第16回 デジタル技術を社会改革に〜ITエバンジェリストの若宮正子さん
今回のゲストは81歳でiPhone向けアプリ「hinadan」を開発し、アップルのティム・クックCEOに開発者向け国際会議に招待された若宮正子さん。
若宮さんは、ITを社会変革に使うことが大事と考え、デジタル庁デジタル社会構想会議でも、様々な具体的な提案をしている。
若宮さんはアプリ開発で注目されたが、「コーディングを手掛けることよりも何か作りたいという気持ちの方が大事」という。また、「スマホ講習は操作手順だけでなく、スマホの必要性や楽しさも伝えるべきである」と主張する。
デジタル技術を導入することで社会改革を目指したいという若宮さんは、「デジタル改革で、日本人の幸福度向上に貢献する社会を作りたい」と話す。メロウ倶楽部ではお互いに自分のできることを教え合って、サポートし合う形式を取っている。デジタル庁の会議で委員を務める村井純さんをゲストにお呼びするなど、新しいITの動向にはみな関心がある。高齢者の考えを知りたいと若い人の参加も増えている。
若宮さんは「IT改革により制度や社会構造に柔軟性と多様性を持たせることが大切」と強調。 例えば、コロナ禍ではリモートでのコミュニケーションが進んだ。「日本の就活や教育においても、より柔軟な制度が必要」と若宮さん。デジタルノマド的な生活も可能に。海外旅行をしながら仕事をしたり、教育を受けたりすることもできるようになる。
若宮さんは「上質で良心的なSNS」の利用を提案する。「SNSは炎上も多いが、相手の話を聞いて勉強し合うことが必要。共感できるところは共感し、違いは理解する姿勢が大切だ」。海外では、困ったことをインターネットに書き込むと、時間のある人が助けてくれたりする仕組みがあり、こうした共助のITを日本でも広げる必要がある。
デンマークやエストニアで電子政府が進んでいる。なぜかというと「政府への国民の信頼が高い」のが理由。「ガラス張りで情報を公開しているため、政府への信頼が厚い」(若宮さん)。
日本の電子政府は遅れているが、「マイナンバーカードはポイントで加入を促進しているが、役に立つものならお金を払っても加入する。もっとメリットを伝えるべきだ」と若宮さんは結んだ。
キャスターは町亞聖&相川浩之。
「翔べ!ほっとエイジ」は、YouTube(動画)と主要Podcast、stand.fm(音声)で配信。
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