洗いのルールのように、どうしようかな、、やろうかな、、と悩む余地を残さないことです。

仕組み化とは、意思決定すべき課題を即座に処理してしまうことです。

*たった5分で集中力も健康も手に入るエクササイズ

20分の運動と同等の効果が得られるエクササイズを紹介します。

それは、緑の中を5分ほど散歩する軽い森林浴「グリーンエクササイズ」です。

研究では、公園など戸外の緑の中で5分間、体を動かすだけで心身ともに大きなリフレッシュ効果を得られることがわかっています。

また、ただウォーキングマシーンで歩いただけの人に比べて血圧や心の状態が上向く、というデータが残りました。

さらに、この研究によると、散歩の時間を長くしても効果のほどはさほど得られないとのこと。

むしろ、運動を始めてから最初の5分で得られる刺激によって脳が感じていた疲れが取れていくこともわかっています。

つまり、汗をかいて疲れるまでやる必要はなく、軽いエクササイズの方が激しい運動よりも効果が高く、即効性があるのです。

また、陽の光を午前中に浴びるようにすると、セロトニンの分泌を活性化できます。

疲れをリラックスする3つの回復法

ー不安を書き出すー

*本番のプレッシャーを集中力に変えるには

試験前にあらかじめ不安を書き出すことで、問題を解く為に使えるワーキングメモリーが増えます。

ワーキングメモリーとは、何か目的を持って作業する時に使っている記憶力のことです。

例えば、暗算でお金の計算をする時、私たちは「全部で1万2900円だから、3人で割り勘すると、1人4300円ね」といったふうに処理します。

簡単にいうと、この時、「1万2900円」や「3人」、「1人」、「4300円」を一時的に記憶するのが、ワーキングメモリーです

私たちは仕事や勉強の間、常にワーキングメモリーの助けを使っています。

しかし、ワーキングメモリーには一定の容量があります。

同時に色々な作業をこなしたり、選択と決断を繰り返したりするうち、覚えられないものが増えてくるのです。

すると、ボーとしたり、判断が鈍ったり、1つのことを深く考え続けることができなくなります。

つまり、ワーキングメモリーがいっぱいになった状態もまた、集中力の低下した状態だと言えます。

何か頭の中にモヤモヤしたことが思い浮かんだり、心配事や不安、緊張している気持ちの状態には、ワーキングメモリーがそのことだけで一杯になってしまうのです。

そこでおすすめな方法が、自分の素直な気持ちを紙に書き出すことで頭の中をスッキリさせ、集中力を高める働きがあります。

人前で発表する時やプレゼンテーション前、就職や転職のための面接前など、プレッシャーのかかるシチュエーションならば、共通して役立ちます。

いざという時に、集中力を発揮したいなら、手を動かして、紙に不安を書き出すことです。

第4章 集中力を自動で作り出す5つの時間術

ー超早起きー

*早起きで、人生のコントロール感覚を取り戻せ

は新しいことに挑戦する意志力と集中力が残っていないので、家に持ち帰って仕事をする、または新分野を学ぶ為の時間には向いてません。

しかし、静かに復習するには適した時間です。極端な話をすれば、「17時以降はもう集中しない」と決めてしまうのもいいでしょう。

「ダラダラ仕事する人、勉強する人」の共通点は締め切りを設けずに、後でやれな良いと先延ばしにしてしまう癖があるのです。

集中力を存分に生かした一日の使い方は、次の3ステップです。

・朝はインプットの時間
・昼はアウトプットの時間
・夜は復習して、定着させる時間

自分の人生において大切な意思決定、キャリアアップに関係するような判断は全て午前中に終わらせること。

まとめ、起きてから2時間が生産性のピーク。朝は誰にも邪魔されず、人生のタスクと向き合う

*朝、行うべき7つの行動

どんな朝を過ごすと集中力を作り出すことができるのでしょうか。

それは、起きた後、ランニングやウォーキング、ストレッチング、スイミングなど、何らかの方法で体を流し、軽く汗を流すことです。

そのほかにも「朝、行うべき7つの行動」をまとめました。

1. 早起きして、朝食を食べる
2. グリーンエクササイズなどで、朝日を浴びながら軽く汗を流す
3. モチベーションの上がる話題や言葉、詩に触れる
4. 毎日1つ、ノートやパソコンなどに日常の幸せへの感謝を書き留める
5. 毎日、「今日が人生最後の日ならどうする」と自分に問う
6. その日の計画を10分以内にまとめる
7. 短時間の瞑想をする

「今日が人生最後の日ならどうする」と問うことで、この先の人生の目標を思い描くことができます。

もし、成し遂げたいことが浮かばないなら、まずは、「自分がやりたくないこと」「この先、やるつもりのないこと」をはっきりさせましょう。

それだけで、無駄な意思決定が減り、ウィルパワーの浪費がなくなります。

また、毎朝10分ほどその日の予定を考える時間を作りましょう

会社に着いたら、最初に何から始めるのか。何時を目処にして終わらせるのか。次に取り掛かる仕事は何か。

感情的になって判断が鈍ることの少ない朝の時間に、一日の時間を自分でコントロールする為の準備をしましょう。

「アイビー・リー・メゾット」

「1つの作業が終わるまで、断固として次のことをやらない」という仕組みづくりのことです。

私たちは、本能的に複数のことが同時に気になってしまう性質を持っています。

特に仕事や勉強に集中したい時には、あれもこれも気になってしまう心の動きは不要なブレーキになってしまいます。

そうなると、物事の優先順位が混乱しだします。あれもこれもやらなければならないという思い込みにつながり、効率の良い段取りづくりを邪魔するのです。

こうした時間で何をするのかあらかじめ明確にしておくことが有効です。

その方法として、6つのポイントだけあります。

1. 紙に「明日やるべきこと」を6つ、メモする
2. その6項目を重要だと思われる順に1、2、3、4、5、6番号を振る
3. 翌日、このメモの順番に従って仕事を進める
4. もし全部出来なかったら、悔やむことなく忘れる
5. その後、明日のための6つの項目を新しくメモする
6. 1~5を丁寧に繰り返す

番号順に作業を始めますが、絶対に守るべきポイントが1つあります。

それは、1番が終わるまで、1番のことしかしないこと。

そして、作業にかけられる時間の中で、3番までしか出来なかったら、その日はもう4番、5番、6番のことは忘れます。

全部出来なかったと悔やむことなく、また明日に向けたリスト作成を始めましょう。

大切なこと以外は、「やらない」という選択と集中によって、本当に大事なことのみ全力を尽くす。

それ以外のことはやらない、あるいは誰かにやってもらう。それにより迷いを消し、行動に繋げる

*ウルトラディアンリズム

ウルトラディアンリズムに沿って集中力を有効活用する為には、対象を絞り込み、1つずつクリアしていくことです。

できれば、90分の間、同じ目標に取り組むこと。

仕事をしていると、書きかけのメール、作成中のテキスト、電話や来客など、様々な「ノイズ」が紛れ込んできます。

実施に複数のタスクを並行してみるとすぐにわかりますが、AからB、BからC、CからAといったリズムで仕事していると、タスク間を行ったり来たりする間に切り替え時間が生じます。

その切り替え時間には小さな決断と選択が連続し、それらが積み重なるごとに、多くのウィルパワーが失われていきます。

ウルトラディアンリズムを有効に活用する為にも、90分で取り組むタスクは1つに絞り、それ以外は「捨てる勇気」を持ちましょう。

何に集中し、何を手放すか。そのメリハリが重要です。

本当に集中したいなら、90分が目安です。

重要なポイントは、自分のウルトラディアリズムをつかみ、日中の仕事や勉強の時間と休憩時間をリズムに同調させていくことです。

サーフィンと同じく、自分の波をつかんで乗っていくことが重要です。

90分+20分(休憩)のリズムを試していきながら、同時に自分が集中できていた時間を記録していくことが有効です。

自分が何時から何時まで集中し作業に取り組むことができたのか。

また、ウルトラディアリズムでは、いかに「20分」で休むかにも大きな意味があります。

そこで参考になるのが、スポーツの世界で広がっている「アクティブレスト」です。

これは、しんどいときほど、積極的に軽い運動をすることが効果的な回復があれらるというものです。

休憩時には、ぼんやりとニュースサイトなどを見るのではなく、体を動かすこと。

実際数十分程度の軽い運動は、集中力や考察力を高め、不安を感じにくくさせるという研究もあります。