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日本昔話「桃太郎」(cv大泉洋)

入院する友達が元気になるようにこのテーマで話を書くことにしました。あくまで私の頭の中在住の大泉洋さんなので、ご本人とは一切関係ありません。関係ありませんが、水曜どうでしょうをご存知であったりご覧になってから読んでいただけると分かりやすい部分を多々含みます。

大泉洋さんと水曜どうでしょうを愛してやまない私の大切な友達を第一として、タイムラインの元気がない皆さん、別に元気な皆さん、通勤通学の時間の皆さん、休憩時間の皆さん、残業中の皆さん、ありとあらゆる皆さんにこの文章を捧げます。

それでは聞いてください、私の頭の中在住の大泉洋さんによる日本昔話「桃太郎」。


日本昔話「桃太郎」(CV大泉洋)

なに?桃太郎について教えてくれって?別にいいけど長くなるよ。それでもいいってんなら話すけども。で、なんだって?桃太郎について聞きたいってかい?それじゃあまずは何を差し置いてもあの川の出来事から話さなきゃなんないね。

あの時ね、何を隠そうぼかぁ桃の中に居たわけさ。なに?そうだよ、桃太郎って言ったら俺のことだよ。今じゃ北海道の大スターと言えば大泉洋だけどもね、あの頃は桃太郎って言えばって存在で名を馳せてたわけさ。なんにも知らないなぁ君達は。

まぁそこら辺の事情はこの後の話をよ〜く聞いてりゃ分かる話だと思うんでね、割愛させていただくんですけども。あのね、言っておきますけれどもね、くれぐれも自分から聞いておきながら居眠りなんて真似はやめてくださいよぉ?寝るからなぁ君達は。大丈夫?本当に?特にそこの髭は信用ならないところあるよ?あぁ、そう。じゃあ話すんだけど。

あの時はねぇ、いやぁ大変だったね。エイヤッサッサー!!ホイサッサー!!ってあの激流を桃に入って流れてたんだから。ドンブラコ?そんなの後から柔らかく言い換えられただけだから。言っとくけどね、あの川はユーコン川も目じゃなかったんだよ。なんたってあのまんま流れていけば鬼のところに直送されてたかもしれないってんだから。そうね、鬼ヶ島よ。誰もがご存知のあの島ですよ。

まぁまぁ、焦るんじゃあないよ。話には流れってものがあるんだから。寝ねえと思ったらこうだもんなぁ、おめえみたいに結末知りたさに急かす奴が居るから名作ってもんが幾つも潰えて来てんだぞ。自覚あんのか?黙ってなさいよ。

あぁ、うん、そうそう。川を流れてたのさ。エイヤッサッサー!!ホイサッサー!!ってね。ちょっとね、腹から声を出すことには長けてたから僕は。エイヤッサッ…あ、もういい?うるさい?あ、そう。

あのね、君達そうやって笑うけどもだ、こっちは助かりたい一心なわけさ。桃の中にこう全裸で丸まってだよ、それでも生きたくて叫ぶんだよ。わかるかい?いいやわからないね。あの時の俺の気持ちは誰も分かるはずがない。

したっけさ、叫び続けてたらなんか止まったの突然。お!?って思うでしょう。勘の悪いあなた方も流石に察してると思うけども、おばあさんだったんだよ。川で洗濯してたってんですからねぇ、なかなかワイルドなババアも居たもんだって。
しかしこのババアがワイルドなのは洗濯だけじゃあなかった!君達知らないだろ?その場で桃叩っ斬ろうとしたんだからね。ぼかぁもう桃の中で言ったさ、ちょっとぉ!!あれっ!!なにっ!てさ。桃の中でこうなって、こうなってだ、生きようと必死さこっちも。まぁ助かったんだけどね。

え?おじいさん?居た居た、なんか山に行ってたみたいだね。俺が桃の中で生きようと必死な中、山で芝刈りとかしてたっつーんだから。そりゃあ懐きませんよ。育ててくれた恩こそあれどねぇ、うん。俺は懐かなかった。
そこら辺アレでしょ?こっちではカットされてんでしょ?おたく等は知らないわけだ?だろうねぇ、いいんだいいんだ俺さえ知っていれば。これオフレコで頼むよ?やめてよ?酒飲んであちこちで話さないでくださいよ?君達はす〜ぐ酒にのまれるんだからな、まぁそれは私含めてですけど。ははは!

はいはい、結局君達が早く聞きたいのはこの部分でしょ。そうですとも、鬼ヶ島に行くことになったんですよ。もうその辺の理由はみなさんご存知でしょうからね、省きますけど。

あ、因みにきび団子はマジよ。おばあさんもねぇ、ワイルドな人だったから骨付き肉とかリブロースステーキ用意すりゃあいいと思うでしょう。勿論私としても異議は申し立てましたよ。でもねぇ、勝てなかったなぁ。勝てなかった。仮にも育ての親なわけですから。今度こそ一刀両断され兼ねないわけだから、こっちは。そりゃあアンタ腰にきび団子付けて妥協するしかないんだよぉ。ここでやるみたいにねぇ、気軽にぼやけねぇんだ。パイ生地みてえに団子無駄にしてご覧なさい、次の団子の材料は我々ですよ。大体ミスターも居ない僕なんてねぇ、そんなもんなんだ。なんの力もありゃあしませんよ。そうだろぉ?嬉野くん。

それでまぁ、鬼ヶ島に向かったわけ。まぁ、言っても鬼ヶ島は結構近場だったから。高速バスなんか使えばすぐだったんだけどねぇ、時代的にそれはナシでしょってことで歩いて行ったのさ。そうやっていつも長いものにぐるぐる巻きにされてだ、俺は生きてきたねぇ…この厳しい役者人生を。
でもほら、私ってのは地図を読むのが得意じゃあないわけだ。もうね、勘で行くっきゃなかった。男大泉桃太郎、風の吹くまま気の向くまま歩いたね。その先で出会ったのが何を隠そう雑種の犬。背かい?背はねぇ、大体こんくらい。そうそう、あんまり大きくなかったね。身体は大きくないんだけどねぇ!酒を飲むと気が大きくなる駄目な犬でねぇ。安田犬(やすだけん)っつーんだけど。あ、知ってる?聞いたことある?じゃあ話は早いんだけどね。

まぁね、安田は簡単だったのさ。なんたって団子より酒だからアレは。一升瓶見せたら腹見せてねぇ、地面をゴロゴロゴロォ!!!って。おいおいおい、こいつこのまま転がって鬼ヶ島行くんじゃねぇかぁ?って勢いよ。それを必死に止めてだね、きび団子減らなかったらおばあさんにも悪いから一応食ってもらってさ、そんでお供になってもらったわけ。いやー、簡単だった。俺が通らなかったら何太郎の仲間にもなってたね、あれは。危なかったよ。

雉と猿はもうお察しの通りですよ。嬉野とミスターって名前で。え?どっちが雉で猿かって?いやぁ〜…僕に聞かれてもなぁ…。どこまで史実話していいかちょっとわかんないから。そこんとこ色々確認必要だからさ、悪いね。

いやぁ、それにしても色々あったねぇ。楽しかったよぉ。道中の仲間達との思い出は今もありありと思い出すね。特に僕が作った料理で安田犬(やすだけん)が強めに食当たりしてね、シャレにならないことになったりもしたんだけども、そこはみんな旅の中で慣れていくものだからさ。最終的に何食ってもちょっと具合悪くなったり顔色悪くなったりするだけで済んでね、無事全員五体満足でいざ鬼ヶ島ってことになったのさ。

鬼ヶ島への交通手段ですか?最後はねぇ、レンタカーで行かせてもらったね、うん。歩くの厳しいべってさぁ、満場一致でそうなったもんだから。リーダーとしても多数決は無視出来なくってさ。

いや快適だったよぉ、ミスターさんってのが地図読める猿だったから。なんなら運転も出来ちゃうもんだからさ。自分で地図覚えて運転してくれてねぇ。その間の嬉野君と僕ですか?大分楽させてもらったねぇ、後部座席で。何もしてねえんじゃねぇかって君ね、ちょっと冗談じゃないよ。口を慎みなさいよ。君は何か?鬼ヶ島に俺達はショッピングにでも行くと思ってんのか?戦いに行くんだよぉ、俺達は。体力を温存してたわけだ。安田犬(やすだけん)は鍛錬っつって屋根に居た。筋肉だけはすごいからね、風をいなしてましたね。道中全然元気でしたよ、屋根の上で風を感じてさ。

まぁね、まぁ、ミスターさんは地図覚えて頭使って運転ずっとして体力も使ってずっとズタボロだったけどもだ。あまり大きな声で言えないけど、このミスターさんってのが疲れてくるとなんっっも喋んない奴でねぇ。トークは主にわたくしが担当してましたね。この気遣いの労力ってのも結構大きいんだよ。わかってんのかぁ?分かってねえと思うなぁ。なんっもわかんねぇのに好きなこと言っちゃってくれてるけどもだ、言っとくけどおめえこの後出番あるけど散々だからな。今のうちに饅頭でもあんぱんでも食って大人しくしてろってんだよ。話に入って来んな。

なに?着いたよ、鬼ヶ島に。なんも高速おりたらすぐだから。左折したらいいの。駐車場もまぁまぁ広いし、我々が行ったの観光シーズン避けてましたからね。もうね、縦に停めようが横に停めようが停め放題って感じよ。うん、まぁね、その先に居た鬼ってのが藤村っつーんだけどさ。

こいつってのがもう流石鬼って感じでねぇ〜。元々赤いんだか酒飲んでべろべろになって赤いんだか判断つかねぇっつーんだから。あ、もうね、倒すのなんかあっという間。相撲取ってね、バシバシーンっとしてあっちゅう間。刀なんて抜く必要ねえんだから。ドライバーと地図担当のミスターはともかく、ここだけの話ですよ?雉と犬って何だったんだってあとでちょっと問題になったんだから。文春さんとかね、そこら辺の嗅覚すごいでしょう。安田犬(やすだけん)の嗅覚なんてもうね、全然。ここは配役のミスを実感したね。

まぁね、そこら辺はあの寝起きから饅頭一箱食って平気な面してるような髭鬼倒した功績があるから、こっちは。どうとでもなって今残ってる桃太郎の形に収まったってわけ。これが全て。ぼかぁもう一回言うよ、これはオフレコだからな。頼むよ?

お陰様で晩御飯のおかずが一品増えたり、やりきれない夜にハーゲンダッツを買って食べることが出来ます