見出し画像

大好きのまばたき


猫はリラックスしている時、またとても好きな人にそれを伝える時、瞼をゆっくり閉じて開けるんです。
幸せ、且つ、あなたのことが大好きですよーって。
そして最大級に安心していて、リラックスしています、と。
人が猫に幸せと愛情を伝えるときにも、ゆっくりとまばたきすると安心するんだって。

今日は猫の豆知識から失礼いたしました🐈
猫飼いたすぎて最近動画それしか見てない。
どうしても吸いたい。猫が。
こんにちはの民!どうも私です🍊


先日無事終演した舞台、
雙影のイドラ 第二回公演「まちがいさがし。」

この記事の中で書くのは、役者である山内と、私の演じた渋沢晶から見たあの世界の住人たちのこと。
そしてそれを演じたキャストのことと、個人的なまとめ(最後まで読むとおよそ2万字)です。

猫の導入は結構関係ないのですが、まあ作品内に猫ってワードは出てくるし、大好きな人たちのことを書くので、どちらもあながちかなって思います。
Twitterに載せきれなかった写真とかも載っけちゃおかなって。
画像や文字の中にいるみんなにまた会いに来たくなる気がしたのでここに。(*´-`)

文字が多くてウッとなる人は、目次からお好きなところへどうぞ!


キャラクター相関図

見るにあたって、初めから配られてもよかった気がしなくもない相関図。笑
もちろん観劇前の方に向けては白線矢印は消さないといけませんけどね!
いろんなところから、あるといいのにというお声をもらって僭越ながら作成いたしまして…
公式さんも快く許可してくださり、掲載と相成りました◎
この記事でやるキャラ紹介にはそんなに必要ないんですけどあるとなんか観やすい気がするので貼っときます。


使ってる役者の顔写真の向きもちょっっとだけこだわってるんです(つたわれ)

誰かが誰かを想ってる。
複雑でとてもシンプルな人間関係。
愛しさや後悔や未来や過去に、思い馳せるキャラクターひとりひとりへ
逃げないと決めた明日が巡って来ますようにと、私の祈りも込めて。



土方涼子 / ヒジカタリョウコ
as 福田晴香


年は一つ下だけど、涼子は晶ちゃんって呼んでくれるし、学校から一緒に帰ったり、2人きりでも遊んだりして仲が良かった認識。(と、今書いてて思ったけど晶なかなかの陽キャかも。みんなと仲良いやん。ぽへ。)
学生時代から発言が多い人ではなくて、少ない言葉の中に的確さがあるタイプだったと思う。達観していて、空気が読める静かな子。
統とは異母兄妹で、家庭だけで言えばかなり複雑なんだけど親世代にある不和みたいなものは2人の間にはあまり及んでないように見えてた。
異母兄弟・姉妹が特別不思議じゃないことだから村全体で麻痺しているのか、自分の想いで何かが変わる訳でもないと達観しているところがあるのか、もしくはそのどちらもなのかな。

晶よりもっと深く空気を読んで、涼子はすごい信仰熱心みたいな人だと周りみんなに思われてたけど実際はちがくて。
むしろアンチ。沸々淡々とアンチ。
親世代の様子を見ていて、猫被りしていただけの。

信仰信仰と云うこの土地と、血脈を(自分の中から…多分できれば事実としても)殺したくてここにきたっていう、なんか最強の人。
レズビアンであり、失踪した小川遥香のことを誰よりも早い段階から恋愛的に好きだった。
好きになった理由を目が綺麗だったからと言うのが印象的でしたよね。
初恋みたいなものなのかなあ、ガラス細工みたいに壊れそうで優しいはじまり。
埋められた遥香を見つけたんだよって沙幸から聞かされるシーンの涼子はまじで可哀想だし、めっちゃ怖い。
それにあてられて晶はふらふらと椅子にへたり込むわけです。いつも穏やかな涼子のあんな姿初めて見たんだもん。

ずっと愛しかった帰らぬ人の最期を知って、止まっていた時間がいやでも動き出して、やっとのことでも前に進めるような心境なら、いいな、って思う。
だいすきな涼子。
だけどあのゆめからさめたらもう2度と、涼子とは会わない…、会えない気がした。

はじめましてだった晴ちゃん!
でも界隈は近くて、ずっとお名前は見てたしお顔も認知してたから満を辞してってかんじだった♡
座組の空気清浄機のような清らかな人!
晶ちゃん呼びは、演じた晴ちゃんが決めてくれたので実は台本上では晶さんだった、んだよねたしか。
他のシーンでもナチュラルに関わるためにもう少し距離を縮めたいってことで話して、そんな着地になった気がします。
こういう一見些細な相談が丁寧にできる座組だったなぁ。
呼び方なども好きにしていいですってくるりんが言ってくれていて、そういうのも作品の余白と自由度をかなり高めたと思う。
他作品への出演のため少し遅れての参加で、
遅れてるから焦ってるんです…追いつかなきゃ…って言って、何も落とさまいと稽古を見渡しているのが真面目で可愛かった(*´-`)
セリフがないときの晴ちゃんが個人的にすごく好きで、存在感を失わない強さとか雰囲気は無二。真似できない。
その上一言の説得力がとても強い人で、大きな石ではないのに的確に波紋が広がるんです。
ああこの人は、生きながら女優だ、と納得してしまう。
声もいいんだよね。
寄り添うとき、荒げる時も無駄がないし美しい。
たくさん食べているらしいけど細っこくて、出会い頭のシーンで「元気してた?(ええこんなに痩せて無理してんじゃないのー?!)」ていう感じで、私と役は半分半分だった笑

ほうっとしてる時は凪のようで凛としていて、話し始めると小さなかすみ草がポポポって咲くみたいに可憐な、周りの人に敬意と愛情がある晴ちゃんのことがとっても好き。
一生懸命で、かっこいいの。
出会えて嬉しかったなあー!
また、今度はもうすこし通い合う役で芝居一緒にやりたいな〜!


鹿間統 / シカマトオル
as 坂井優志


みんながいじっちゃう、おっきな犬のような統。
愛されキャラクター。
なんかピリッとし始めた空気のほんわか担当。
怖がりで、ビビり倒し大王。素直で無垢。お調子者的でもあって、人とのやりとりが得意。

職場や住まいを遠いところにしたのは、遥香の事件が心に刺さってたせいかな。
みんなことは好きだけど、なんとなく顔が合わせづらいような。帰りたくなかったんじゃないかな。
仕事と距離のせいにして気軽には帰れないくらいのところに行きたかったんじゃないか…とか。
家族構成に異母兄妹がいることを考えても正常な家庭ではなかったと思うんだけど、よくぞ真っ直ぐ育ったなって思う代表。

統のことが大事じゃなかったわけじゃないけど「あの日最後に遥香を見たの俺だ」とカミングアウトを受けた時、晶としては、…それなら統に何かをなすりつけて私たちの秘密をうやむやにできるんじゃないか…ってよぎるんです。
だからSAN値が下がり始めてる統を心配しつつ、教室へ戻る廊下は、少し決意しながら早足になってる。
まあどっちもうまくいかなかったんですけどね。結果墓穴!

遥香のことは忘れたほうがいいよ。
何も悪くないし。正しく幸せになるのにはとても邪魔な記憶だから。
最後は幼児退行してログアウトしたから、夢のことは忘れてるんじゃないかとも。
今の恋人と、結婚して、素敵な結婚生活を送ってにこにこ笑っていてほしいなあ。

ゆーじさん!実際の最年長仲間!
本人もめっちゃかわいくて、いじられキャラだからほぼ統です!
なんかすごい昔からの知り合いみたいな気がするんだよなー全然初対面だったんだけど。笑
竹田とも話してたけど、上の世代だらけの中で芝居してる所見たいなあ!
良くも悪くも周りに合わせちゃう鏡みたいな、メタモンみたいな人だから、めっちゃ背伸びした芝居でもなんやかんや溶け込んでうまくいきそうだなって思うんだよ。あとド悪党やってほしいなァ
一生芝居やってんのかなぁ。そんなのが想像ついちゃう人。
ゆうじさんって…なんかいいよねぇが個人的流行で、楽屋でよく言っていましたw
なんかいいよねえ、ゆうじさん。ほっとする。笑


六車偲 / ムグルマシノブ
as 和埖くるり

偲。は2つ下の世代。
探ったけど、劇中で一度目が合う以外は、本っ当に絡めなかったw
飄々としてて、沙幸とは違った感覚でみんなを外側から見てるような人。
晶からは、格段話はしないけど居心地は悪くない、不思議な親戚の男の子って感じだったのかなー。
可愛がってはいたと思うんだけど、侑里っていう保護者(笑)が居たし、お節介を焼かなくても実は一人でなんでもやれる系の子だってわかってたからあんまり目をかけてないんじゃないかな。ほっといても死なないタイプだとは思うんだよね。天性のヒモ属性というか。笑
隔たりなく男女誰とでも仲良くて、中立っぽくて、何気に噂話に詳しいところなんかは侑里との血のつながりを感じるポイント。噂話好き系の家系?w

見透かすような言い回し、芯がなさそうにみえて、もしかしたら一番たくさんのことを考えていたかも。
遥香を最後に見たとされ、事件の捜査に協力した分、幼い心はしっかり傷ついていたと思う。
何もしてない、何が起こったのかわからない、何もできなかった まま、好きだった遥香はどこかへ消えてしまった。
その無力感は、その後の偲に絶対影響したはず。
周りがおかしくなる中で一番変わってないようにみえた偲。本当は、あの事件以来ネジ一本外れっぱで欠落してたのかな。
人間に興味ありそうでなさそうな、不思議系好奇心坊やでさえ好きだった、小川遥香ってどんな人だったんだろう。魔性だ。

雙影のイドラ主宰の1人、くるりん。
主宰業務しててすごく忙しそうだった!!!ずっと!!みたいな感想になってしまうくらい忙しそうだった。
座組のメンバーとして以上に、ギロチンのメンバーとして、できることがもっとあったな、もっと力になりたかったなと思いながら、私を客演さんとして扱ってくれてるからこそ敢えて遠慮しててくれたことも沢山あったろうと思う。し、感じていた。ありがとうね!
でも、もっと色々触りたかったよ。
お節介だったら無視していいけど、別になんでもやるからいってよね。事前に言われてた方が準備も捗るしさ!
甘えきってドロドロに溶けたらいいのに。同期じゃんうちら。
くるりんの顔が青いの心配だからさ。割といつもか…

呼んでいただいて、本当に感謝してるし、思い返してみても、私、なにかできたのかってちょっと心配なくらい。
始まりから終わりまですごい楽しかったし幸せだった。
私に晶を任せてくれてありがとう。
そして念願の初共演だったけど全然やりあえませんでしたね。。笑
きっとまた機会があると思いたい、です!
ツォルキンとカタンとラーやりに、はよウチにおいで。
ていうか次はいつ来るわけ!航といいくるりんといいさ!ふんふん!


都丸晴治 / トマルセイジ
as 竹田航

晴治という人はとても意志が強くて家庭を大切にしてて、家柄もあって反発したのか信仰なんかクソ喰らえって思ってる人。
そして誰より臆病で弱い弱い人。
すぐ怒る人とか当たる人って大概心がどちゃ弱いよね。
ヒステリックになるところ、手が出るところマジで無理だった。
設定にはないので完全に私の妄想ですが、晴治と史哉って薄く血が繋がってる感覚があったんです。
歳も同じでよく似てるなと思っていたし、だからこそカッとなるところや、暴力的な姿がダブる時があってたまらなかった。
晶としては弟のようでも兄のように慕うこともある、大切な同級生でした。軽口も叩くし、酷いことしてたら諌めて注意することもある。幸せになってほしい人。
本当に現実で同窓会に参加するなら、晴治に車出してもらって、一番近くの大きめの最寄駅くらいから相乗りして学校向かったりするんじゃないかなって話したりしました。
なんか割と近くの、村から離れてるけど県ほどは跨がないくらいの距離にお互い住んで居た気がしてる。
節目とかはたまに連絡もとってたかも。
怜衣奈の、ここにどうやってきたか思い出せないって発言から、ゆめの入口がもっと曖昧なものになったから今は完全なif。
家族を大切にする晴治と、大切にされている子供や奥さんが羨ましい。晶もそうなりたかったし、どうしたらそんなふうに史哉と生きていけるのか教えて欲しかった。
沙幸とは水と油。実は登場シーンから真っ直ぐ沙幸の言葉を無視してタバコを吸いに出てたりして……信仰心アレルギーかな?笑
沙幸の一挙手一投足に、昔からそれなりの嫌悪感があったように思う。
対となるキャラクターとして鮮明すぎるほどそこにいて、沙幸も晴治にだけは直接ヘイトをぶつけていいと思っているみたいに、それはちょっとだけ、たまに、家族に対する信頼とか油断にも見えて、とても複雑だった。

すごくすきな一枚。

年長組の史哉と晶と晴治
人気者としっかり者と責任ある家の長男。
晶には兄弟がいないけど、はとこくらいの近さの人は確実にいると思ってて(極論起源はみんな同じまであるかもだが)、どちらかというと都丸家方面に血のつながりがあると面白いなって。
語気が強くなったり帰ろうとしたりする晴治を止めたりしてたので、なんかよく世話焼いてたんかなー。
家での昔からの苦労も知っていたとおもう。
小川晴香に対しての晴治の気持ちは、晶はあの場で初めて知った。ほんでちょっと引いてる。

もはや説明不要の、
私の所属するギロチンの主宰、航!
楽屋隣の席で、適当なこと話したりも相談したりもして、喋るほど人生の価値が上がってにこにこする毎日だった!
化粧したら、はぁ〜りっこは今日も美人だねえ!って必ず褒めてくれるから自己肯定感爆上がりしてた。
いつもいてくれ全ての現場に。生きれる。それだけで。笑

どの現場でもそうだけどやっぱり何を演じさせても説得力の鬼だったから、晴治がすごかった、って連絡くれた役者仲間が多かったです。航みてえになりてえ!!!くそー!勝てない!!!!
あとで航が今回のお芝居作りについて紐解いてくれたんだけど、もっと早く聞いとけばよかったと思うことばっかりで、すぐにでもリベンジしたい。ああ悔しい。

今回もすごくすごくありがたかった。
役作りにも、史哉とのペアの立て方にもかなり長く長く悩んでたのだけど、航に相談すればなんか少し開けるから、すごい。主宰。
私のことたくさん見ていてくれて、引っ張って支えてくれてありがとう。いなかったらどうにもならなかったってほどおんぶに抱っこではなかったつもりだけど、こんなにいい時間が過ごせたのはお陰様だなとはすごく思う。
唯一無二なんです。
これだからっっとに愛してるわぁと思った本当に。
ギロチンに骨を埋めたいわけ!
一生一緒に芝居してくれや!!!!マザフアッカッ


姫田怜衣奈 /  ヒメダレイナ
as  岡ちひろ


怜衣奈とは、ツイートにも書いたけど本当ならちょっとだけ綻びがある間柄。
でも良好な友人関係だと思う。晶は軽口たたいて少し馬鹿にするくらい妹の芽衣奈とも仲良いし、怜衣奈はそれに乗ってくれたりする。
別に確執ない、のは、二人の性格的に相手に原因をなすらない(責任押し付けられなくて溜める)タイプだからかな?
…と思ってたけど、怜衣奈は当時晶が、同時期に史哉との関係がダブってない人だと思ってたから敵認定していなかっただけらしい。ごめん。
あの〜……多分ダブってたわ。ごめん。。
一方的な申し訳なさがあったのだよなぁ。
ちなむと、晶は、史哉が誰と誰に進行形でちょっかい出してるかみたいなのはわかっていたと思う。ぐぬぬ。
真相を知らなかったからこれまであんなに仲良くいれたのだとしたら、一生知らなくて良いやつだった。
怜衣奈ますます疑心暗鬼で人間苦手マンになっちゃう。。

小川遥香の失踪も、史哉とのいざこざやDVも、今のどこか人に対して壁が高くておどついた彼女の性格形成に関わったのだと思う。
男性が苦手とかそういうのもあって、彼氏とか…正直作るの難しい精神性だったんじゃなかろうか。
旧友にさえ人見知りしながらも、ゆめにログインしたのは、怜衣奈もそろそろ変わりたかったり過去を脱ぎたかったりしたからなのかな。
信仰の厚さもあって、最後のシーンの泣きながらするこっくりさんはほんとに、なんか幕裏で聞いてんの辛かったし泣いた。(後半ずっと泣いとる)
怜衣奈はとても優しくて、ちょっとだけ信心深くて弱い普通の女の子だから、たまに背伸びしてお姉ちゃんぶりながら気楽に暮らしてほしい。恋もしてほしいな。

おかちのことはね、大好き!毎日会いたい!
一生懸命さもお客様に対する優しさも、すごい変なところも好き!尊敬しまくりの助!
またおかちと芝居したくて、航にキャスティングしてくれぇ〜っておねだりしました。いつか叶え。
エンタメの人だから、エンタメの舞台でも会ってみたいんだけど、おかちのお世話になってる界隈は私にはちょっと若すぎるんだよね…縁遠い…!
帰る時、おかち帰っちゃうの?明日も会える?会えるのー!?やったー!!っていうの最高に幸せだった。
また言いたいのにもう明日は会えないんだねえ。寂しいや。

舞台に歌の活動に、すごく精力的で、いつも何かに心が動いてて、応援しがいがある人!
だから沢山ファンの方がついていらっしゃるんだなぁ
そしてお客様もすごく良い方ばっかりだったから、やはり演者とお客様は鏡合わせよね…と思った。
見習うところだらけだ〜〜〜
忙しそうだけど軽率に遊びに誘ってみようと思う(誘うの苦手だけど!)



丹羽侑里/  ニワユウリ
as  宮沢雪乃

侑里。
最年少組。しっかりもの。
一つ上のいとこ、偲のことを気にかけたり、ぐったりする統の心を守るような発言をしたり。
村を少し俯瞰で見てる賢い子。
そして村の子供達の人間関係や恋模様をよく把握してた。噂話を仕入れてたりするところから察するに、誰とでも仲よかったんだろうなぁ特に女性陣とは。
明かされてない噂とかなんかないのかな?知りたい!w
遥香の失踪についてどこまで知っていたのか…作中では計れなかったけど、実は結構いろんなことを知りながらログインしてたんじゃないかって思う。
知っていることへの気まずさ、吐き出したさがあって、本当のことを当事者から聞いて納得したかった、はあったのかな、とか。これは私の邪推ですが。
遥香との関係があまり描かれてない人だったから、どう思ってたのか知りたいなぁ〜〜

みんなを心配することで怖さを発散していて、最後統の手を引いて廊下を走り出すところは、足音を聴きながら、よく頑張ったねって思ってた。えらいよ。
ゆめから覚めたら全て忘れてていい系の人種。
外の世界は広いぞ、羽ばたけ侑里。



座組でも最年少の雪乃ちゃん。
がむしゃらに演出を体現しようと頑張ってた。
いっぱい吸収できたかなどうかな
私、自分がこの座組に呼ばれたことってかなり意外で、私が!?呼ばれるってことは年長としてなにか求められてるのかなって思ったの。
だから雪乃ちゃんみたいな若い子に、お芝居のコツとかなんかあげられたら、悩みとかあったら一緒に考えたりしたいなぁと思いながらお稽古の合間はおしゃべりしたなぁ。
小屋に入ってからは、私始まる前に1人ずつと気合い入れするんだけど、雪乃ちゃん静かに一人で集中してるタイプだったから、スタンバイ前まで目を瞑って瞑想してたりしてて気合い入れの声かけしない日もあって、そのときは投げキッスしてました♡笑
今も、いつか振り返っても、いい舞台だったら、嬉しいなぁ。


柳田五六/  ヤナギダゴロク
as  木戸昌宏

五六くん。
以外と村のしがらみから抜け出せていそうで、ない人。
呪いみたいに幸せになれてないじゃんっておもう客観的に。
他キャラの裏設定をペラペラ話せないからあれだけど、結婚して子供もって幸せそうな晴治の家庭を、同じく結婚して幸せなはずの五六くんが羨ましがるようなあのラストシーンは、胸が痛い。
「なんだそれ……のった」が、とても好きだった。
他にも、五六のセリフは結構心に残ってるのが多いです私。
思い通りにいかない人生に人知れず苦しみながら、弱い光を引き寄せながら、きちんともがいている。でも人にその苦悩を見せたりを押し付けないところ、…めちゃくちゃいいやつじゃん……ってなっていました。好きな精神性だった。
女性に対しての優しさがすごい。チャイムが鳴って、自分だって狂いかけてるのに、フラッフラでトラウマフラッシュバックマンになってる晶を介抱して、暴力的になる史哉からも守ってくれる。狂うと宥めてくれます。ねえまじで優しい。
掴みかかった人を引き剥がす&殴りかかる人を止める担当の村のゴーレムでもある。笑
環境的には、知的に村を治める柳田家、力で治める都丸家ってかんじなのかな。
実際のパワーバランスは柳田家がつよそう。


おうちに帰って、嫁を抱きしめてほしい。
あんなに狂気剥き出す世界の中で、トラウマ掻き出されて揺さぶられながら、
「君は誰のことも幸せにできない。それだけはわかるよ」ってあんなに真っ直ぐ言える人はいない。
あなたは人を幸せに出来るし、一緒に幸せになれる人だから、どうか、そのままでいてね。

トマホークこと木戸っち。男性最年少かな?
ぼそっと言う言葉が面白すぎて、言葉選びうますぎて、こんなに好みなのに全然話してない!くそ!もっと仲良くなりたかった!!トマホーク投げ連れてってくれよ!!!絶対だぞ!!!
穏やかな佇まい、竹田とそっくりの体型がよく稽古場で笑いをさらっていましたw
ちょっと遠慮が見えるところもあるんだけど、お芝居のセンスすんんんんごいとおもってる。
また是非どこかで一緒にお芝居を作りたいし、その頭の中を頼りにしたい。
私は持ってない感覚と感性の塊。男性的でも女性的な思考に見えるどこか羨ましい人なんです。静かに尊敬しています。
良い演出家や作品にどんどん恵まれたら化けるんだろうなっておもう、これからがとても楽しみな人!
コメディだったら絶対必要なギャップ持ってる役者なんだよすごいんだ。

足首をガシガシ揉んであげたら、サウナ入ったみたいに足が整ってる…って驚いているのが鮮明な最後の記憶です笑
あとプーさんの真似がうますぎてほんと好き。w
あ〜理由なくどうでもいいかんじで飲みたい〜〜


赤田芽衣奈/  アカダメイナ
as  望月美桜

芽衣奈の役作りってあんまり知らないな…
お姉ちゃんとは親の離婚で離れてる。
怜衣奈との関係は普通の姉妹。仲良すぎってこともないし、ほどよく干渉しないで生きてる。
ちょっと頼りない、決まり切らない姉を見守りながら少しため息をつくような子。しっかり者。
侑里と同じで、遥香失踪の頃は13歳とかなり幼く、どれくらいの認知があったのかはわからないのだけど、
なんとなく冷めた雰囲気があったりするから、もしかしたらこの村に一番くらい嫌悪感があったうちの1人かもしれない。
だから晴治にはちょっと懐いてたのかな。
飛び出した晴治、それを追いかける晶をスッと追えるところ、そのあと割とフラットに話すセリフもあるしね。
芽衣奈からみた事件のこともすごく聞いてみたいな〜

座組でもだけど村の中でも一番下の世代だから、晶はお母さんみたいに世話焼いちゃうんだけど、いとこのお姉ちゃんくらいのほど良い安心感を持ってくれてたらいいなー!
あのシーンは完全に口調がおばちゃんになっちゃうけど…!!
芽衣奈の髪色が明るかったり、ピンクの革ジャンなんか着てるからもう、成長とおませを感じてしまってお姉ちゃん大興奮だったよ…!笑
でもあんなに小さかったのにという感じでからかう割に私も背は小さい。なんなら変わらない。笑
ゆめからさめた後は、前よりは安心して妹やれるようになってるのかな?


美桜ちゃんとは初共演、でもわらべどもを観劇してたからなんか知ってる気でいたw
とても頑張り屋さん。とっても真面目で不器用。
むつかしくてできないことを無理して頑張らなくていいんだよ。美桜ちゃんにできることを、美桜ちゃんにしかできない方法で任された仕事をできるようになっていくのがいいよ、そっちの方が楽しい。なれるよ必ず。
周りに恐縮して、自信がなかったときの昔の私みたいっていつか言ったことがあるけど、私より全然真面目でいい子だから、これからもう、すんごくなっちゃうね!
どんどん、ぐんぐん、成長するのを見つめています。
またお芝居しようね!
全然関係ないことも、話したりしたいなって思ってるよ!


大月早苗/  オオツキサナエ
as  ハラグチリサ

早苗のことは本当に大好きな友達の一人でした。
ちょっと悪ガキっぽくて懐っこくて可愛いし、小さい頃から晶を慕ってくれてたから。
早苗にとっても、村のみんなのお姉さん的な存在の晶は「兄の肉欲の範疇外」だと思っていて、何より友達だったから、安心してたのかなぁとか。
だけど本当はもういつからかそういう関係で、結果一番最後まで史哉の異常性さえ全てを受け入れてしまって諦めなかった人になってしまって、兄が好きすぎる早苗にとって許せない人になっていった。
そんで、友達でいられなくなっちゃったのかなって。
仲のいい可愛い兄と妹。親の離婚によって離れてしまったからこそますます深まった歪な兄妹愛だったけど、本当は二人とも凄い寂しがりで、人間と深く関わるやり方が下手だっただけなんじゃないかって思ってる。
晶は2人のそれぞれが本当に大好きだったから、2人が笑顔でいられるやり方をずっと探しながらそばにいたけれど。
そういう恩着せがましいところも多分早苗は嫌だったんだろうなぁ…笑
最期まで持って行こうって言ってくれた史哉と、きっと自分のせいで悩ませて傷つけてしまった早苗。
許されない過去も全部抱きしめて、晶はふたりと生きていきたかったと思うよ。

早苗の友達と過ごす今どきな雰囲気と、お兄ちゃんが好きで追いかけてるところ、ナイフを持って晶を追う姿と、すごく多面性がある子だった。
脚本と時間に余白があったらもっと掘り下げて心をのぞいてみたかったキャラクターの一人。
史哉が羨ましいです。前みたいに仲良くして、お姉ちゃんにも友達にもなりたいのにな。さなちゃん。
晶ちゃんってまた呼んでよ。


リサ氏には終始メロメロだった私♡♡♡
そしてちょっかいを出し続けて、永遠に受け続けてくれるリサ氏。
見た目の可愛さもさることながら、喋れば喋るほど可愛い人なんですよ!!!
かわいいゔぁんぱいあちゃんです(*'ω'*)
ハロウィンイベント主宰するってTwitterで見たので百眠未の新作ツノをプレゼントしたくなっちゃってしたり、
最終的に楽屋でたまに横顔を見つめるだけでにこにこしてしまってた(私が)
こんな妹ほしかったなあ〜〜〜養いたい〜〜
でもまだ人見知りが解けてきたくらいの関係かも知れない…!次に会った時に初対面みたいにならないことを祈りながら(笑)
願わくばもっと突っ込んで芝居構築してみたかったなァ
懐っこいけどツンデレで、恥ずかしがりで、想像してないタイミングでデレるリサ氏に私はずっと不意打ちでときめいてしまうんだと思う。笑
妹みたいに愛してる。
これからも仲良くしてねえリサ氏〜〜♡



久保寺史哉/  クボデラフミヤ
as  朱田弘幸

っしゃさすがに長くなるぞここから先は。
歯ァ食いしばれ。

史哉はクラスの人気者ってやつだったんだと思います。
みんなと満遍なく仲良くて、かっこよくて、発言もはっきりしてて、でも頭はあんまり良くなくてちょっと抜けてる人。笑
人の温みを欲するような寂しがりな要素を持つ人。
晶は同い年として一緒に村で育って、本当は弱い心を守るように言葉や暴力が先立ってしまうようなところも、幼い頃にお祭りで手を引いてくれた優しい横顔もよく知ってる。そこに母性も抱いたろうし、補うように好きになったんだとも。
最初から恋人ではなかったかもしれないけど、史哉が変わっていって、沢山いた肉体関係のある女性達が消えていって、それをずっと待っていられた人が晶だった。
近年の史哉は完全といっていいくらい攻撃性も消えて、いい彼だったと思う。
遥香に対してはどうだったんだろう、聞いたことないけど、設定上は完全な肉欲の興味の対象、だったね。
つもりがなくても死に関わった後ろめたさが今もあったからこそ招待状を受け取ってここに来たのかなあと私は思ってます。

史哉と晶はひとつの犯罪の共有をきっかけに15年という長い人生を共に生きてる。
でもDVも攻撃性も、年月と愛情が少しずつ史哉を変えていくことで薄まって、近い年代では本当に愛し合っていたと思っています。何があっても関係ない。昔々苛立ちをぶつけられていたとしても、女性関係が緩かったとしても、事件が、秘密が、あったとしてもなかったとしても、晶にとって史哉は何があっても守りたかった人でした。
ゆめを享受したときの晶としての気持ちは〝何が暴かれてもずっと一緒にいたかった。〟

「お前に何がわかるって」は、苦悩してきた15年そのものを濃縮したような言葉。
史哉自身変わろうと努力もしたし、変わってきた自覚もあったんだろうと思う。幸せになっていいんだとか、そういう許しも芽生えていた、なのに。
でもギリギリまで暴力を我慢してた史哉は偉いよ。最後の最後で五六に手が出ちゃって、震える晶と、周りからの目と、自己嫌悪とえげつなかったと思う。

史哉を追いかける足は重くはなかった。
最初は支配的な、もしかしたらどこか今もそういう共依存はあったのかも知れないのだけど、お互いを愛していることだけは確実で、できたら、幸せになりたかった。
晶も、史哉がいてくれたらよかったんだよ。
私がそばにいてあげなくちゃ、ほんとは弱い人だから、一人で頭を抱えて、辛くて怖くて寂しくて泣いてるかもしれないから、見つけたら抱きしめて、もう大丈夫だよって言おう。だから、
「いかなくちゃ。」


そんなことを思い付いては話して、どう思う?って投げかけて。大体共感してお芝居に組み込んでくれたヒロくんにはとても感謝です。
人見知りさん、そしてすごく口下手さんなので、100話すと15返ってくるくらいの反応で、
ディスカッションで通じ合っていくタイプの私は、ちょっと上手くやれるかわかんないな心折れそうペア役…ペア…うおお…と思ったけど笑
………な、……仲良くなりたかったなぁ、!

私がこの通り自由奔放なので、舞台上でも降りてもご迷惑をおかけしました。し、面倒見てくれました。
アドリブも大体乗ってくれるし、史哉に最近前髪切ったことに気づいてほしい晶ちゃんシーンは何やるか通しもゲネも本番も全部知らなかったので、私も楽しかった!千秋楽が一番好き。

類を見ないくらい苦戦してたんです、渋沢晶って役に。
座組でもお姉さんだったし、立場的に弱音を吐きたくなくて順調そうな余裕顔をしていたかったから(笑)、小屋入りくらいまで本当にうまく頼れなくて涙出ちゃう帰り道もあったんだけど、だったらもう体裁とか気にせずにもう少し、気楽に信頼してもよかったのかなとか、一緒に作らせて貰えたら嬉しかったなという後悔は少しある。笑

でも晶が献身的で可愛くみえてくれていたとしたら、
泣き笑い追いかける姿にお客様の胸が痛んでいたら、史哉がヒロくんだったおかげだと思います。
身内には特に、ペアでたくさんお褒め頂きました。大感謝。生まれてきてくれてありがとう。
ヒロくんにとって、最高じゃなくてもまあそれなりに悪くないペア、相手役で終われていたらいいな。
何かできてたかな。

私 出会った人には良い役者人生を送ってほしくて、性格的にもお節介なあまり、すごいたくさん言葉をかけてしまった(ごめん)
あと全公演しっかり膝が笑い続けていて、一生緊張してるから逆に凄いなぁこの人と思っていました。
たくさん滑る面白い人だった!
人間としても役者としても幸あれ!


渋沢晶/  シブサワアキラ
as  山内里紗

航が笑わせてきて全然普通に写真撮れなかった時の!
航が笑わせてきて以下略 ………もー!!!!

この流れで、私が演じた晶のことを。
ピンの写真がないので代わりに、出しどころがなかった写真を2枚ほど。笑
(全然真面目な写真撮れなかったから今更困ってる!w)

「周りが納得する仲の良さを出したいけど、終電近い改札前で一生ぐだぐだ抱きしめあってキスしてるみたいな周りにウッとされるラブラブ感を出してるカップルにはしたくないなーって思ってて、それで、」と前置きして、
史哉役のヒロくんに死ぬほど長いラインを何個も送ったのですが、
積み上げられた愛情を恋人でもない人と構築して表現して人に伝える難しさってこんなにかと思って…タスケテ…て感じでした。

しかも通し稽古の動画見て、
嘘じゃんこんなの!!!お芝居じゃん!セリフ喋って!台本上でカップル演じてる他人じゃん!!!!
と思って!笑
いやその通りだから当たり前なんだけど。
何が地層のある関係に見える要素なんだろうって道ゆく沢山のカップルを観察したりもして。
私の中でいくつかのやり方を見つけて提案して、散らばせたつもり。15年分の愛情が見えてたらいいな。

役作りの段階からとにかく悩んで、この子を魅力的に演じられるのか、私ってこんなに演技下手なの?辛すぎ。って毎日静かに唸りまくり、そして航に弱音を吐く毎日。笑
病むほどではないけどシンプルに苦戦した。
自分にあまり自信がないこと、お節介なくらい愛情深いこと、が、唯一晶と自分の共通点だったから、最終的にはそこを広げていこうと決めて作りました。
最初から幸の薄さみたいなものがずっと付き纏うキャラ作りをしたけど、そこにはちょっとだけ反省してる。
同窓会スタート時点では幸せ指数の高いひとだったはずだから、もっとキラキラした姿を見せられたらよかったね。
(あとでどうせ余り物の女だったとバレるのだから…うう…)

あっ、コインケースは晶の手作りです。お裁縫は得意じゃないけど、史哉の好きなキャラクターを真似して作った。という、設定。本編にはマジで関係ない。
実際も私の手作りでした!想像を遥かに超えてたくさんお買い求めいただきありがとうございました!


早苗との関係性は出せる箇所が台本の上であんまりないにも関わらず、早苗は晶と何かある、ということだけが他のシーンでみんなに心配される形で語られていたので、たまに目線を合わせて逸らされるみたいなのを組み込んでいました。3人の秘密にしようって言ったのにと突き飛ばすところとかは溜めた嫌悪感の現れ。
あのアクトは、確か後半の通し稽古中で生まれたんだと思うけど痺れたなぁ。こっちもますます悲惨に見えるしギアが入るからリサ氏ありがとう…と内心思いながらメソメソ泣いてました。

ラスト握りしめていたナイフを早苗が晶に振るったとしても、晶は刃を受け止めながら、これはしょうがないことだなって微笑んでしまうかも。しょうがなくないよ。幸せになれよと思うけど。
遥香にコンプレックスを抱き続けていて、愛が強く、愛しい人でした。
晶もまた弱い人。
だけど、大好きな誰かのためにだったら自分を殺せる人。
少し共感する。
結末がどうあれ、幸せを守れる人だよねあなたは。
分岐したかもしれない全部の人生を私が胸に抱えて生きていくからね。出会えてよかった。生まれてきてくれてありがとうね。
 

小泉沙幸/  コイズミサユキ
as  たにかわ夕嬉

沙幸。
沙幸の深すぎる信仰心には正直そんなに気付いていなかったし、村に生きてればこういうタイプも見たことあって違和感を感じなかったか麻痺してたかも。
何気ないおしゃべりや、ちょっと抜けてる沙幸へ沙幸が気付かないようなレベルでおせっかいをかけるとか、晶はすごく自然にやってたと思う。
遠慮がなくて清々しい子。甘え下手だけど、甘えてきた時がすごく可愛いみたいな。
みんなが同じ話題で笑ってる時、窓の外の鳥を目で追いかけながら空想していたりして、少しだけ孤独の匂いがする子。

あれがゆめだったとして、現実には何がきっかけとして転がり込んできたのか…と考えた時、招待状の、本当の姿?とは、沙幸のお葬式のお知らせだったのではって今は思っています。
台本にはないのでこれは妄想のカテゴリなんだけど、
都丸役の航がそういう考え方もあるよねって話してくれてしっくりきてしまったので。

ゆめを作り出して、みんなを呼んだのは沙幸だったのかなって思ってる。
さらに、土地の霊が呼音したのかな。
そしてゆめにログインするって決めたのはそれぞれのキャラクターなんだとも思う。
思い残した空白を埋めるために。壊すために。知るために。選ばれ続けるために。また会いたいために。

私は怒ってるって言う。こっくりさんを適当に扱って、罪を被せたみんなが憎いって。
それも本当だと思うし、うん、その上でシンプルにみんなに会って終わりたかったんじゃないかなあとも。
(沙幸は現実では既に亡き人か人ならざるものだと個人的に考察してるので)

誰かにとって忌々しい血脈は私たちが遠くに居ても繋がっていられるイマジナリーの臍の緒でもあるから
だから、血を辿って呼んでくれたんかなあって。

沙幸は猫みたいで昔から不思議な子だった。
そういう不思議なところも個性だなって思えてたし好きだったから、久しぶりに会った沙幸を見ても大人っぽくなっただけで、変わったとは思わなかった。
でも招待状に話題がふれた時、なんとなく、沙幸がこんなことするの、意外だなとよぎる。
たしかに昔からこんなふう、ではあったけど、
……「なんで受け入れれるの?」
何か理由があって呼ばれたんだ、と無自覚で意識するようなざわつきが通り抜けていました。

ゆめでは、あんなことになってしまったけど、でも、会えて嬉しかったのは間違いない。
あのゆめのおかげで、決まった覚悟もある。
この先をどう生きていくか、誰と生きていくかは生きている私たちの勝手な選択でしかない。
沙幸がくれたあの日を抱いて、これからも生きるために選択していく。
沙幸と、どんな形であれ会うことができて、私はすごく嬉しかった。
最後、ここにいていいですかってこっくりさんに問いかける彼女には、いてもいいし、いなくてもいいよ。
でも沙幸がここにいてくれて良かったよって伝えるつもりで見つめています。


たにかわ夕嬉という人はすごい。
一周回って語彙力などはないわけだけれど。
あの空間を一人で握り込む存在感には鳥肌が立ったし、安心してキャラクターでいられた。
私が全く緊張しなかったのは夕嬉ちゃんのおかげだったんだろうと思う。
何が起こっても、何を起こしても、なんとかなる空間を作ってくれてたから…というか。
ストーリーが進めば取り返しつかない告白と発狂で悲惨な状況になっていくのに、新鮮に捉えながらも見せなければいけない芝居に関してはすごく透明で、先を考えなくていいし、心配がないというか。
うわー役者的感覚かなこれ上手く言えないんだけど…現場掌握力がすごかった。
夕嬉ちゃんの座長舞台をそばで感じて一緒に作ることができて嬉しかった!!

私はおしゃべりで、夕嬉ちゃんはしずかににこにこしていてくれる人だから、うるせえやつだなと思われてたかもしれないんだけど、笑
りっこさん、って呼んでくれるのがなんだかいつもじんわりあったかくて嬉しかった。
宝物みたいに、でも馴染みの友達に頭を預けるようにもお芝居に寄り添って息をする、表現の果てを持たない人。
歴戦の選手みたいなのに、赤ちゃんみたいにむじゃきで、あと何色魅力的で知らない色を持ってるんだろう。
尊敬する、かっこいい女優。
言葉で戦いたいなあ!
背中合わせみたいに演じてみたい。
今度会いに行くんだ。へへへ


小川遥香

空白の 席

最後はこの人、小川遥香。
物語最大のキーパーソンであり、謎の人。

正直晶から見た小川遥香って、全キャラの中で唯一こう…普通に苦手…ってかんじの人なんですよ。
みんなの人気者、で可愛くて、人間関係も良好な、目が綺麗な人。
完璧すぎてちょっと怖い。嘘みたいに澱みがなくて。
美人だったんだろうな、余計なこと言わない高嶺の花…だと思えば中身を知るとそれを少し庶民的な花にした感じの子。
遥香に対しては晶はずっと劣等感がある。
羨ましさが少し捻くれた感じ。

信仰の厚さは沙幸のそれよりも露骨に感じて少し嫌悪感があったし、多分もう既にそういう関係、になっていた史哉が、唯一彼女として扱っていた人だから。
自分の方がずっと前から彼を知っているのに関係性は幼馴染のまま。人気者同士そうなっちゃうのって必然な訳、とか思って腐ったりしたかもしれない。

あの日、落ちちゃって、死んじゃって、埋めるところをみるみたいな現実感のなさすぎる体験をしても、
居なくなってホッとしてしまった、が、晶の女性的思考を思うと少しもなかったとは言えない。
一生続くコンプレックスのはじまり。
とはいえ、後ろめたさと背徳感の中で、ゆっくり史哉の恋人に昇格していくのは相当心抉れたと思う。でも上り詰める。
…そう、みなさんお気づきの通り、晶も相当やべえオンナです。しっかりと筋の通ったヤンデレ!笑

キャストがそれぞれ描くことで多面的に形を持って
カラフルで、透明で、魅力的なキャラクターでした。
みんなと、遥香について話して、だけどキャスト同士では彼女の姿やイメージを決めつけずに舞台を終えました。
だから、見てくれた全ての人の中で、あの席に座っているその人が小川遥香です。
あの日に確かにそこにいた輪郭をなぞって、ここにはいない遥香に怯え、求め、背を向けて狂っていく登場人物たち。
作品はフィクションでしたが、あそこにいたわたしたちと小川遥香は、ノンフィクションだったと思います。
たぶんどこかで生きてる。ゆめをみてるかも。
さようなら、遥香。みんな。おやすみ。



言い残しとか村の成り立ちとか

わいわい


たくさん書いたなぁ。
読んでる人まだいます…?笑

これだけ思い入れのある作品にできたのは本当にキャストのおかげです。
一つの作品のnote更新回数的にも、最多でした。
何度も言うけど、本当に素敵な俳優さんたちです。
ひとりひとりも面白くて、対談してお話聞きたいくらい。
良かったら、別の世界に生きる彼ら彼女らの活動も、これをご縁に応援してください(*´-`)
思いはさっき詰め込んだので割愛。

共演して好きになった役者さんはこれまでもたくさんいたけど、こんなに安心してお芝居をしているのは、まじで初めてだったかもしれない。なんでだろうなぁ
お芝居はじめて10年はくだらないけど、毎回発見あるものですね。まだぺーぺー。一生勉強だ。


ほぼ初対面からのスタート、みたいな人が多かったのもむしろ良かったのかなと思います。
なかなか難しい匙加減なのですけど、多分芝居に達者な、というより芝居に真摯な人との方がこういう入り組んだ作品は作りがいと伸び代があるんだなと思うんです。

もちろんセンスとか、提案に対しての出力とか切り返しみたいなものは標準装備しているっていうのが前提にはしたいんですけれど、誰一人勝手に演じてなくて、同じ空間にいる人に対しての敬意がある状態が、千秋楽まで続いていたからこその 今作だったと。

その雰囲気の良さが物語を底上げしてくれていたとしたら、いいな。




風土と信仰、世界観のこと。

私(山内)みたいな、両親と姉に兄、記念ごとには祖父母がお祝いをくれ、いとこもそれなりにいて仲良しみたいななんでもない家庭でまあまあ甘やし気味に育てられた人から見ると、舞台となったところはとてもおかしな村でした。
まず血縁がぐちゃぐちゃ。
おいおい倫理観大丈夫か。
何もかもが近いなあという感じ。

畑や生活の共有はもちろんですが、婚姻関係を超えた男女の共有もなし崩し的になのかあるような。
いとこ婚や、結婚せずとも身籠もって出産して、地域全体で育てるみたいなのもざくざくありそうだし想像できてしまう。
私たちの親世代もまあ乱れています。

最初は、村を守っていこうというシンプルな郷土意識だったと思うのだけど、時を経て内側に抱き込まれていって。
村の中だけの、狐を祀った大きなお祭りなんかがあったりして、信仰という共通認識が強まっていく。
それが外界を拒絶する壁にも、禁忌の共有に対しての許しにもなっていったのかな…

全員が、さほど遠くない親戚、みたいな、大きな家族のような13人の子供たち。
そんな歪な中でも子供たちは子どもたちなりのコミュニティを作って、仲良く暮らしていたりする。
普通を知らないからこそ根底から歪んでいるなんて思いもしないで、すくすく。
だからとてもとても仲は良い。それがまた。

限界集落、と私たちは呼んでましたが、ほんと、地域の子どもいなさすぎてクラス統合して学校廃校になってったくらいの田舎です。(のちに村も)
学校があった世代の最後の子ども。
侑里とか芽衣奈の卒業する頃ってもう、麓の学校まで下っててもおかしくないよね。



同窓会のおしらせ

本編では、同窓会のお知らせが届いてそれを頼りにみんながかつての村に集まってくるんですけど
すでにたくさんの矛盾があって。
村はほぼ廃村で誰もいない、行政もほったらかしているようなところ、ってまあ、普通の倫理観があれば、招待されても入らないんじゃないって思いませんか。
多分リアルだと立ち入り禁止です、15年ほったらかし?なんて、なんか倒壊しててきてもおかしくない。
相当風土信仰とか廃墟みたいなのに興味がないと、わざわざ足を向けるようなところじゃない
そんな状態の学校なんて、いくら親しんだ地元だと言えど、どホラースポットやん…!って台本初めて読んだ私は思いました。

しかもあんな軽装(スーツのやつもいるし)で、です。
ので、私は、あれは本当に、ゆめを見ていたのだと思ってます。

キャラ紹介でも触れてますが、厳密には沙幸が作った仮想空間的な。
(史哉が、これはゆめか仮想空間なんだ、というけど、本当にそうだったんじゃないかって。でも何をゲロってもよくはない。みんなと意識を共有した、取り返しのつかないゆめ)

そして招待状は沙幸のお葬式のおしらせだったんじゃないかと(何度も言うけどこれは妄想です)
その日の夜、みんなの血が、沙幸が、それぞれの空白と思い残しが、みんなを引き寄せて夢を一緒に見させた。
みたいなね。

ゆめのそのあと

キャストは18場って呼んでる、暗転後のみんなの無声芝居ラストシーン。
あれはゆめ、から醒めた11人のその後だと思ってます。

胸にモヤをかかえながらも、あれは悪い夢だった、と忘れていきていこうとする要素強い人もいれば、
あれは夢、ではあったけど本当に向き合わなければならないと思った人、
シンプルに事件を思い出して、これからも抱えて生きていくんだと深く感じて後悔する人。
トラウマが蘇ったけど、夢から覚めても変わらない…または覚悟と愛情を強める人。
諦めかけていたものを取り戻そうとする人。
流される過去を堰き止めて、自分を見つめ直す人。
などなど。
幸か不幸か、その後の人生を少しだけ歪ませるゆめでした。


解釈は勿論、観劇してくれた方、演じたキャスト分あるもの。決めつけてのことではなく、です。
みなさんの考察や感想もすごく楽しく拝見しておりました!
何度も見て深めて下さった方、台本と照らして楽しんでくださった方も。ありがとうございます!


キャラクター振り返りとまとめでした。
全部、あくまで役者個人考察なのであしからずです。
公式設定とかじゃないです。

いやとんでもない加筆してしまった。長い。
ありがとう。読んだあなたはすごい。えらい。
読んだ印に、♡押してくれたらうれしい。
そしたら誰がここまで読んだかわかる…!

私のまちがいさがし。これにておわりです。


キャストもスタッフも、お客様も。
この作品に出会ってくださって、心を寄せてくださって、
ありがとうございました!


20220928-----56

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?