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ある日の午前中

ふと思い立って
近くの山を目指す。

川向こうに続く森は必要以上の侵入を拒んでいる

山といっても
滝へ続く川沿いの道を歩いただけだが
人を歓迎するような道標もあれば
必要以上の人の侵入を拒む木々たちもいた。

自然に囲まれていても
聞こえてくるのは鳥の鳴き声ではなく
水音以上の行き交う人の足音と声では
耳は街の延長にいるようなものだ。

ピントを確認している時に、電話がかかってくる。なんとも言えない振動が伝わる。

突然、カバンの中のスマホが着信を知らせる。

まだ滝までの道のりの半分も行っていないのに
引き返すことになる。

歳を重ねるにつれ
通り過ぎていく時間が
新幹線を引き離しプロペラ飛行機並みに早くなってきたように感じる。

ジェット機までいくと
そこから先はロケットになり
すぐに光を追い越すことになりそうだ。
と言ったら
心配するな。所詮一日は24時間しかないんだ。
時間が早く過ぎるなら、一日は長くなるはずだ。
そうじゃないないなら、時間はゆっくりになっているんだ。
じゃ、ひとつの対応法として筋肉を鍛えることだ。
そうすれば、早く動けるようになる。
ゆっくり過ぎる時間の中で、早く動けば
沢山のことができるようになる。

ん?
何がおかしい?
やってみないと分からんだろ。
明日からは、少しづつやる事を増やすんだ。
そうすれば、一日は長くなる。

何を考えているんだ?
疑うより、まずはやってみないか?
ん?
騙すなよ?
いいじゃないか。騙されてみろよ。
それくらいの気持ちの余裕は持とうよ。
いい歳なんだから。

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