キケロ「老年について」#02 うまくいかないのは年のせい?

 私と同年輩の者が、寄り集まって愚痴をこぼすのをよく耳にする。まさに「類は友を呼ぶ」だ。
 もし老化が本当に問題なら、私や他の老人たちも皆、同じ憂き目に遭っているだろう。しかし不平不満を少しもこぼさずに年を重ねている人を私はたくさん知っている。
 不平不満を生む原因は何かと言えば、それは当人の人格なのであって年齢ではない。道理をわきまえた穏やかで品のある老人は年をとることともうまくつき合うことができる。意地汚く怒りっぽい人間は、一生のどの時期にあっても幸せではあるまい。


※「暴走老人」という言葉もあり、その理由のひとつには認知機能の衰えもあるらしいので、本人の心がけ次第というわけではないのでしょうが、でも認知症予防の意味も込めて、できるだけ読書をし、友人と語らい、気の合わない人とも上手に付き合って(笑)、いつまでもまっとうな大人(老人)と言われたいものですね。

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