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永田町に流れる「大春秋会構想」(二階派+石原派+菅グループ)の噂

岸田派(宏池会)会長の岸田文雄議員が「大宏池会構想」を打ち出したことがニュースになっています。まだニュースにはなっていませんが、永田町では「大春秋会構想」も噂になっています。当記事では、その噂をご紹介したいと思います。

「大春秋会構想」とは?

「大宏池会構想」は宏池会の流れをくむ岸田派(宏池会)谷垣グループ(有隣会)麻生派(志公会)の3派の合流に関する構想ですが、「大春秋会構想」は春秋会の流れをくむ二階派(志帥会)石原派(近未来政治研究会)の両派、そして菅グループの合流に関する構想です。
二階派(志帥会)の拡大路線、縮小傾向からの反転攻勢を目指す石原派(近未来政治研究会)の現状、総裁候補のいない二階派(志帥会)と自らの派閥を持たない菅義偉総理総裁の利害の一致、菅総理・二階俊博幹事長・森山裕国対委員長(石原派)の3議員の深い協力関係、二階派(志帥会)石原派(近未来政治研究会)の両派が「総裁派閥」と報道される現状(通常、総裁の出身派閥(安倍晋三前総理であれば細田派(清和政策研究会))が総裁派閥と言われます。)、等を考慮すれば、それなりに信憑性の高い噂と言えそうです。
また、現役時代に近未来政治研究会に所属し山崎拓元議員の側近だった父親(‎自見庄三郎元議員)を持ち、無派閥として菅グループに所属していたものの二階派(志帥会)への入会が発表された自見英子議員の存在もその傍証です。
菅総理が選挙を支援し、二階派(志帥会)に入会した議員としては、鳩山二郎議員、河合杏里議員がいます。
大春秋会が成立したら90人を超える規模となり、最大派閥を伺う、非常に大きい勢力となります。
噂にはさらに続きがあり、菅総理の総理退任後、現在、キングメーカーの座をほしいままにしている二階幹事長から派閥(大春秋会)を引き継ぎ、二階幹事長の政界引退後、キングメーカーの座を継承するのではというものです。その場合、新たな総裁候補は誰になるのでしょうか?

「大春秋会構想」の総裁候補は?

新たな総裁候補の確認の前に、春秋会の歴史を振り返ってみましょう。
現在は、二階派(志帥会)石原派(近未来政治研究会)に分かれていますが、元々は、政策科学研究所(政科研)という一つの派閥で、山崎拓元議員が独立して結成したのが近未来政治研究会で、残された村上正邦元議員や江藤隆美元議員が、亀井静香元議員が率いる亀井グループと合流して結成したのが志帥会です。
政科研は、中曽根康弘元総理が結成し(結成当時の名称は「新政同志会」。)、渡辺美智雄元副総理に引き継がれた派閥ですが、その源流にあたるのが春秋会です。
春秋会は、行政改革担当大臣である河野太郎議員の祖父であり、河野行革担当大臣の父の河野洋平元衆議院議長の父でもある、河野一郎元副総理が結成した派閥です。
感の良い方ならお分かりかと思いますが、菅総理が継承した大春秋会の総裁候補は河野議員だと噂されています。「大政科研構想」ではなく、「大春秋会構想」という名称がつけられているのも、河野行革担当大臣擁立構想を念頭においているためと思われます。
河野議員は、麻生派(志公会)に所属しているのでは?元々は、父親(河野元衆院議長)の結成した派閥(大勇会)が源流の派閥(志公会)を抜けることは無いのでは?と思う方もいると思います。ただ、河野議員は閥務(派閥の活動)にあまり積極的ではなく、派閥内では孤立していると言われています。また、河野元衆院議長も父親(河野一郎元副総理)の結成した派閥(春秋会)が源流の派閥(新政同志会)を抜けているわけなので、親子2代で同じ行動をとっても不思議ではありません。祖父の派閥であり、当選同期且つ同じ県連(神奈川県支部連合会)でもあり、非常に懇意にしている菅総理がトップの派閥に参加してもおかしくはないわけです。
また、その他の総裁候補としては、渡辺元副総理の子であり河野議員と同じく菅総理と当選同期且つ政治的な方向性も近い渡辺喜美議員、中曽根元総理の孫であり二階派(志帥会)に所属する中曽根康隆議員、河野一郎元副総理の師匠筋にあたる鳩山一郎元総理の曾孫であり二階派(志帥会)に所属する鳩山二郎議員(父である故鳩山邦夫元議員は存命中に菅総理と懇意にしており、鳩山二郎議員の初当選の際に菅総理が尽力したという関係でもある。)の3名が挙げられています。
鳩山一郎、河野一郎の両氏は、いわゆる党人派のかつての代表であり、菅総理・二階幹事長・森山国対委員長は党人派の現在の代表であるという共通点もあります(党人派とは、政党員出身の政治家を指す政治家の分類です。対義語は官僚派であり、吉田茂、池田勇人(宏池会(現・岸田派)を結成。)、佐藤栄作(平成研究会(現・竹下派)の源流にあたる木曜研究会を結成。)がその代表です。)。

「大春秋会構想」の実現性は?

それなりに信憑性のある噂ですが、ボトルネックもあります。
そもそも、山崎拓氏が近未来政治研究会の後継者として、当時派閥に所属していなかった石原伸晃議員を任命したのは、石原議員を総裁候補としたためです。いくら森山国対委員長の力が強まっているとはいえ、派閥の前会長(山崎氏)及び現会長(石原議員)の意向を無視して派閥の合流をすることは難しそうです。
また、菅グループとして扱われる各グループは、無派閥を標榜して結成したグループですので、派閥に取り込まれることを忌避する議員も多いと思われます。石破茂議員が、無派閥連絡会から水月会(石破派)を結成した際に、参加しない無派閥連絡会の議員もいましたが、同様の事象が発生する可能性もありそうです。

以上はあくまでも永田町の噂です。信じるか信じないかは、あなた次第です。

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