マガジンのカバー画像

◎私の詩すべて◎

69
切なくて甘ったるいお伽話 いとしさとさみしさの標本
運営しているクリエイター

#愛

救い

しにたい きえたい いなくなりたい 心を助ける魔法の呪文 私いなければ 私痛くない 誰も嫌わずいられるし 好きな人から疎まれない 悲しく静かなお別れこそが 救い 救い 救い 救い 食べ物になりたいな 好きなみんなに愛されて 消えて力になれるように 物に 物になりたいな 好きなみんなに捨てられたって 悲しくなんかならないように

お願い事 《詩》

絶望とか悲しみとか苦痛とか いくらでも食べるから それで体が壊れてもいいよ どれだけ悔しくて泣いて 涙で目が潰れてもいいの 愛すべき人を傷つけたくない 誰にも必要とされないゴミになっても 愛をくれた人に傷をつけないですむ 何もできないぬいぐるみになりたい🧸

生きるのに必要な君のひとしずく

半分この愛なんて要らない 何より大事に思うもの どうして分け合えるの そんな優しさ残酷なだけ 半分くれるなんて言わないで 優しさなんかで愛さないで 君をすべてくださらないなら 私ひとりで潰れて息絶える 半分でも一口でも 本当は涙出るほど嬉しいの 胸が裂けるほどくやしいの 優しさで撫でてもらえて 死んじゃいたいほど喜んだ 君の欠片に触れられるなら どんなさみしい一瞬でも必要だ 何もくれないなんて言わないで あと少し君を感じていられるように ひとすくいの水をください 君に

もうゴミなの?

君の好きな食べ物に生まれていたら 君に選んで食べられて それで幸せに終われたんだろう どうして僕は大切な 君の役にも立てないままに 気持ちばかりいっぱいになるんだろう 僕の何が間違いですか 僕はどこで間違えましたか 僕はいつからゴミですか 君を大切に思うのは 絶対消えない過去なんだよ それだけは嘘にならないのに 僕の何が間違いですか 僕はどこで間違えましたか 僕はいつからゴミですか 君だけが僕の真実 絶対消えない約束だと それだけは信じているのに もう僕は ゴミに

執着

消去法で愛したくないんだ どちらかといえば良いなんて そんな形で君を選びたくない 何があっても君をお腹に入れたい 簡単に手放せる軽い愛情じゃない 魂を引き摺りだして生贄に捧げてでも呪う 消去法で死にたくないんだ しかたないからここで終わり そんな流れで殺したくないんだ 何があっても物語を美しく描きたい 完結にまとめられる単純なお話じゃない 魂を引き摺りだして生贄に捧げてでも祈る

説明書の無い呪術

永遠に手を繋いでいるには どんな呪術が必要ですか 君と僕を縫い合わせて 一つの体にしましょうか それともお互いその身をバラバラに刻んで 二人の体を混ぜて二等分 そうして成形しましょうか 君の血と細胞からつくった小さなお人形の君を 僕の脳に埋め込んで いつもお話してもらいましょうか

愛すって分からないけどまず生きる

君が大好きだ いっぱいいっぱいもらったんだもの 君がどうして僕にくれたのか 気まぐれだったとしても 好きになってしまったことを 君は嫌がったりせず受け入れてくれた きらきら光り輝く星みたいな君に 惹かれるあまり毎日毎晩毎時間 お願い叶えてと祈ってばかりの僕 光が見えない時もあるけど 君は何度だって見つけさせてくれたよ でもね 祈りだけじゃ叶わない 僕の寂しい孤独の肉塊は僕にしか動かせない 君の美しい孤独のきらめきは星よりもずっと小さい 目に見えるほど近い先で消えてしまうの

あなたが消えても鳴き続ける

あなたが見えなくなろうとも 僕はあなたを思ってうたうのをやめない この身が裂け崩れるまで踊ろう いずれお別れだ あなたの肉が滅びる日はすぐそこ それより前にあなたは僕の遊び場へ 姿を見せなくなるかもしれない いずれお別れだ 僕たちの体が どのような形に変わっても 僕たちの思考が どのように傷んで弱っても 心臓が赤く美しい血をこの身に巡らせて 僕の淡い魂がこの身に巣食う限り 歌をうたい 絵をえがき 詩をよみ 舞い続ける あなたが僕を忘れても 僕があなたを忘れても 僕の淡い

花のきもち

‪美しいと思ったならその瞬間に摘み取って 自分だけで毎日愛でて 目の前で枯らしてよ 触れて汚れる覚悟も無しに 目の前で向き合う感性も用意せずに 遠くからただ眺めて知った気になって 美しいなんて寂しい感情だけ投げないで