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12星座もしもシリーズ34(ホワイトデー編1)

ここは獅子の部屋。
珍しく、ファイアー戦隊の3人で集まっている。

獅子の部屋は趣味のフィギュアやらプラモやらがコレクションケースに入って壁ぎっしりに並んでいる。

射手「獅子、呼ばれたから来たけど、なんの用?」
牡羊「俺、魚ちゃんにあげるクッキー作りに行きたいんだけど?」
獅子「そう!ホワイトデーのお返しの事・・・って牡羊、作りに行くってナニ?」

牡羊「水瓶がお返しのクッキー作るって言うから、俺も一緒に作るんだ!」
射手「ええ~~!あいつ、クッキーなんて作れるの?変な物入ってない??」
獅子「それだ!俺も混ぜて!蟹さんに手作りチョコ貰ったのはいいけれど、何を返せばいいのかと・・・。」
射手「んじゃ、俺も行こうかな?作ってしまえば、買いに行かなくていいし~(笑)」

という事で、調理室に向かう3人。
獅子「でもなぁ・・・。水瓶、最近俺の事避けてるようなんだけど・・・。」
牡羊「そう?昨日もマッサージ頼んでたじゃん?」

獅子「あいつ、マッサージ終わると100円置いてさっさと居なくなるんだよな。」
射手、牡羊『それって、温泉とかにあるマッサージ椅子的ポジション?』

獅子「でさ、あいつが疲れていそうだなと思って、俺が声かけようとすると逃げるんだよ。」
射手「気のせいじゃね?」

獅子「なんか、うちで飼ってるロデムに似てるんだよな。俺が構いたい時は逃げて、漫画読んでたりすると腕とか甘噛みして邪魔してくるってとこが・・・。」
牡羊「魚ちゃんも、俺が昔飼ってたハム子にそっくりで!モフモフした薄茶色の毛波や、黒目がちの目とか・・・・。うぅぅぅ・・・・ハム子~~!」

射手「獅子がペット飼ってたって知らんかった。ロデムって猫とか?」
獅子「お~~!写真見る?」

獅子のスマホに写っていたのは、獅子よりも大きな顔をした黒い猫?だった??
牡羊「これ、クロヒョウ??」
獅子「そそ!」

射手、牡羊『黒豹に甘噛みされるって・・・・・こぇぇ!!』


3人が調理室に着くと、水瓶が天秤と双子と一緒に材料を計っているところだった。

牡羊「水瓶!獅子と射手もクッキー作りたいって!」
水瓶「材料はいっぱいあるからいいよ。」

牡羊「でも、水瓶、皆にチョコあげたんじゃなかったっけ?」
水瓶「皆にあげたチョコをくれた人にお返し。」

射手「また、理解不能なコト言ってる?」
天秤「皆に配ってたチョコは、水瓶が他の人から貰ったチョコだったんだよ。」
双子「告白カードとか入ったまんまで、ね(笑)」

獅子「え?俺に告ったわけじゃないの?」
天秤「いいじゃないか!おかげで付き合う事になったんだし!(笑)」

水瓶「無駄口叩いてないでちゃんと材料計る!!お菓子作りの基本は、正しい計量から!!」

全員「らじゃ!」

いつになく、真剣度が高い水瓶に逆らう事が出来ないメンバーだった。

今回のクッキーは型抜きしてから焼いて、冷めたらチョコペンでお絵描きして出来上がり、という物。


牡羊「おお~~!出来たぁ!早速、味見!」
鉄板に乗った焼きたてクッキーを早速食べてみる牡羊

牡羊「あ、あ、あ・・・あちぃ!!」
双子「ほい、水!」

水瓶「焼きあっがったら、網の上にクッキー置いて、良く冷ます。」


水瓶「クッキー冷めて、絵がかけるまでパッケージ作ろう。」

という事で、送る相手に見合ったデザインパッケージを次々作って行く水瓶。
まぁ、出来上がりはそれぞれながらにも、世界に一つだけのホワイトデーのお返しが作られていく。

牡羊「なぁ!双子ーー!これ、めっちゃ魚ちゃんに似てるよね?てか、俺って天才?魚ちゃんに感激で泣かれたらどうしよ?」
双子「あ・・・まぁ、可愛いんじゃね?『多分ハムスターなんだろうけれど、ただの〇んこにしか見えんw』」

射手「クッキーなんかと高を括っていたけど、意外に奥が深いかも?」
天秤「水瓶は実験の代わりに、菓子作りやってる、って言ってたからなぁ・・・。で、そのクッキーに書かれてるのってナニ?」
射手「これ?ルーン文字っていう魔術とかに使う文字。蠍ちゃんと魚ちゃんなら、こういうの喜びそうだし。」

双子「魚さんはともかくとして、蠍さんにそんなのあげたら呪われるぞ?」
牡羊「へ?蠍さんにあげる気ないけど?」
双子「それもそれで、まずいような・・・・。」

水瓶「獅子、なんか前衛的なデザイン?」
獅子「うぅ・・・。思ったようにチョコが出てこないんだw」
水瓶「少し、チョコが解けすぎてるのかも?ちょい、冷蔵庫入れて違うの使ってみ?」

ってな感じで、珍しく大きな騒ぎも起きず平和にクッキー作りは終わったのだった。


ホワイトデー当日のお昼休みの教室。

双子「水瓶が配ったチョコに入ってたとんでもカードの残り2枚、生徒会のメンバーに行ってるな。」
天秤「そうなのか?」

双子「獅子以外の男子のには入ってなかったし、もし、蟹さんなら真っ先に水瓶に文句言いにくるだろうし。魚さんか蠍さんなら、蟹さんに相談して、やっぱり蟹さんが文句言いに来るだろ?」
天秤「なるほど!生徒会の誰と誰に行ったんだろ?」

双子「ひょっとすると、面白い事になるかも?」
天秤「そうかも?」
またもや、悪い顔をしている二人だった。

そして、放課後。
ここは、オカヒロ研部室。

射手「蠍ちゃん、魚ちゃん、これお返し!」
蠍、魚「おお!ルーン文字クッキー!射手君!ありがとう!」

牡羊「魚ちゃん、これ!」
魚「あ、ありがとう・・・。『こ、これって・・・食べ物?てか、蠍ちゃんにはやらないの?』」
蠍『こいつからこんなう〇こみたいなクッキーなんて貰いたくないけど、貰わなきゃ貰わないで腹立つわねw』

獅子「蟹さん、チョコのお返し、一応手作り。」
蟹「え?!すごい!!ありがと~~!!『見かけはともかくとして・・・・』男子から手作りクッキー貰うなんて考えた事もなかった!」

部室の中は、和気あいあい、一見平和な風景が繰り広げられていた。

一方、こちらは放課後の教室。
双子「俺、もうクッキー配り終わったけど、皆は?」
天秤「俺も、なんとか配り終わった!」
水瓶「終わった。これから、生徒会にもクッキー持って行って、お茶入れてもらう~。」


教室を出て、生徒会室に向かう三人。

水瓶「なんで、双子と天秤も付いてくるん?」
双子「いや、俺たちもお茶飲んでみたいんだよね。」
天秤「そうそう!」

水瓶「山羊~!お茶入れて!」
相も変わらず、ノックもせずにいきなりドアをあける水瓶。

山羊「ったく!ドアくらいノックしなさい!でも、丁度いいところに来たわね。ずっと聞こうと思って、聞きそびれていたのだけれど、私にくれたチョコに入ってたカードって、どういう意味?」
水瓶「?なんて書いてあった?」

山羊「飽きれた!やっぱ、いい加減な気持ちで書いたんでしょ?てか、からかってみようとしたとか?」
と、水瓶の前にカードを突き出す山羊。

水瓶の後ろからカードを覗く双子と天秤。
双子、天秤「一生、あなたに付いていきます!!だってwうわ~~、水瓶、大胆!!」

そのとたん、急に牡牛が水瓶の側に寄って来た!
牡牛「水瓶君!私には好きって言っておいて、会長に一生ついていくって、どういう事ですかぁ!!二股なんですかぁ?」
その手には「好きです!」と書かれたカードが!

乙女「え?えええ???ど、どう言う事???これって、四角関係って事?」


こっそり目を合わせる双子と天秤。
『来た来た!!!』

双子と天秤の予想通り、面白い(?)事になりそうな予感??


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