2021年良かったゲーム3本の話

数日前に「テレビゲーム総選挙」を観たけど、ここ数年のタイトルも結構上位に入っているのは年代性別問わずゲーム好きがしっかり投票しているんだなと思った。

そんな私の2021年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを含めた、良かったゲーム3本の話をします。

3位:HADES

冥界の王・ハデスの息子であるザグレウスが地上を目指して戦う作品。

ローグライクゲーム(プレイするたびにマップやダンジョンが変わるシステム)なので、一部を除いて敵やアイテムがその都度異なるし、武器やスキルの選び方によって幅広い遊び方ができるのが新鮮だった。

ゼウスやポセイドンといったギリシャ神話に登場する神様たちがザグレウスにスキルを授けてくれるんだけど、アイテムを渡すことで好感度が上がって新たな情報が明らかになったりとキャラゲーの要素も。個人的にはケルベロスとも仲良くなれるのが良かったです。犬はデカければデカいほどいいからね(犬好き)

「死んだらそこでスキルを失って最初からやり直し(一部のアイテムだけは引き継ぐ)」っていうシビアな感じも緊張感があって面白い。さらに真エンドを見るためには複数回地上に行く、2回目以降はハンデが強制的に課せられていくのもゆとり世代泣かせだった。私は「面白くなってきやがった……」って思うタイプだけど、ゲームシステムにブチギレタイプは多分向いてないです。

2位:ジャックジャンヌ

『東京喰種』『超人X』でもお馴染みの石田スイ先生が原作、キャラデザ、シナリオ、楽曲の作詞を担当したシミュレーションゲーム。乙女ゲームじゃ、ないんだぜ(公式が「友情努力勝利の青春群像劇」と明言)

主人公・立花希佐が男性しか入学できない歌劇専門の高校「ユニヴェール歌劇学園」に学園長の計らいで女性であることを隠して入学、「女性であることがバレないこと」「他の生徒たちと良好な関係を築くこと」「学期末のユニヴェール公演で主演すること」という条件をクリアしてユニヴェール歌劇学園に在籍できるよう鍛錬を続ける……といったストーリー。

石田スイならではの美麗スチル、伏線回収、個性豊かなキャラクター……と、ファンならぜひやってほしい。ルートによってはそこまで恋愛要素が強くないので、男性にもおすすめです。

画像1

私は白田美ツ騎が最推しなんですが、この儚げな見た目で歌が上手で、辛辣なことをズバズバ言うキャラとか好きにならないわけがないんだよな。

画像2

母親との確執が原因でユニヴェールにやってきて、最初は自分の強みである歌以外にはさほど興味がなかったものの、主人公との関わりで先輩としてクラスを引っ張っていく責任感を持って……という白田先輩の成長もめちゃくちゃ良い。白田先輩の冬公演の重要なセリフで自然に涙が出た。

ストーリーでは新人公演、春夏秋冬の公演、最終公演とそれぞれ演目があるんだけど、考察ができそうな内容なのも石田スイ全開。ライバルのクラスの演目は近代日本文学とかその辺りも影響しているので、考察と合わせて楽しめるのも強い。

1位:Eastward

あらゆる物を崩壊させる“タタリ”と呼ばれる瘴気が世界中に広がり、生き残った人々は地下に村を作りながら生活をしていた。そこで暮らしていた無口で心優しい男「ジョン」と不思議な力を秘めた少女「珊(サン)」は、あることをきっかけに外の世界への冒険に出発する!

画像3

『MOTHER』シリーズみたいなヘンテコなキャラクターや世界観、ゼルダシリーズの謎解きを彷彿とさせる作品。力持ちでフライパンや銃を武器に使うジョン、不思議な力で敵を足止めしたり道を開いていく珊を切り替えてパズルを解き、ときにはギミックを明らかにしてボスに立ち向かう。

画像4

そしてなんといっても、ピクセルアートの完成度が高い。町や草むら、さらに映画の撮影スタジオと、出てくる場面がどれもじっくり眺めたくなる。風が吹いて揺れる木々、料理をしているときのフライパンから立ち上る煙と、情景や匂いが感じられそうなほどリアルだ。

画像5

作中において、回復アイテムは基本的に料理。料理上手のジョンが、敵を倒してドロップしたり、お店で買った食材をもとに腕を振るう。メニューの紹介テキストもかわいい。

画像6

作中では、ジョンの料理が鍵を握る展開も。料理ができるゲームにはずれはないんだよ(自論)

画像6

そして作中では、珊が大好きなゲーム「大地の子」で遊べる。明らかにドラ○エを彷彿とするキャラデザやストーリーだけど、それを言っちゃ野暮ってものね。

画像8

「大地の子」は、ガチャガチャで出てきたマスコットに連動したアイテムを手に入れることで、クリアが簡単になる。ガチャガチャをするためにはダンジョンでトークンをゲットする必要があるので、「大地の子」ばかりもやっていられない。

あえて不満だった点を言うならば、NPCのテキストに特に面白みを感じなかったこと。「MOTHERシリーズみたいな〜」とは言ったが、あれは糸井重里のユーモアがふんだんに効いたテキストだったんだなとあらためて感じた。

でもインディーゲーで、2,500円でこのクオリティは大満足だといえる。「こんなに楽しいのに2,500円?!」という衝撃があった。

Eastward、ハマり過ぎて今年会う人会う人に勧めまくった。SwitchかSteamでできるのでぜひやってくれ。私が喜ぶ。

いただいたサポートでより良いものを書けるようがんばります。