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アイスを買ってから1週間が経った。

1週間ほど前、バイト終わりにご飯を買うためにスーパーに行った。目的は閉店間際でありえないほど値下げされている生魚を買うためだったのだが、その日は運悪くお魚が売り切れてしまっていた。スーパーの入り口から割とすぐのところに鮮魚コーナーがあり、せっかく来たのに入ってきたばっかりですぐ帰るのもなんだかなぁと思ってしまい店内をぶらつくことにした。こういうのが散財に繋がるってわかってはいるのだけどやめられないね。

アイス売り場に来た時、美味しそうなアイスが新しく出ているのを見つけた。チョコレートのアイス。少し高かったものの、バイトのご褒美ということでそれを買って帰路についた。家に着いて、とりあえずアイスを冷凍庫に突っ込んで、今に至る。結局食べていないわけだ。1週間も。ついでに言うとこれよりも前に買ったアイスも冷凍庫に入ったままになっている。

小学生だった時を考えてみる。アイスが食べたい!と思った日は少ないお小遣いの中でコンビニに行ってアイスを買って、帰ってきたら冷凍庫に入れることすらしないで、少し縁の辺りが柔らかくなったアイスを食べていた。父親がたまにアイスを買ってきてくれた時なんかもそうだった。袋から出されたそれの蓋をすぐに剥がしていた。こういう時母親はすぐにはアイスを食べず、しばらくの間アイスが冷凍庫に入れられている、ということがよくあった。母親がそこまでアイスの好きな人間ではない、ということもあるのだろうがそれでもやっぱり当時の私には理解できなかった。アイスなんてその場にあったらすぐに食べたいじゃん、というのが幼い私の主張だ。でも、今になってそれが少しわかる様になってきた。「なんか別に今じゃなくていいかも」となってしまうのだ。幼い頃は、アイスがあればアイスの気分になっていた。それが今は「アイスの気分になった時にアイスを食べる」になっている。

ある種のエリクサー症候群のようなところもあるのかもしれない。「アイスがある」ということが自分にとっての安心材料になっている節がある。今食べるよりも、もっと疲れた時とか、頑張った時とか、逆にもっと幸せな時に食べたい、と思ってしまっているのかも。

なんにせよ、なんだか慎重になってしまったというか、少し大人になってしまったなぁと感じたという話。

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