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山種美術館「速水御舟と吉田善彦〜師弟による超絶技巧」

たとえば、ドラマ・映画・美術などのコンテンツに触れ感動したとき、この自分の中から噴き出し漏れてくる感情のマグマを何かに昇華させたいと思う。人に話したり、文章で表したり、ネットで同様の感動コメントを探したりする。

一方、深く感激をして心動かされたけれども、その余韻をいつまでも静かに味わっていたいと思う種類の感動がある。言葉で整理したり、表現して外に出すというより、
じわじわと自分のなかにその作品が染み渡っていくのを味わっていたい。
その作品に再び出会えたときに、「また会えた」と思いたい。

私にとって速水御舟の作品はそんな存在の気がする。

今回特にじっくり観ることのできた「名樹散椿」。
背景の金色の美しさ、椿の木の枝の大胆さ、
そして今日初めて気がついた、沢山の花々に混じって存在する、つぼみにすっと入る緑色の美しさ・・・見ても見ても足りなくて、作品の側を離れてもこうして想っている。

また静かに感動を味わえる日をたのしみに。

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