Midjourneyを触ってみた。

西武新宿線武蔵関から徒歩7分ほどのブックカフェ「100BOOKCAFE」店主のワタナベです。

ここ数日ツイッターのTLにAIの絵が流れてきて気になって調べて見ました。どうやらMidjourney(ミッドジャーニー)というAIで絵を描くツールがあるらしいですね。

詳しい使い方などはYouTubeとかで「Midjourney 使い方」みたいな感じで調べると出て来ると思います。

ざっくりどういうツールか言いますと

言葉を入力するとそれを絵にしてくれる

そんな感じのツールでした。対応言語は恐らく英語だけです。25回まで無料で使えまして、それ以上使用する場合は有料の月額プランになります。自分は色々試してる内に無料の回数分使ってしまったのでもう遊べないです…。今の所、このツールを使って何かするっていうのも無いので有料プランはとりあえず良いかなと。

色々試した中で唯一画像保存してた絵を貼ります。

一回の入力で4パターンの絵が出力されます。因みに絵の下にU1とかV1みたいなボタンがあって、それを押すと別バージョンに変わるらしいですが、そのボタンを押しても25回の内の1回にカウントされるらしく自分はよく分からず色々押してたらいつの間にか25回分終わってました。笑

上記の絵は「cafe」という一単語だけ入力したものです。他にはシャチとかライオンとか試しましたが「違うんだよなー」という仕上がり。ライオンは「荒れた大地の中で満開に咲く桜の木の下でくつろぐライオン」みたいな文章をdeeplやgoogleを使って翻訳して入力しましたが桜とライオンが一体化したみたいな絵が出力されました。あと、ライオンの絵もちょっと違うなーという感じ。

他の人のも見れるんですが印象としては動物は苦手な感じがします。あまり生気を感じないというか、少しキャラっぽくなるというか。ざっと見た中でゴリラの絵はちょっと「おぉ」ってなったのはありましたが、他はそこまででした。指示の仕方もあるのかもしれないです。見てると「hyperreal」って書いてる人とかいましたね。

架空の場所、空間、架空の生き物とかは結構インパクトのある絵が多い印象で、現状はそういう絵の方が得意なのかな?って思います。あと、人間の絵も得意な感じがします。

使ってみて思った事としては…
・著作権どうなる?
・漫画特化とか出てきそう?
・絵描きさんの仕事が楽になる?

ざっとこんな事を思ったり考えたりしました。ひとまず最初に思ったのは

著作権どうなる?

です。

ざっくり調べた感じだと、現状はMidjourneyで生成された絵は生成したユーザーの著作物らしい。なので上記のcafeの絵の権利は自分が持ってるという事になるらしいです。ただMidjourney側も権利は持ってるのかな?詳しくは分からないですが。まぁ、そこに関しては「ふーん」っていう所でして、自分が本当に気になったのはこのMidjourneyというツールは何十億もの画像を学習して絵を出力してるわけなんですが、その学習元の絵の著作権はどうなってるの?という所です。例えばバンクシーの絵をめっちゃ学習させて、バンクシーっぽい絵を出力させる事も出来るはずで、それはどうなの?って思ったんですがMidjourneyに関してはそうならない様にプログラムされてるらしいです。何十億もの画像を学習した上で「誰かっぽい」作風にならない様に絵を出力してるので、基本的には著作権侵害にはならないハズだと。

まぁ、なるほど…とは思いつつ、うーん。。という感じです。個人的には絵を学習した時点で作者も誰か学習して、後々NFTとか使って報酬を分配する仕組みとかあっても良いんじゃ無いかなーって思います。Spotifyとか音楽のサブスクの絵版みたいな感じですかね。「今月は〇〇さん風の絵の注文がいくつあったので報酬はこれぐらいです」みたいな。

※上記の著作権どうのこうのに関してはツイッターの「852話」さんのツイートを参照してます。

そして次に思ったのは

漫画特化のAIとか出来そう?

です。

Midjourneyは文章を絵にしてくれるわけですが、その技術を漫画に特化させたら、例えば「ルフィがゴムゴムのバズーカを決める」みたいな文章を入力するだけでそれっぽいコマが出力されて、作者が最後に微調整するだけ、みたいな事も出来る様になるのかなと。よく出てくる漫画のキャラクターを学習させたり、よく使う背景とかも学習させて、特殊な固有名詞、今回でいうと「ゴムゴムのバズーカ」をどういうものか学習させてっていうのを出来る様になれば結構あり得そうって思いますし、なんなら今のデジタル作画ってそれに近い事は出来るのかな?って思ったりします。良く使うキャラはテンプレとして登録しといて、みたいな。あまり表情とか構図とか変わらない4コマ漫画とかはそうやって作れそうな気もしますね。

最後は

絵描きさんの仕事が楽になる?

です。

これはMidjourneyの場合、学習した絵と類似した絵は出力しないようになってるという事ですが真逆の考えで、こういったツールが普及して誰でも自分特化に学習させる事が出来るツールが出来たとしたら、例えば絵描きさんが自分の絵をガンガン学習させて、ビジネスライクな1枚絵とかはAIに描かせて、本当に自分自身で描く必要のある絵とか、自分が描きたい絵はAIを使わずに自分で描く、みたいな事も出来るようになるのかなーと思ったり。人の絵を学習させる事は出来ない様にして自分で描いた絵しか学習出来ないような仕組みが作れれば有り得そうな気がします。まぁ、絵描きさんによっては「絶対に自分で描く!」っていう人も居る…というか多そうですが。

感想


Midjourneyを使ってみて思ったのは今時点だと誰でも簡単に良い絵を出力出来るというわけでは無いなと感じました。頭の中に「こういう絵を見たい」みたいな明確なイメージがあったとして、それを正確に出力させるのはかなり難しい気がします。逆に、全く想像もして無かった様な絵を求めて使う感じですかね。そこにどんな需要があって、どう利用するのかは分からないですが、ごくごく普通の人が日常的に使うツールでは無さそうです。何かしらのクリエイターの人とかは使い道ありそうですね。

で、少し有り得そうで怖いなと個人的に思うのは、これでイラストの価値観が壊れそうっていう所です。Midjourneyを使って分かりましたが、さっきも書いた様にイメージしてる絵を出すのは難しいんですね。ただ、そういうのも分からず、ツイッターとかで「1分で神絵が作れる!」みたいなツイートを見ただけで「そんな便利なツールが出来たんだ」って理解した風になると、誰かに絵の依頼をする時に「今の時代、絵なんて1分で描けるんでしょ?」みたいな感覚の人が出て来てしまうんじゃないかなーと。まぁ、そういう人にはイラスト屋のサイトURLを送れば良いと思いますが。

AIで絵を描くといっても結局ツールなので、使うのは人間だよねっていうのが自分の最終的な感想です。音楽業界で言うとかなり昔にボーカロイド、いわゆる初音ミクとかが登場しました。ボカロが出た時に生の歌手の仕事が無くなるとは誰も思わなかったと思います。
今のボカロは本当に人間が歌ってるように作り込む事も出来ると思いますが、それでもやっぱり生の歌手とは違うでしょう。まぁ、まさかボカロがホログラムでライブするとは思いませんでしたが。

それとこれとは若干違う気もしますが感覚的にはそんな感じかなと。Adobeがイラレを作ってAppleがipadを作って、ペンタブとかも生まれて、そういう絵を描く為の新しいツールの延長線上に今回のMidjourneyがある、みたいな。まぁ、本当に何の知識も無い人でも絵を作れてしまうという意味ではインパクトは大きいですが、あくまで絵を描くための一つのツールという見方で良いのではなかろうかと個人的には思います。

自分みたいに絵が描けないクライアントがイメージを共有する為にMidjourneyを使って絵を出力して「ここの壁の模様はこうじゃなくて木目っぽい感じで、構図ももっとこんな感じで、で絵のタッチは貴方の感じで」みたいな使い方とか、逆にイラストレーターさんがとりあえずMidjourneyを使って何パターンか提案して、そこから細部を詰めてくとか、今時点だとそんな使い方が実用的かなって思います。

以上、Midjourneyを使った感想でした。

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