二人三脚の受験奮闘記1

学生の頃、一件の家庭教師依頼を見つけた。応募したら他に応募者がいなかったようですぐに採用となった。

担当はかわいらしい男の子。ただ、高2の3月時点で学年最下位争いをしており、もちろん期末試験はほぼ赤点。来週の再試験がダメなら進級不可となるという状況。

素行は良くないということであったが、真っ直ぐな瞳と人当たりの良さを感じる少年で、親との折り合いも別に悪くない。どうしてこうなったのかが全く思いつかない。少なくとも自分の周りにいたヤンキーたちとは全く違って容易に更生可能だろうと想像できた。

とにもかくにも再試験が来週とかいきなり中ボスが控えている状況である。これをまずなんとかせねばならないが週1日や2日で何とかなるとは思えなかった。とりあえず最初なのでちょっとお話をして、試験範囲の確認、帰ってきたテストの答案と試験問題を見せてもらって初日は終了。まあ、期末試験程度なら何とかなるだろう。

次の日はとりあえず、試験で最低限できないとまずい項目を予想問題のようにしてやらせてみたが、まあできるわけはない。何とか頑張って何度もやって覚えてもらうことにした。自分でもいろいろ勉強はしてみたようなので希望はある。でもなぜそれでこの成績?と疑問ではあった。

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