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津久井やまゆり園障害者事件が示す日本社会の闇

目次

1.「津久井やまゆり園障害者殺傷事件」とは?
2.犯人の動機とは?
3.ホロコーストとは?
4.優生思想とは?
5.日本における優生思想の事例
6.最後に

1.「津久井やまゆり園障害者殺傷事件」とは?

「津久井やまゆり園障がい者殺傷事件(=相模原障害者施設殺傷事件)」とはご存知でしょうか?この事件とは、2016年7月26日に神奈川県にある知的障害者施設における障害者19名が死亡、26名が重軽傷を負う殺人事件です。この事件の犯人は元施設職員であり、彼は障害者に対して差別・偏見を持っており、ヘイトクライム(=人種、宗教、民族、性的指向、性別、障害者等、特定のカテゴリーに属する人々に対する憎悪または偏見を動機とする犯罪)として注目を集めていました。2020年3月16日には、犯人の求刑とおり横浜地方裁判所は、犯人に対し「死刑」を言い渡しました。


 2.犯行の動機とは?

 犯行の動機としては、大まかにいうと「ヘイトクライム」です。犯人は障害者に対しての、差別をもっております。逮捕後の取り調べでも「障害者なんていなくなってしまえ」と供述していた模様です。犯人は同僚に対し「重度障害者は安楽死させるべきだ」ということを語っていました。それに対し同僚は、「ナチス・ドイツと同じ考え方だ」と批判していたようです。犯人は犯行後の取り調べで「障害者の安楽死を国が認めないから自分がやった」と話しました。ここで、犯行の動機が安楽死だと判明しました。

 私は、この事件について犯行の経緯や動機を知り、「ホロコースト」を連想しました。次に「ホロコースト」について説明したいと思います。


3.ホロコーストとは?

 「ホロコースト」とは、「ナチス政権とその協力者による約600万人のユダヤ人の組織的、官僚的、国家的な迫害および殺戮を意味します」。「ホロコースト」は「焼かれたいけにえ」という意味のギリシャ語を語源とする言葉です。 1933年にドイツで政権を握ったナチスは、「優れた人種」「劣った人種」と人々を区別し、「劣った人種」と見なされた人々はホロコーストの対象になり、殺戮されました。このような考え方は「優生思想」と呼ばれております。次に「優生思想」について詳細に説明したいと思います。

4.優生思想とは?

 優生思想とは、「優」れた「生」を促進すべきだというしそうです。方法としては2通りあるとされています。①生存に適していない人間を排除する(negative engenics)②優れている人間を増やす(positive engenics) です。次に詳細について説明します。

 ①生存に適していない人間とは?
 生存に適していない人間とは、おもに障害者、精神薄弱者、犯罪者、結核を持った人、奇形、貧困者、LGBTQ等の人であると考えられます。ヒトラー政権下では、それらの条件に当てはまる子孫は生存に適していないとみなされ、ホロコーストの対象となりました。

 ②優れた人間とは?
 優れた人間とは、IQテストなどを行い「科学的」に知能を測定したり、家系図から遺伝を「科学的」に説明したりなどをして選ばれました。また、「優生」結婚を奨励しました。優生思想の下では、優れた男女が結婚すれば、「優秀なアスリート」や「学者」など優れた子孫を生み出すことができると考えられてました。

つまり、津久井やまゆり園障害者殺傷事件では犯人はこのような「優生思想」を持っていたと考えられます。


5.日本における優生思想の事例

 津久井やまゆり園障害者殺傷事件の他にも日本において「優生思想」を彷彿させる事例が他にもありました。以下がそれに関した記事です。

 杉田水脈衆議院議員は「LGBTの人々は生産性がない」などと発言し、様々なところで物議を醸しました。彼女は、「LGBTのカップルは子供を作らない」などと述べており、「優生思想」と重なる部分があると個人的に感じました。

 彼女は現在も衆議院議員であり、このような人が衆議院議員にいることは日本において「優生思想」が残ってしまう原因の1つではないかと感じています。


6.最後に

 日本では、小中高におけるいじめ問題があり「優生思想」はいまだに無意識のうちに若いうちから根付いていると感じると感じます。「優生思想」は社会のマイノリティーの人々に対する「配慮」があまりにも欠けています。彼らの「人権」を守るためにも、そのような人たちに対する考えを改めるべきではないでしょうか?