早稲田でしかできないばかをやる

初めまして。早稲田大学文化構想学部2年のかくやのあです。

私は早稲田大学フラッシュモ部というサークルの9期代幹事長を務めている。このサークルは街中で突然踊り出す"フラッシュモブ"を行うことに特化したパフォーマンスサークルだ。今回は私の初めての100ハイ記録を僭越ながらさせていただく。


多分5キロ地点くらい。まだよゆーで楽しい時。筆者は左上。

三年ぶり開催の100ハイ。私は今年100杯に出るなんて思ってもなかったし、そもそもその存在すらもほぼ知らない状態だった。きっかけはサークルの2個上の幹事長からの電話。LINEが来て放置していたけど翌日電話がかかってきて100ハイもちろん出るよね?という言葉。結構な圧力だった。そういったイベントごとが結構好きな私はまあいっかと思って軽い気持ちで出ることを決心。


決心したのはいいものの、そこから当日まではなぜ参加を決めたのだろうと渋ることばかり。まず、私のサークルの同期女子がいないのだ。そんな長い時間を歩くのに先輩しかいないとなるともちろん不安になる。それに加えて天気予報。予報は雨。雨が大嫌いな私はその中歩くことが本当に嫌だった。


それでも迎えた当日。スタート地点まではバスが出ていることを知り女子の先輩たちと一緒に乗って行くつもりだった。しかしいざ乗ろうという時、男子の先輩たちはお前は歩いて行くよな、と強制的に引っ張られて私だけ歩く羽目に。キロ数に入っていない歩きはきつかった。今歩いているのに距離減ってないんだなと思うとモチベは下がったし、何より5キロが思ったよりも遠かった。スタート地点に着いた時には、今からこの何倍もの距離を歩くのだという考えがよぎり、絶望的だった。


そして迎えたスタート。初めからなんか思ってたのと違う。私は100ハイというのだからみんなで和気藹々とおしゃべりしながら歩くのだと思っていた。しかし私たちのサークルはそうではなかった。最初から全力ダッシュして、グループに分かれた。私は早々にバテ、先輩と2人で歩いていたが、前の先輩に追いつこうという雰囲気になり半分走る。前の集団に追いつき、5人のサークルのメンバーで歩くことになった。ここからが地獄。


中高とハードな部活をしていたので体力には自信がある方だった。しかしこの先輩の早歩きには着いていけなかった。普通に歩いていると追いつかなくなり走って追いつく。また距離ができる。走る。その繰り返しが想像以上に体力を削り、精神的にキツくなった。おまけに信号で止まったらでんぐり返しだからという理由で信号までは大体ダッシュ。歩いているだけでもきついのにこんなことされたらほんとにしんどい。普段は大好きな先輩がこの時だけはなぜ走るんだ、と嫌いになりそうなほどだった。おまけに永遠と続く風景の変わらないまっすぐな大通り。20キロ地点くらいでなんでこの集団に入ったのか、もっといえばなんで100ハイに参加したのか、相当後悔した。


永遠に続くと思われた前半戦もなんとか休憩所に到着。女子で一位の集団で到着したと言われた時には心から嬉しかった。しかしまだ半分残っているという事実に絶望するばかり。ご飯も何もない、ただの体育館。おまけに始まったのは運動会。早稲田のバカさを知った。スクワットにシャトルラン、しっぽとりと、極限まで挑戦者を追い詰める。歩くことがメインなのにここまでするのかと冷めた視線を送ってしまったほどだ。


そんな運動会を経て後半戦。今度は先頭集団で固まっていった。細い歩道をぞろぞろ歩く。信号になるとダッシュ。そして降ってきた雨。もう何も考えることをやめてただ歩いた。足も痛くなり始めて限界も近づいていた。(もうきていたかもだけど)一度長いダッシュがあり、もう無理だ、と諦めた。しかしその時サークルの先輩が背中を押してくれて走らせてくれた。普段そんな優しい感じではない先輩から差し伸ばされた手には感動した。そんなことを経てだんだんと知っている地名が増えてきて早稲田が近くなり出す希望を感じた。雨に打たれながら必死に歩いた。そしてついに見えた高田馬場。普段はあんなに汚いとしか思えない馬場があの時だけは輝いて見えた。後にも先にも、高田馬場にあれほど感動することはもうないだろう。そしてゴール。大隈銅像が見えた時には早稲田が大好きになっていた。


あんなに最中は後悔していた100ハイも終わってしまえば達成感と、出て良かったという喜びしか残らなかった。閉会式後にアドレナリンが切れたせいか、本当に歩けなくなって、おじいちゃんおばあちゃん以上にノロノロ馬場に向かってみんなで食べたラーメンも、次の日のサークルの練習で参加勢が筋肉痛がえぐくて痛みを共にした時間も、その全てが参加して良かったという思いに繋がった。ただ一度、長い距離歩いただけでは何も変わらないだろう。しかしこんな馬鹿げたことは早稲田だからこそできることであり、大学生だからこそできることだ。私は100ハイを通して早稲田を一段と好きになった。そして、早稲田らしいバカなことを早稲田生でいられる間にたくさんやっていこうと心に留めた。


ゴール後の達成感が最高潮の時の写真


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