カレー娘に恋をした

あぁ





うぐぅ





マジドッキドキしとる俺





またあの子乗ってきた





いつもこの電車やな





鏡は無いけど今の俺





たぶん首から上真っ赤やろな





ああっ





やべ





今一瞬目が合った





恥ずかしい





目そらす俺





こんな俺





カッコ悪いやろなぁ





おいっ!





あいつ誰よ





何であの子に話しかけとるんや?





殺すぞ





あの子も笑っとる





俺は名前も知らんのに





くそ野郎ー





ちょっとカッコいいやないけ





ちっくしょう





あ





俺降りる駅や





あの子どこまで行くんやろう





あぁ…

















もう我慢できん





今日こそ





今日こそ





話かけんなん





いきなり告はやっぱヤベーから





最初はあいさつからやろね?





「こんにちは、いつも同じ電車ですね」





カテー





カタすぎる





けど





他に何て言えばいいかわからん





とにかく今日は





あの子がいつも乗る車両で待ち伏せよ





おｋ





いつもこのあたりやな





よし





俺イケとる!





マジカッコイイ!





俺キムタク!





そりゃ無いか





あ～





でも死ぬ





バックバクしてきた





来たー





ホーム来たー





ギャー





この駅や





いつもこの時間の





この階段のあたりに止まる





この車両に





この車両に





この車両に





乗





あれ





今日乗って来ん





今日おらんのか





休みかな





ふぅー





って何の?





社会人かどうかも知らんのやった





いつもあの子カジュアルやし





しゃぁ無いな





会えんか…





っておい!





今あっちの車両におらんかった?





あー!





おる!





乗っとる!





やっぱこの電車なんや





あれ?





あっちって





いつも俺乗る車両…





何かキョロキョロしとる





あ!





目合った





何か





目そらせん





あ!





乗り過ごした





俺降りる駅





過ぎた…





あの子は





まだこっち見とる!





おい何よ!





何よこのこのこの





あれ





あ





降りるんや





降りるんや





ここか





うぉー





行くしかない!





ない!





行け俺!





洋一!





玉砕じゃぁ!





「あの、」





「あの、」









…カレーの匂いがした。