キケロ「老年について」#07 年をとると見たくないものを見る?

 ある作家が「老境はなんの災いに見舞われていなくても、年をとっているだけでもうたくさんだ。人は長く生きることで、何かと見たくないものを見るのだから。」と厭世的な言葉を残している。
 しかし、長く生きていれば、見たいと思ったものだってたくさん見ることができるのではないか。
 それに、人生の中で見なければよかったと思うようなことは、老人だけでなく若者だって山ほど目にするのではないかね。


※たしかに、つい先日、ウクライナのブチャの村で起こったことなどは...。
 見たくないものを見るかどうかは、年齢はまったく関係ありませんよね。 
 我が国でも、少し前に同じことがありました。私たちの父母や祖父母の世代の若者は、当時何を見たのでしょう。
 太平洋戦争で戦死した学徒兵の遺稿集「きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記」を私も20代前半で読みましたが、絶句してしばらく動けないような気がしました。
 沖縄の「ひめゆりの塔」もそうでした。また北のひめゆり事件とも呼ばれる、樺太の真岡郵便局の女性たちのお話を知ったときも。「みなさん、これが最後です。さようなら、さようなら…」、どんな気持ちだったでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?