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私のSSの書き方➂【調べること】

この記事では、pixivで二次SSを書いている私が書き方を紹介します。
他のサービスや個人サイト等とは仕様が異なる可能性があるため、pixivでSSを投稿したいと考えている人、もう投稿しているけど他の人はどんなプロセスで書いているかを知りたい方に読んでいただきたいです。

そんな思いで書いていたら長くなってしまったので分けて書いていきます。
書き終わったら一気読みができるバージョンも投稿しますので、今しばらくお待ちください。


はじめに

今回は、私がSSを書く際に調べることについて書いていきます。
二次創作をメインにお話していきますが、オリジナル作品を書く際にも参考になるかと思いますので、ぜひ読んでってください!
今回、数字は優先順位順にふっていますので、参考にしてくださいね。

1.人称にんしょう

人称とは、大きく一人称、二人称、三人称に分かれます。
中学生以上の方は英語の授業で習ったかもしれませんね。

ものすごくざっくり言うと、一人称が「話し手が」「話し手をどう呼ぶか」
二人称が「話し手が」「聞き手をどう呼ぶか」、
三人称が「話し手が」「話し手と聞き手以外を(ものも含む)どう呼ぶか」
を表します。

pixivでSSを書く場合、人称は必ず調べておきましょう。
特に、原作がゲームやアニメの場合は少し難しいですが、表記も調べておくとよいです。
字幕などがなくどうしても難しい場合、もしくはオリジナルの場合、表記はキャラクターの性格や年齢に合わせるのがよいと思います。

 二人称と三人称は同じ人物を表す場合同じであることが多いです。
(例)ドラえもんは本人に呼びかけるときも、「のび太くん見なかった?」と聞くときも「のび太くん」と呼ぶ
ただし、例えばのび太のママはのび太本人に呼びかけるとき「のびちゃん」と呼びますが、「のび太見なかった?」と聞いたりしますし、お説教の時は「のび太!」と言って怒りますよね。

 このように、人称が複数ある場合もあります。
また、時間軸によって変わる場合もあります。
例)仲良くなる前は「〇〇さん」→友達になって「〇〇ちゃん」
子供の頃「ぼく」→成長して「俺」
など

ですので、人称を調べる際には
①複数あるのか
②複数ある場合は、どのように使い分けるのか
➂時間軸によって変化はないか

の3つに着目して調べてみましょう。

人称が違うと、文字だけで表現する都合上誰が何を言っているのか分からなくなります。また、時間軸が異なる人称を使うとちぐはぐになって混乱の元になります。(逆に、タイムトラベルものとかだと変えた方が分かりやすいかも)

2.構文

優先度第二位にして意味不明な単語が出てきました(笑)。
構文というのは、「この子はこういう言い回ししがち」みたいなものと捉えてください。
口癖とは若干異なります。

〇〇構文で有名なのは、某元環境大臣のあの方でしょうか。(セクシーに問題解決するあの人です)
Twitterなんかで、あの構文を使って、いろんな人が大喜利みたいなことをしていますよね。あれを敷衍ふえんして考えると、「〇〇構文」を使えるようになれば、○○っぽいセリフを書ける!ということですね。

じゃあ、その構文ってどう調べろって言うのよ、という話ですが、こちらもオススメのものを紹介しておきます。

①コラボ(効果大・範囲小)
②スキル名・必殺技など(効果中・範囲小)
➂原作を見まくる(効果小・範囲大)
④二次創作を見る(特に、字数制限があるもの)

①コラボ

コラボでは、キャラクターの決め台詞的なものが使われてることが多いと思います。ゲームとのコラボでもそうですが、コラボキャラはあんまり喋れません。短い言葉で○○らしさを表現する必要があるんです。
逆に言えば、コラボの時にどんな話し方をしているか、はかなり構文の参考になると思います。
ただし、コラボとして選ばれるキャラは悲しいかなメインどころが多いので、作中での出番が短かったり、悪玉だったりすると選ばれなかったりします…。悲しい。
また、そもそもコラボ自体アニメ化しているなどある程度有名な作品に限られてくるので、作品によってはコラボ自体ないかもしれません。
そこで、効果大・範囲小とさせていただきました。

②スキル名・必殺技など

同じく、短くそのキャラらしさを表現する必要があるので、効果が高いです。これは特に原作がゲームの場合有効です。特に最近のソシャゲではセリフっぽいスキルが増えていますので、参考になると思います。一方で、原作がバトル漫画だったりすると、技名がそのままスキル名になりがちなので微妙です。
また、こちらもゲームによって仕様が違うので、効果中・範囲小とさせていただきました。

➂原作を見まくる

大変ですが、これならば全キャラの、全時期の構文を確認できます。結局これが一番なのですが、マルチメディア化していたり、セリフの量が膨大だったりすると大変なので、優先順位としては三番にさせて頂きました。また、これだと大好きな原作を楽しんじゃうので、構文見つけに集中できないというのもあります(笑)

④二次創作を見る

できればやらないほうがいいんですが、ちゃんと長所短所を理解すれば役立つので紹介します。前提として、この作品のこの子はらしさが出てるな!というものを参考にしましょう。
長所
1.こう喋らせれば〇〇ぽい、を研究されている…はず
2.漫画だと特に短いセリフでらしさを出すために工夫されている
3.ファン(仮想読者)が思うキャラらしさ
短所
1.原作の一部が誇張されていることがある
2.勘違い・間違いがあることがある
3.読み手(あなた)の好みにより読む作品が偏る
基本的に二次創作を参考にするのはしない、というスタンスでいましょう。嫌な言い方になってしまいますが、二次創作は所詮非公式です。その界隈にとってどれだけ神であっても、正解ではないのです。

まとめると、
①短い言葉でキャラを表現しているものを探そう!
②たくさん研究しよう!そのために候補をたくさんもとう!
という感じ。

3.好きなもの、嫌いなもの

マジ大事。推しの好きなものなんか知ってるに決まってんじゃん、と思ってるそこのあなた!本当ですか?
仮に、推しの趣味が映画鑑賞だとします。じゃあ、その子はなんでも観るんでしょうか?そんなことありませんよね。そのなかでも、好きなジャンルがあります。
例えば、社会派の映画は好きだけど、ラブストーリーはあんまり見ない…とかだったりします。さらに言えば、洋画派?邦画派?フランス映画派?とかもあります。自信なくなってきましたね…。
こんな感じで、細かい所まで推しの好みは把握しておきましょう。そうしないと、矛盾が生じることがあります。あれ…この子はこういうの見ないはずじゃ…?とかですね。

特に気を付けたい項目としては、

①飲食
②言葉
➂趣味
④場所

この辺りです。もう少し詳しく見ていきましょう。

①飲食

好き・苦手な食べ物、飲み物です。ド定番ですが、理由とかが凝ってたりして面白いですよね。理由が分かっている場合限定ですが、そこから広げて考えると、他の好き嫌いも想像したりできます。
例)完熟のゆで卵が苦手→パサパサしているから嫌い→じゃあカップケーキも嫌いかも…?
みたいな感じですね。こんな感じで、具体的な好き嫌いにプラスして理由も理解すると、よりそのキャラクターらしい飲食物を食べさせたり、拒否させたりできます。

②言葉

これは特に地雷ワード(嫌いな言葉、言われたくないこと)を調べてほしいなと思います。その話題、言葉はそれだけその子にとってセンシティブなものなので、多用してはいけません。むしろ、二次創作はそのキャラのファンが読む都合上、触れない方がいいとさえ言えます。
一方で、曇らせや暗い、重いテーマで書きたい場合は、こうした地雷ワードがヒントになります。
良くも悪くも地雷ワードはキャラクターの感情を強力に揺さぶる起爆剤になりますので、しっかり使い時を見極めて使いましょう。
地雷ワードを見つけやすいものとしては、やはりそのキャラクターがメインの話がいいです。また、グループなどのリーダーの場合は、例えばそのグループが解散や廃止などの危機に陥った時にそのキャラクターが一番大事にしているものが分かることが多いです。そこから逆算すると、それを馬鹿にする≒地雷ワードであると分かる、というような方法もあります。

ここまで地雷ワードについて書きましたが、好きな言葉(言われて嬉しい言葉)も大切です。ただこちらはさらに厳密で、「このワードをこの人に言われたい!」と人まで決まってることが多いです。
皆さんも想像してみてください。「可愛いね」「カッコイイね」と素敵な人に言われたら嬉しいけど、ちょっと苦手だなと思っている人に言われたらむしろ嫌な気持ちになりますよね。「お前には言われたくない!」ってなることもあると思います。
これを上手にやっているのがワンピースのサンジだと思ってます。ご存じない方もいると思うので簡単に説明すると、サンジの身近には年下の女性(A)と年上の女性(B)がいます。サンジはこの二人をそれぞれ、Aさん、Bちゃん、と呼びます。つまり、若い、ちょっと幼い女性は大人っぽく見られたい!もう成長しきった女性は若く見られたい!という気持ちを見事に押さえているということですね。
こんな感じで、この子はなんて言われたら、どんな風に扱われたら嬉しいのかな?というところにも注目したり、注意して書くと、より魅力的にキャラクターを描くことができますよ。

➂趣味

この項目の最初で触れたように、趣味と一口で言っても細かく言えば違いがあります。実在する皆さんもそうですよね。SSを書きたい!書くのが趣味だ!と一口で言ってもジャンルは全然違います。私も偉そうに色々書いてますが、「ミステリー書いてみろ!」って言われたら勘弁してください…ってなります。
広い意味の趣味は、漫画などであればファンブックに、ゲームであればキャラクター一覧や設定資料集に書いてあります。細かい部分に関しては、セリフなどから推測するしかないのが現実です…。つらい。
原作によっては探しても探してもドツボにハマります。また、たまにキャラクターの持ち物のモデルとかを特定してくれる神みたいな人がいるので、そこから分かることもあります。SNSで調べてみるのも時にはありかもしれません。

④場所

言い換えればその子が落ち着く場所、緊張する場所と言ってもいいかもしれません。または、その子がいそうな場所、いなさそうな場所を調べます。
趣味や食と直結するときもありますし、例えば学校や組織など狭い場所が舞台の場合は、その中でも特にその子の定位置みたいな場所があると思います。
そこにキャラクターを配置することで、お話の説得力を増したり、導入部分で違和感をもたれてその後のお話が入ってこない!とかを防げます。
逆に言えば、普段いないところにいることで場面に緊張感を持たせたり、もしかして〇〇(告白、説教、カツアゲ)かな…と思わせる→キャラAからキャラBへの印象を描く、とかもできます。
また、友達をどこに遊びに連れて行くかな?デートスポットはどこを選ぶんだろう?大事な話をするのはどこ?など、場面に応じたそのキャラらしい場所があります。
場所は、前述のようにキャラが良くいる場所や、好きなものに関わる場所は好きな場所ということになります。一方苦手な場所は、そのキャラが緊張する場所、トラウマがある場所、五感に不快な場所(静かすぎ/うるさすぎ、嫌なにおいがする)などがあります。

まとめ

各小項目でもちょこちょこ書きましたが、好き嫌いはお話の説得力、つまり話ののどごしのよさに関わってきます。
個人的な意見としては、pixivでは本格的なお話を読みたい方は少数で、のどごしのよさは非常に大切になってきます(小説家になろうなどのサイトもありますからね)。
文体とかももちろん、二次創作だと特に、「あれ?この子ってこんなこと言うっけ?」や「こんなん好きだっけ?」が起き、さらにこれらは予防できます。予防できることは予防しようねってことです。
pixivは非常に作品数が多いので、のどごしが悪いと読むのをやめて、他の作品にいってしまいます。
せっかく設定を練ったり時間を書いた作品がそんな憂き目にあわないように、下調べはしっかりしましょう。

4.表記

表記は初めて二次創作するならしっかりめに調査しましょう。(オリジナル、特に長編・連載なら、リストを作っておくといいです)
慣れてきたら、気になったものだけ調べましょう。
表記には二つ要素があります。
①そのキャラがそのものをどう呼ぶか
②文字でどのように表記されるか

図で表すとこんな感じです。

左右で大きくりゅう系の人、どらごん系の人で別れています。
左の人は大きく龍と呼んでますが、世界観によって、飛ばない竜もいるから、飛竜と呼んで呼び分けるのでしょう。
また、竜表記?龍表記?問題もあります。
右の子は、ドラゴンって呼んでます。が、年齢などの影響で右から二番目のように、「おらごん」などと訛る場合もあります。
つまり、
①そのキャラがそのものをどう呼ぶか・・・りゅう、どらごん
②文字でどのように表記されるか・・・飛竜、龍、ドラゴン、おらごん
という感じになります。

これをあらゆる単語で調べる…なんてことをしてると大変です。
ですので、
①よく使う言葉
②特徴的な言葉、訛り

を見ていきましょう。

①よく使う言葉

口癖、誉め言葉、(けなし言葉)、好きなもの、笑い方とか
がこれに当たります。
口癖が要注意。音として覚えているので、意外と表記を間違えてる人が多いです。その子っぽくなるので使いたくなりますが、効果的に使う必要があります。
次に笑い方。うふふ/ウフフ問題、あはは/アハハ問題など、注意しましょう。表記でなく、どう笑うかもしっかりとらえておきましょう。
好きなものは一般と違う呼び方をする時があります。
猫ちゃん、猫チャン、書、スシとか…。ややこしいわ!
好きなものは会話に頻出、あるいはとっかかりにしやすいので、覚えておきましょう。

②特徴的な言葉、訛り

例えば、☆とか♪が出てくる、方言的な訛り、ネット的な訛り、崩れた日本語などです。
これは法則性を掴むのが大事。闇雲にやると体力がもってかれます…。
三大法則性→語尾、否定する時(しない→せん、しーひん、せーへんetc)、強調(めちゃ、ぶち、ばり、ぎょうさん、とても、すごくetc)
とりあえずこの3つを把握すれば書けます。
あとは、どこまでこだわるか。

まとめ

表記を調べること、すなわち音を文字に起こすことです。
SSを書くときは個人差ありますが頭の中で音が鳴っています。環境音やキャラクターが喋ってるセリフなど。
それを、その子らしく文字に起こすことが求められます。

おわりに

正直、ここに書いた内容はどこまでこだわるかというところもあります。
書き慣れて余裕が出てきたら、調べる範囲を増やす(こだわる範囲をふやす)というのがいいと思います。
そうしないと、いつまでも書けなくなってしまいますからね。
「その子らしさ」を出したい人の参考になればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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