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誰なのかわからなくなるくらい。 欲求に従って沈んで沈んで、もっと深く。 私は片足だけ失くした靴を捜しに、車を走らせるよ。 安い布団をぐしゃぐしゃに歪ませて、何処へでも行こうとする。 誰なのかわからなくなるくらい。 欲求に従って眠って眠って、泥みたいに。 私は両腕を広げて明日を求めている、 美しくもない命を誇りながら。 短い夜の間にできることなんてどれくらいだと思う? 大したこともできないで、きっと命なんて閉じてしまうわ。 咲いては枯れて茂っては朽ちて、 あの花
「傷付けないでくれ」と懇願する誰かのこと どんな風に引き留められるだろうな 今頃どんな気持ちで過ごしてる どんな歳の取り方をしているの 「引き止めないでくれ」と示したこと 振り切って行ってしまった背中のこと どんな風に守ってあげられるだろうな どんな風に思い出せば正解なんだろうな このくらい道をずっと進んだ先に何があるの 滲んだ視界を突っ切ってこのまま何処へ行くつもりなの 雨の夜 余分に伸びた光の束を見ている
その暗いところ知っているのは貴方だけ 秘密は圧し殺すに限るの 力でねじ伏せてなかったことにする 人知れず失われてしまえ あどけない声して恐ろしいこと唱える 孤独は貫いて然るべき 理性でねじ伏せてなかったことにする 暗がりに隠れてそのまま そのまま無様に 飲み込んでしまえ 黙っていればなかったことになる 私だけが知っていればいい 誰が簡単にひけらかすものか 排除する 排除する 排除する だから貴方だけ その暗いところ知っているのは その弱いところ守れるのは 何度も何