「無頼茫々」終幕 お疲れ様でした
生まれながらのコキュプロデュース 演劇集団南塾番外公演「無頼茫々」、全日程終幕いたしました。
僕個人としては2020年11月の飛龍伝以来約2年半ぶりの舞台(その時も面会なし、マウスシールド着用での本番だったため、諸々しがらみがない舞台は3年半ぶり)であり、それだけに色々な覚悟が要された公演でありました。
そう、まさしく覚悟。
今回の舞台でいちばんの葛藤があったのは、「出演したい」という返事を出すまでだったと言っても過言ではありません。
南塾のWSに参加する旨の連絡を入れる時、出演表明の返事を出す時。
それはもう怖くて仕方なかったし、はいかいいえの返事をするだけなのに2、3日悩みました。
諸般の事情により(?)稽古に参加できる絶対時間が普通より少なくなってしまうという懸念ももちろんあったけれど、
何しろ最後に芝居してから3年弱も空いていたものだから。
演劇を始めてから今まで、こんなに芝居をしていない期間が空いたことなんてありませんでした(空いて1年くらいだったので、それでも年一くらいで舞台には立てていた)。
数字にしてみると大したことないかもしれませんが、何もしてなかった者からするとこの3年、果てしなく長く感じられるものだったのです。
もしかしたら、もうこのまま舞台に戻らないかもしれない。
そんなふうに思ったこともありました。
だから南塾のWSの話を見かけた時、ある意味焦りのようなものが走ったのでしょうね。
これを逃したらもう次はないかもしれない、みたいな。
しかし、時間が経って萎縮していた心はすっかり臆病になっていたものですから、メッセージの送信ボタンを押す一動作にも躊躇って1、2時間右往左往しておりました。
「出演したい」旨のメッセージを送った直後、「やっちまった」という後悔と「もう引き返せない」という覚悟が同時にきたあのなんとも言えないざわめきは今でも思い出せます。
スタートラインに立つ前からそんなもんでしたから、顔合わせの日なんてもう大変でした。
しかも仕事の都合上、本来の開始から1時間くらい遅れての参加だったので、稽古場までの道中本当に緊張で○にそうでした。
色々不安でしかなかったのです。
セリフどうやって覚えてたっけ、とか。
どうやって動いてたっけ、とか。
芝居ってなんだったっけ、とか。
けど、いざ稽古が始まると一気にいろんなことを思い出しました。
あぁ、そういや芝居の稽古場ってこんな感じだったなぁ、と。
そんな感覚を思い出すと、だんだん楽しくなってきて。
退勤したらすぐに家を出て、往復3時間の移動を経て稽古場に行って。
ただ仕事をして寝る生活よりずっと体は酷使してるはずなのに、ちっとも辛いとは感じなかったんですよね。
疲れよりも充実感の方が勝っていたのでしょう。
そんなふうに思えるくらい、自分が思っていた以上に自分は芝居が好きだったんだなって。
まあ正直キッツイって思った瞬間はちょいちょいありましたけど、それを差し引いても今回の公演、参加できて本当に良かったと思います。
今回の役所はとにかくそこに「いる」ということがいかに難しいかを思い知らされた役でした。
セリフという分かりやすい主張を使わず、悪目立ちするわけにもいかず、けどそこにいなくちゃいけない。
なので自分なりにそこにいる意味を持って目線に気を配ったり、表情を微妙に変えたり。
セリフがないからこそ一瞬も気を抜けないという良い経験をさせてもらえたと思います。
まあ、見た人の7割くらいにとっては「箒でぶっ叩かれてスローモーションでぶっ倒れた人」という印象が強いでしょうが(苦笑)
そういう細かいところに気を遣っていたと、終わった後でここに綴っておこうかと思います。
さて、ありがたいことに次は11月にまた出る(予定)ので、それまでまた少しの間充電期間に入ろうかと思います。
とりあえず筋トレは始めてみようかな。
最後に、錚々たる面々が集まる中僕に出演の口を開いて下さったプロデューサーの多悶さん、
演出家としてシゴいてシゴいて、ケツを叩いてくれた南さん、
僕なんかがおんなじ舞台に立って良かったのかと気後れするくらい素敵な共演者の皆々様、
何より、会場まで足を運んで来てくださったお客様方、
本当にありがとうございました。
よろしければ、また次の劇場でお会いしましょう。
Jチーム 福留幸吉 役
丸山陸歩
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