梅雨入り、したんだよな?

 関東に梅雨入りが発表された日、外を歩いた。

くったくのない青空で、夏空の空模様であった。

 羽根を持った蟻がそこかしこを歩いて回っている。

そういえば、いつだったか地域の草むしりの日の頃、小さい蟻の行列と

別の何らかの行列と「行列」繋がりの日があったなぁと思い出した。


 今となっては青い大きな傘が手離せない。透明な傘も用意して、

その日の気分で出かける。さらには濡れても良いジーパンに合う長靴を

探しているのだが、なかなか見つからない。猫が履くという赤い長靴は

僕には似合わない、勝手にそう決めつけている。そんな柄じゃない。

 やっぱり梅雨には「水玉」が似合う。

そんな発想の人がこの世の中に何人いるだろうか。

そうこうしているうちに、断続的に降っていた雨が続々と、しかも

大粒になって押し寄せるように降ってくる。

 棒線で描けそうなその雨が野菜や生き物たちを育てている、なんて

びしょ濡れになったズボンや泥のついた靴を見て見ぬふりをして

綺麗なところだけをくり抜いた、雨もない雲の上の人の調子の良いお話が

どこかに転がってはいないかと高見の見物をする。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?