え、これで半分?

「え、これで半分、、、?」


これが 100 ハイを終えた僕の頭に真っ先に浮かんだ言葉だった。

もちろん感動もしたし、達成感もあった。ただその一方で絶望も確かに僕の胸にあった。これは、そんな「歩く」という行為に振り回された 2022 年 11 月のとある 1 日の話だ。


初めまして。早稲田祭2023運営スタッフ代表で現在早稲田大学政治経済学部3年の佐溝眞行です。縁あってこの度、100ハイの体験記を書かせていただくことになりました。拙文ですが最後までお読みいただければと思います。

 

11/20(日) 朝、所沢キャンパスを出て一歩目で「サークルの友達と仲良く 1 日かけて 50km歩く行事」という認識は間違っていたことを悟った。スタートと同時に「走り」出したのだ。1人また1人と減っていく。しばらく走ったころには明確に先頭集団というものが存在していた。

 

「ハイク」ってなんだろう。

 

まあなんやかんやで最初は先頭集団についていけた。走っては歩き、走っては歩き、信号に差し掛かれば赤になるなと祈りひたすら前に進み続けた。何度も言うけどなんで走ってるんだろう?ハイクなのに。

10 ㎞地点くらいではサークルの先輩や後輩、同期、他サークルの人としゃべりながら、このままいけるのではないかとか思っていた。甘かった。

休憩所の早稲田高等学院まであと少しのときに足が悲鳴を上げた。両足を攣った。まじで痛かった。ほんとに。久々に攣った。

瞬く間に集団から離された。1人になった。寂しかった。

1人で歩いていたら途中で同じように足を攣ったであろう知らない奴がいた。初めて会ったはずなのに、互いに労って、頑張ろうと声を掛け合った。今後道端でこんなことすることないだろう。これも 100 ハイか。その時はなぜかちょっと前向き気持ちになったような気がする。多分。気のせいだったかも。

途中で合流したサークルの同期と一緒に休憩地点の早大高等学院に到着した。

門から休憩所の体育館まじで遠く感じた。校舎がきれいだなって思いながら歩いてた。休憩所に入ったとき、先頭集団だった人たちの顔を見てめっっっちゃ安心した。


これは休憩所についてからすぐに撮った写真。楽しそう。筆者は2段目の右から3番目。

しばらく休憩してると何かが始まった。

運動会なるものがはじまった。なんだそれ。1回戦で足がつった。

さいごの鬼ごっこまでやりとげたやつらはどういう人生を生きてきたんだろう。感動した。優勝賞品はZone 1箱。もらった人半笑いだったなぁ。

 

休憩も終わり出発の時。立とうとして気づく。

しばらく休憩しちゃったから足がかたまって動かしづらい。

マジで到着したときの数倍足が痛かった。全然回復してないし。休憩ってなんだろう。

 

そして始まった後半戦。スタートは歩きだった。

そして前半とは違い歩きが続いた。たまーーーに走ったけど。前半よりもペースは遅かったから全然ついていけた。でも足は痛かった。

 

途中で雨が降ってきた。傘は禁止だったので持っていなかったし、レインコートも持ってなかった。これは普通に自分が悪い。でもあんまり寒くなかった。これはゴールしてから後悔する話。

そうして雨に打たれながら歩き続けて、中野区に入ったくらいでようやく知っている地名に出会えたこともありちょっと元気になった。

中野から落合、落合から馬場へと歩き、日が沈み始めたころ馬場駅のロータリーが見えた。あんなにロータリーをみて感動できることは今後ないと思う。なんかきれいに見えた。絶対に気のせいだけど。

 

みんな大好き馬場歩きの道を早稲田へと向かい、馬場下交差点についた。列が止まった。ここからは1位をかけた競争が始まるのだと誰かに言われた。

信号の変化を合図に一斉にみんな走り出した。めっちゃ足痛かったし疲れていたはずなのになぜかその時は走れた。


早稲田大学正門についた。ゴールだ。目に入る大隈銅像は、明りに照らされていながらも、いつもの数倍綺麗に見えた。

そのあとは 1 時間半くらい閉会式までびしょ濡れの状態で寝て、閉会式。

大変だった、本当によく頑張った。その日1日のことを僕は忘れないだろうし、だからこそ改めて思ってしまっただと思う。

「え、これで半分、、、?」

 

本当にきつかったし、翌日地獄だったけどやってよかったと思う。早稲田だから経験できることだし、友達とあんなに一緒に歩き続ける経験とか、一緒に頑張ることを実感しながら何かできることもないと思う。早大生としての 2 年間の中でも最も印象が強いものの1つになった。参加してよかったと本当に思う。

でもだからこそ、僕たちには忘れてはいけないことがある。

 

「’’100 キロ完歩’’の称号を僕たちはまだ持っていない。」


完歩後の集合写真。みんないい笑顔。

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