何故、胸毛をそらないのか

とてもシンプルな答えで、面倒だからという理由がある。自分で剃るのはとても面倒だし、乳首とか怪我しそうで怖い。脱毛に通うのはもっと面倒だし、何より金がかかる。

この答えでも充分ではあるが、いまいち腑に落ちないので少し掘り下げて考えてみよう。

胸毛を剃らないことによるデメリット

胸毛自体が嫌だとか恥ずかしいという気持ちはないが、不快感を与える可能性は高い。そのため、私は胸元が空いた服をほとんど着ることができない。ちょっとでも緩かったらパーカーとかでも全然見える。

誰かが共感してくれたらうれしい悩みがある。ノーネクタイでワイシャツの第一ボタンを外すと胸毛が見えてしまうので、首元の詰まった肌着で隠す。すると胸元から肌着が見えてしまうので、とてもダサい格好になってしまうのだ。ノーネクタイでボタンを全て閉めるのも違和感があるので、周りがクールビズでも私は年中ネクタイをつけて仕事をしている。

また、更衣室や銭湯で不意に視線が上半身に向くのを感じることがある。これは自意識過剰などではない。どれだけごまかそうが、好奇の視線というのは必ず本人に悟られるものなのだ。

そして何より清潔感がない。
例えいい匂いがしたとしても、てんで清潔感がない。

あと異性のウケがとことん悪い。

胸毛を剃らないことによるメリット

品のない笑いを取ることができる。引かれる可能性があるので人と場所を選ぶ上、自分を傷つける可能性があるので注意する必要はあるが、出しどころを見極めれば爆笑を取ることも難しくはない。

男らしさに惹かれる女性がいる。正しくは、いるとされている。残念ながら私はまだ出会ったことがない。何故かわからないが今後も出会う気はしない。

メリットとデメリットの比較

代表的なものを挙げただけだが、メリットがほとんどないことは自明である。さらに言うのであれば、デメリットはまだまだ挙げることができる。

心電図の検査で体につけられた吸盤がすぐに取れてしまうのだ。それだけでも申し訳ないのに、「なんかわかんないですけど取れちゃうんで押さえときますねー」とタオルの上から吸盤を押さえられる。吸盤が取れてしまう原因は明白なのに、そこには気を遣って決して触れないのだ。「毛のせいで…」と言ってくれれば、自虐の一つでも挟むことができるというのに。

このままだと具体的な事例をとめどなく挙げてしまうので、このあたりで打ち止めとする。

ではなぜ剃らないのか

お酒の席で上司から聞かれた時に、次のように答えたことがある。「私は親からもらった体を愛しているし、この体に誇りを持っている。デメリットしかないからといって、自分の体を否定するようなことはできない。」

もっともらしい物言いだが、実際にはムダ毛処理の範疇である。鼻毛や眉毛を整えて、毎日髭を剃っている人間の発言だとは思えない。さらに言えばこの男、ゆくゆくはタトゥーを入れようと考えている。よって、この意見では答えとして不十分だろう。

いよいよ剃らない理由が無くなってきたが、それでも最後の砦として残るのは、ある種の【プライド】だと考えている。

あくまでも私の中での話だが、デメリットがどれだけあろうとも、もし剃ってしまうと胸毛が生えている自分を否定したことになってしまう。誰も褒めてくれたことがない私の特徴は、私自身が目を背けずに誇らなければならない特徴なのだ。

私は昔から天邪鬼な性格なので、マイノリティなこの特徴を”今は”気に入っている。もちろん、自分の好みに近づくために着飾ったり整形することで、自信をつけてより良い人生を目指す道もあるだろう。ただ、大事なのは誇りや自信をもって、自分を敬えるかどうかだ。

胸毛そのものではなく、【胸毛を剃らないという意思】が私の誇りだ。

おわりに

それっぽい良い話風な事を言っていたが、現在はとても太っており、胸毛がどうこう以前の見た目である。自分で自分を好きになるために、まずは胸毛が生えたままで魅力的になる必要がある。

行動が伴っていない講釈ほど聞くに堪えないものはない。自分のプライドを取り戻す闘いが誰かの元気になればと思い、noteでダイエット記録をつけていくことにした。

もし気が向いたら、半年後に結果だけでも確認してやってほしい。