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キーボードの傷を撫でる

気がついたらポプラの葉がずいぶんと落ちていたり、イチョウの葉が黄色くなっていたり、雪に急かされて山もすっかり秋模様になっていたり。

寒くなる頃と同時に故障した自律神経が立ち直ってきたようで、冬かと思うほど寒がっていたが、一時的にカイロと湯たんぽを卒業できた。が、洗濯物の乾きがよくなくてエアコンの暖房が本格始動を始めた。

スーパーまで、夜の道を歩いた。街灯に照らされた紅葉が暖かく、空気は寒いがそれに耐えられることに安堵と心地よさを覚えていた。空には星が見えた。
ふと、高校生の頃には毎日のように夜道を歩いていたことを思い出した。その頃には音楽で耳を塞ぐことも知らなくて、ひたすら夜の世界を愛していた。

受け入れてもらえている、と思えた。
中学まで学校も居心地が悪いと思っていた。自分は庇護を受けなければ、この社会から落ちこぼれるんだと言い聞かせることで実家にいることに耐えていた。しかし社会人になり一人暮らしをしてみれば、どうも人間社会と反りが合わない気がしてくる。

寝落ちる毎日で忘れていたが、夜は僕をいつも包みこんで守っていてくれた。そこで得られる孤独が僕を満たしてくれた。

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