五輪ボランティアの真実 世論を混乱させるノイジーピープルの存在

 東京オリンピック・パラリンピックの大会ボランティア募集開始から3週間が経過した今月17日、組織委員会の武藤敏郎事務総長は「事前登録者は約85000人、うち約47000人が応募完了」と発表した。

これを受けてネット上では、想像以上の人数に驚く声が続出。

・【東京五輪】ボランティア応募8万人超にネット民「なんだろう、この敗北感」 ネット世論はなぜリアルと乖離したのか

などというネット世論を揶揄するような記事まで投稿された。


はたして、ネット世論はリアルと乖離していたのか。

答えはNo。本当に乖離していたのは常日頃世論を混乱させる"ノイジーピープル(の思考)"だ。

・参加したい22.7%、参加したくない75.8%

(内閣府が平成27年6月に実施した調査 https://survey.gov-online.go.jp/h27/h27-tokyo/zh/z07.html)

・参加したいと思う15%、思わない82%

(ANNが7月に実施した世論調査 https://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/201807/index.html)

上記のように比較的正確な行政や報道機関の世論調査をはじめ、Twitterや各種団体のアンケートでも必ず「参加しない(したくない)」が「参加する(したい)」を上回った。

しかし、この事実がことをさらにめんどうにした。

当たり前のことだが、本質は世論の大半が参加したいと思うか思わないかではなく「募集している人数が集まるか」である。

この本質を勘違いしたマジョリティのなかにいるマイノリティ、言い換えれば"ノイジーピープル"がネットで騒いだ。

"参加しない(したくない)"という考えは理解できるがそこから派生して、

多数派="みんな"や"世論(全員)"と思い込み、少なくとも一定数いたサイレントマイノリティの存在を無視した。その結果、

「(みんなが参加したくない条件で)募集するやつおかしい」や「(みんなが参加したくない条件なのに)参加するやつおかしい」のように、参加するつもりがない人の価値観で物事を捉えるようになった。


さらに不幸なことに、このようなノイジーピープルは記事や発言の信憑性をさほど気にすることなくタイトルやそれが与える衝撃の大きさで言動が決まる。

組織委員会の会長である森喜朗、開催地の知事である小池百合子、政府として全面的にバックアップする首相の安倍晋三など、単体でも執拗に嫌う層を抱えた関係者たち。その関係者が共に取り組む東京2020が史上最大級のネガティブキャンペーンに晒されるのはある意味必然である。

例:「衣食住すべて自腹」(実際はユニフォーム・活動中の飲食・滞在先から会場までの交通費相当が支給される)

このようなネガティブキャンペーンを行う層の存在はどうしようもない。

ある意味病気だからだ。残念なのはその影響をノイジーピープルが受けてしまったことだ。

☆結論☆

今後このようなネット世論でマイナスが目立つような出来事があれば、ノイジーピープルと少ないかもしれないが確実に存在するサイレントピープルの存在を意識してほしい。

補足

添付した記事のタイトルに"応募8万人超"とあるが正しくは登録者の人数である。実際の応募完了者は、

募集開始から10日で31982人
募集開始から21日で47000人

当然だが伸び率は下がっているし、それなりの倍率が望ましいため現段階で楽観視するのは早い。

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個人的なつぶやき...私(きうい @PNVvbTKQIZMvZQm)はTwitter上で春頃から今日に至るまで数多くの五輪ボランティアに関するツイート(意見)を見てきた。その上での感想は「悲しい」だ。純粋にただ東京2020を楽しみにしている者として、あまりにも心無い発言やそのような思考を持った人が多い。五輪批判をしないで!などと言うつもりは毛頭ない。

ただ、自発的に参加するボランティアへの「奴隷志願者」などという言葉は自重してほしい。また理解不足からの批判が大半であり"ありえない"と感じる前にそのありえないものの信憑性やそれに対する正しい認識をまず持ってほしい。

先日の発表後、極端な批判は減少傾向にあるが、批判するべきことは批判しながらも、明るいことは素直に受け取り、より良い東京オリンピック・パラリンピックになればいいな。

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