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レンタルDVDの思い出

「ちょっと前はサブスクなんかなくて、新作・準新作を5本1000円でレンタルしていた。」

今年29歳になるので、高校生のころを振り返るには、「10年ぐらい前」という言葉を使わなければならない。高1が15歳ということを考えると、10年ですら相当さばを読んでいることには目を瞑っていただきたい。
さらには自分はまだ若いと世間にアピールするためか、高校時代の話をする時に「ちょっと前」と言ってしまう。10年という期間を短く表現することが、より自分をおじさんたらしめているというのに。

高校時代(ちょっと前)、私はクラスに馴染めなかった。親には遠足に行くふりをして、はじめて一人で映画館に行って「バトルシップ」を観た。興奮が冷めなかったので、続けざまに「ももへの手紙」を観た。落ち着いたので家に帰った。

高校で居場所ができた後も、放課後はほとんど映画を見ていた。TSUTAYAでパッケージを眺めるだけで2時間は潰れた。
今日こそ「ブレードランナー」を借りると意気込み、「第9地区」を借りた。「時計仕掛けのオレンジ」を見なければと思いながら、「スノーピアサー」を見た。
休みの日には何本も映画を見た。

書いていて思い出したことがある。
DVDで洋画を再生した時、まず音声・字幕の設定をする。ご飯を食べながら見る時や、コメディ映画の場合は吹き替えで見ることが多かった。

吹き替えを選択した後、一応字幕の設定を確認する。ほとんどの場合、選択肢は「OFF・日本語字幕」である。この時、日本語字幕が選択されていると困る。
日本語字幕はほぼ間違いなく英語音声用の字幕なのだが、「字幕をOFFに変更したことで、何か重要な文章が出てきた際、吹き替え用の字幕が表示されず、理解できなかったらどうしよう」と考える。
結局字幕はOFFに変更するのだが、そうなるとそれがずっと頭の片隅に残ったまま映画を見ることになってしまう。

今でも映画館では上映前に行きたくもないトイレに行く。普段は酒を好むが映画館では一度も飲んだことはない。夏でも靴下は必ず履くし、温度調節できるように半袖の上にはパーカーを羽織る。
時計とアクセサリーは外して、眼鏡を拭いて目薬をさす。上映中に気になってしまう事は極力排除したいのだ。

とどのつまり何が言いたいかというと、
私は字幕の設定に「吹き替え用字幕」があるDVDが好きだ。

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