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お財布がほしい

おことわり

この記事は、私が新しいお財布探しに奔走する様子を描いた記事です。まだ新しいお財布は買っていません。

新しいものが欲しくなる

なんか、2023年度、色々(職場の上司がコンプライアンス違反に手を染め、次の上司がパワハラに手を染め、私のメンタルがブレイクして休職して、異動できないまま復職したけど、復職後の上司がまともでなんとかリハビリ期間を終えた)あったし、なんか、色々新調したいなー。4月から異動先(元の部署への復職不可の診断書が出ていたが、人事部の政治的げふんげふん、大いなる配慮により、定期異動に混じって異動となった)で、気分も新たに仕事に取り組みたいなあ。

まず、マグカップを買い替えよう。今のマグカップは、かわいいけど、なんか、蓋しててもお茶滲んでくるしな……。おやおや、スタバに桜柄の可愛いのがあるわー。これにしよう。

リュックも全然壊れてないけど、なんとなくへたってきてるしな。
無印良品の「肩の負担を軽くする撥水リュックサック」がいいんだ。
※現在進行系で愛用しているため、単に色違いに買い替えたいだけである。
え!無印良品週間だ!やったー!ポチッとな。バッグインバッグも買おう!

他に買い替えたいものないかな。

…………そうだ、お財布を買おう!

急にすごくお財布が欲しくなる

このお財布(Paul Smith、皮、黒色、長財布)元気いっぱいなんだけど……ココアをぶちまけたこともあるし、そもそも私が雑に物を扱う方だし……それでも元気いっぱいなんだけど……よく見ると端っこが擦り切れてきてるなぁ。それに、今年で九歳だし……買い替えを検討するには、ちょうどよかろう。

このように完璧な理論武装(言い訳)で、財布を買い替える決意をした私は、まず、ネットで調査にあたった。

「さいふ おすすめ」

雑すぎる。『Googleの技術がどれほど進歩しようとも、ユーザーが使いこなせていなければ意味がない』の例となるような雑さである。
しかし、Googleの技術は、それを上回る速度で進歩しているので、
「財布 レディース おすすめ」
「財布 レディース アラサー おすすめ」
「財布 〇万円 レディース おすすめ」
と私が本当に調べたいことをサジェスチョンしてくれた。

私はこれらのキーワードで検索し、様々な記事を読み、結論として
「そういえば、私、身に付けるもの、可能な限り、目で見ないと買うことができない生き物だったわ」
ということを思い出した。

とはいえ、ネット調査が全くの無駄となったわけではなく
「今まで使っていたPaul Smithも素敵だけれど、もうちょっとおっ!と言われるような(?)なブランドのものを買ってみたいと思っているらしい」
ということが判明した。

よって、いつか時間の取れるときに、お財布を見て回ろうと決意したわけである。

デパートで冒険

割と近所(電車と徒歩で30分ぐらい)にデパートがあるので、お出かけついでに、私でも名前のわかる有名なブランドを見て回ることにした。ちなみに、楽器のお稽古の後に行ったため、全身ユニクロで、上記した無印のリュックを背負っており、ラクジュアリーな買い物をしそうな雰囲気は滲んでいなかった。

なお、ブルベ冬骨ストソフエレの私にとってユニクロは神に近いブランドである。ぜひあのままのテイストでずっとブランド展開しつづけてほしい。また、なんでもカバンに入れがちで、肩こりといつも戦っている私にとって、無印のリュックも神から授かったリュックみたな扱いである。重い荷物に悩んでいる人は、みんな無印のリュックを使うといいと真剣に考えている。

私の脳内シミュレーションでは、以下の手順で調査を進める予定だった。

  1. ブランドが集合しているフロアに行く。

  2. しゅっと店に入る。

  3. 財布を確認し、大きさ、手触り、価格の情報を手に入れる。

  4. しゅっと店を出る。

  5. 2~4を繰り返す。

ブランドに詳しい方は、既にオチにお気づきだろうが、このまま話を進める。

1は難なくクリア。いつも素通りしているが、ブランドの集合階がどこかは認識していた。
次にマップを確認。名前がわかる「サンローラン」に行くことにした。

サンローラン

意外にも、サンローランでは2そのものはクリアした。しゅっとお店に入り込んだのである。さっと店内を見回し。ガラスケースにお財布を発見。
ガラスケース内にしまわれているので、手触りはわからないかもしれないが、今日は初調査日だから、よしとしよう、と思った矢先、たいへん美しい立ち姿の女性がいつの間にか傍に来ており
「なにかお探しでしょうか」
と声をかけてきた。ぎゃっ!

実際は、ぎゃっとは言わなかった。ブランドについて詳しくない私だが、店で店員が声をかけてくる可能性自体は認識していた。ただ、店内には複数の客がおり、私は明らかに、一番何も買わなさそうだったので、そっとしておいてもらえるだろうと考えていたのだ(なんせ、観光地なので、お金持ちの中国の人とかも、たくさん買い物に来ているのだ)。

私は、微笑んでいる女性に申し訳ない気持ちになり(売上にならない客の接客はコスパが悪い)
「お財布を探していますが、今日は調査に来ているので、たぶん、買いません。色々見て、考えたいのです」
と正直に申し出た。

これで「あっちにお財布あるから、見てね」となると思ったが、そうはならなかった。
「なるほど。どういったお財布がお好みですか」
と聞かれた。お財布の条件については、調査のために考えてきていたので、すぐに答えられた。
「黒色などの濃い色がいいです。長財布を考えていますが、物によっては二つ折りも検討します」
おそらくだが、今使っているPaul Smithのお財布が9年間私の扱いに耐えられたのは、黒色だったことが大きい。ココアぶちまけたときも、よく拭き取って、よく乾かしたら大丈夫だったのも、たぶん、色が濃かったからだ。色が濃いと、汚れが目立ちにくい。それに、私はパーソナルカラーの診断結果を信仰しているため、よく使うものの色は、黒やグレー、紺にすることが多かった。
女性はガラスケースの傍に私を案内し、お盆みたいな物を取り出して、黒いお財布を並べてくれた。
「こういったものがございます。こちらのお財布にはカードがこれぐらい入りまして……」
と次々と説明してくれた。

しかし、さすが、私のようなものでも名前が分かるサンローランである。見ただけで、いかにも強そうな財布だった。ド素人なので、雑なことを言うが、革が強そうだった。それに、光り輝くYSLのマーク。実におしゃれだ。「どうぞお手にとって御覧ください」
と言われたため、私はさっそく一番気に入った財布を手に取り、中を開けて、じっくりと観察した。値札を確認しようとしたのだ。女性は
「そちらのお財布の革は、サンローラン独自の革で……」
と丁寧に説明してくれた。強そうと思った革は、サンローラン独自の革だったようである。

なお、お財布の中に値札は入っておらず、バーコードの印刷されたカードが入っていた。値段が分からないじゃないか!もしかしたら、値段を気にして買い物する人間を想定していないのかもしれない……と思ったが、値段がわからなければ、調査にならない。
「すみません、これは、おいくらぐらいでしょうか?」
と聞いたところ、嫌そうな顔一つせず、そのバーコードを手持ちのスマホでぴっとして、
「こちら、11万円※です」
と教えてくれた。
※実際は、もっと正確に教えてくれている

私は心持ち財布から距離を取って、頷いた。私は、結構金遣いが荒い方だが、さすがに6桁の買い物は、人生でも3回しかない。着物、帯、パソコンの3点で、パソコンはともかく、他二点は、清水の舞台から飛び降りるような気持ちでの買い物だったのだ。
「独自の革とのことですが、つまりオーソドックスな品物でしょうか?もし買いに来るとしても、6月のボーナスをもらってから、と考えています。在庫がなくなる感じの限定品でしょうか?」
と聞いたところ
「シーズンごとに、デザインが変わっていきますが、この革を使ったお財布はあります。いらっしゃった日に必ず在庫があるとはお約束できませんが」
と説明された。在庫の有無が運次第なのは、どのお店も同じことなので、当然である。
私としては、想定外に接客されたものの、目的は果たしたので、お礼を言って、立ち去ろうとした。しかし、女性は
「こちらのお財布の番号を書いた名刺をお渡しさせていただきます。気が変わられたり、6月に買いにいらっしゃる際に、こちらにお問い合わせいただけましたら、在庫やお取り置きなどもできますので」
と名刺を渡してくれたのである。

……すごすぎる。高級ブランドとは、かくもすごいものなのか。
接客のコスパなどということは考えていないのだ、たぶん。すごい。
さっきから、すごい、しか言ってない。
私はいい紙質の名刺を大事にしまって、店の出口までお見送りしてもらって、サンローランを後にした。

ディオール

この調子で書いていったら、いったい何文字になるか分からないが、できるだけ最後まで書き切ろうと思う。皆さんの推しブランドが出てくるか、楽しみにしていてほしい。

次に、私は、サンローランから少し離れたところにあるディオールを目指した。実は、ディオールについては、多少の知識があった。どうも人が多いときに入店を制限している節があること、遠目に見てかわいいなと思った鞄をネットで調べたら40万円ぐらいだったこと、6桁の値段のお財布があること、などを知っていた。

ディオールにたどり着いてみると、入口が、びよんと伸びるタイプの仕切り(なんのこっちゃ分からん)で閉じられていた。店の中は広々としていて、さして人がいるようには見えなかったのだが、入店が制限されているのである。どうやったら入れるのだろう、と思っていると、男性が素早く近寄ってきて
「たいへん申し訳ございません。ただいま、全員、接客中でございまして、少々お待たせしてしまうのですが、よろしいでしょうか?」
と尋ねてきた。私の方も、どうも高級ブランドは、絶対に接客をつけてくるスタンスのようだ、と理解し始めた。
「大丈夫です」
と答えたところ
「それでは店内をご覧になってお待ち下さい」
と言われ、中に入れてもらった。
さくっと財布を確認して、しゅっと店から出れるのでは?と1つ目のガラスケースを見た瞬間
「たいへんお待たせいたしました。お伺いいたします」
と女性に声をかけられた。正直なところ、入口の男性の申し訳無さそうが、あまりに申し訳無さそうで、30分ぐらい待つ態勢に入っていたレベルだったため、またもや、ぎゃっとなった。

実際は、ぎゃっとは言わず、先程と同じように、調査であることを伝えた。女性は、当たり前のようにたくさん財布を出して、説明を始めてくれた。

「この模様、かわいいですね」
と感想を述べたところ
「ありがとうございます。こちらの模様は、カナージュと申しまして、ディオールの伝統的な模様です」
と模様の歴史まで詳しく説明してくれた。私はこういう雑学が大好きなので、聞き入ってしまった。それ以外にも、ディオールのチャームの話など、様々なことを教えてもらい、私はその財布がものすごく気に入ってしまった。
おそらく、その雰囲気を読み取る能力があるのだろう。彼女は、色の確認という名目で、同じ模様のバッグを持ってきて
「こちらのお財布でしたら、こちらのバッグに大変よく似合います」
とさりげなくおすすめしてきた。私が無限のお金を持っていたら、さくっと買ってしまいそうな、さりげなさだった。
「……それで、これはおいくらですか?」
しかし、私はもちろん有限のお金しか持っていないので、値段について聞かざるを得ない。だいたい、バッグは40万円ぐらいすると知っているので、とにかくバッグがかわいいことからは目をそむけておきたかった。
「はい。こちらは13万円です。こちらですと11万円です」
と教えてもらい、私は(基本6桁か……しかし、かわいいな)と考えた。
「伝統的な模様ということですから、こちらの商品はいつもありますか?」
と聞いた。
「はい。黒色ですと、定番商品になっておりますので……もちろん、確実な在庫のお約束はできませんが。一方、こちらのような、限定のお色味ですと、次のコレクションが始まってしまいますと、なくなってしまいます」
と教えてもらった。
これで調査は終わったので、お礼を言って帰ろうとしたところ
「今日おすすめさせていただいた商品の情報をお送りしたいので、こちらにメールアドレスをご登録いただけませんでしょうか?」
と聞かれた。私も情報を控えておきたかったので、さっそく登録させてもらった。どうやら、目の前の女性が担当としてメールを送ってくれるらしく、すごいシステムだな、と思った。更に
「もし、ご迷惑でなければ、カタログをお持ちになりませんか?」
と言われた。私は紙ベースの情報が大好きなので、カタログももらうことにした。女性が奥から大きな紙袋に入ったカタログを持ってきて、しかも、その紙袋にいいにおいの香水をふりかけてくれた。
情報が多すぎて、何がなんだか分からなかったが、私は紙袋を受け取って、またもや丁寧なお見送りを受けて、ディオールを後にした。

帰宅後に確認したところ、今期のコレクションのカタログのようで、ちょっとした展覧会の図録と言われても、納得してしまいそうな分厚さと紙質だった。しかも、まだいいにおいがしている。これを商品を買うか分からない人間に渡すとは、相当にリッチである。しかし、彼女には、私が、すごく、例の伝統的な模様の財布を欲しがっていることがばれていたような気はする。

ルイ・ヴィトン

次に目指したのはルイ・ヴィトンである。鞄のイメージが強いが財布もあるということは知っていた。逆に言うと、それぐらいしか知らなかった。HIKAKINさんの購入品動画などを見たことがあるが、ああいう類の動画は「すごい金額のすごい鞄が並んでる!」みたいな雑な思考回路で見ているので、まったく知識蓄積にはなっていなかった。

ルイ・ヴィトンも、入口に門番の男性がおり
「ご予約はされてないということでしたら、そちらの椅子でしばらくお待ちください。しばらくお待たせしますが、接客のものが参りますので」
と言われた。私は
「店内をすっと見るだけでもよいのですが」
と聞いてみたが
「いえいえ、椅子でお待ち下さい」
とのことで、とにかく誰かを横につけておくスタイルであることを再確認した。こちらでも、さほど待つことなく、女性がやってきた。

私が調査の目的を伝えたところ
「これまでルイ・ヴィトンにお越しになったことはないということでしょうか?」
と聞かれた。
「全然ないです。ちょっと入るのに勇気がいる感じですね」
と答えところ
「そうですよね。それでは、せっかくですので、店内をご案内しますね」
と店内をぐるっと案内してもらった。大きいトランクも興味深かったが、なんせ奥の方の、大きなソファにででんと座って、商品を持ってきてもらっている人の存在が気になりすぎて、そちらばかり見ていた。

財布については、彼女の聞き出し方がうまく、ほぼ一発で、好みのものが差し出された。モノグラムが型押しされた黒い財布で、私はこれもかなり気に入った。
「こちらは、そこまでではなく……(手元の端末で調べて)ええ、11万円です」
といった説明を受けた。ルイ・ヴィトン内に存在する商品の中では、そこまでではない、ということだろう。
それ以外にも大きなモノグラムの描かれた財布(13万円)など見せてもらい、おおむね満足な調査結果を得ることができた。

ここでも帰りに名刺を渡してもらって
「もし、またご来店されたいときは、ぜひご連絡を」
と送り出してもらった。

バーバリー

正直なところ、頭がいっぱいになってきていたので、帰ろうか悩んだが、調査をやり遂げたいという気持ちもあり、次はバーバリーに足を運んだ。
私は、バーバリーのチェック柄が好きで、実はお財布を持っていた時期がある。このお財布は6年ほど使ったのだが、チャックのところが壊れてしまったため、泣く泣く、お別れしたのである。もっとも、今から考えると、あの年齢で買えたバーバリーということは、ブルーレーベルがまだバーバリーを名乗っていたころの商品ではないかと思う。

バーバリーでは、あっさりとした接客で、2つほど財布を見せてもらった。ベーシックなチェック柄の財布で、私は(そうそう、これこれ。このチェック柄がシンプルでわかりやすくていいんだよね)と一人納得していた。値段を聞いたところ
「9万円です」
と言われて(バーバリーはぎりぎり手が届きそうなブランドっていう印象だから、なるほど)と考えた。

そう、平均12万円の財布を見続けたせいで、頭がバグり始めていたのである。9万円のお財布は、高級品である。

それに、どう考えてもバーバリーは手が届きそうなブランドではない。私はバーバリーのトレンチコートを10回ぐらい諦めている。

私は判断能力にバグを抱えたまま、バーバリーを立ち去った。

GUCCI

途中、ポケモンGOでミュウツーのレイドバトルに挑んだりしたが、次はGUCCIに足を運んだ。
ここには、門番らしき男性がいたのだが、お客とお客の間に紛れ込んで、するりと店に入れてしまった。悪意があったわけではなく、押される形で入ってしまったのである。

入ってしまったのは入ってしまったので、カラフルな財布を眺めていたところ、門番の男性が扉の方を注視しつつも、私の傍に寄ってきて
「お財布をお探しですね。こちらのパステルカラーは今のコレクションでして、春らしさがあって、たいへん人気ですよ」
といくつか財布を取り出してくれた。
おそらく何かしらの連絡を取り合っているのか、女性のスタッフが駆けつけてきて
「失礼いたします。ご担当の方、交代させていただきます」
と引き継いでくれた。男性はすぐに門番に戻ったので、今度はそういうことにならないように気をつけようと思った。

その後、今までと同じようなことを伝えたところ、ずらりと黒系統の財布を取り出して並べてもらうことができた。
強そうな革財布もよかったが、GとGが組み合わさった模様のキャンバスとレザーが組み合わせられた財布がかわいらしくて
「これは、いくらですか?」
と聞いてみたところ
「9万円です」
と言われた。私はバグっていたので(9万円!GUCCIも買えるかも!かわいいし、在庫具合について聞いてみよう)と異様なポジティブさを発揮して、在庫について聞いてみた。
「もちろん、在庫がないときもあるのですが、定番の商品ですので、大丈夫かと思います。それに、6月ごろには夏向けのコレクションも出ておりますので、もしかしたらお気持ちが変わるかもしれません。また、ぜひ見にきてくださいね」
と言われた。私は(意外だ。GUCCIが候補に上がってくるとは)とバグった頭のまま、お見送りされつつGUCCIを立ち去った。

シャネル

最後に訪ねたのが、シャネルである。シャネルは、これまでのどのブランドより高価格帯とは思っていたが行ってみることにした。
私は、エルメスのバッグを買うことを目指している人のブログを読むのが好きで、エルメスが超高級品であるという認識があり、その横のエルメスの店舗は横目で見て通り過ぎた。店舗内でスカーフを広げて見せている店員さんがおり(おお、あれが、カレというやつかな。大きいな)と考えていた。

シャネルも入店制限がかかっており、順番が来たらLINEで呼び出してくれるというシステムだった。さすがに、そこまでは……と思っていると、門番の女性が「今のお時間帯ですと5分程度の待ち時間です」と教えてくれたので、それなら、と番号を取った。5分ぐらいあるならと付近の化粧品売場を眺めていたら、2分ぐらいでお知らせが来て、何がなんだか分からないスピード間で、店内に案内された。

スタイリッシュな女性に案内されながら、財布の要望を伝えたところ、小さい部屋に通されて(びびりまくった)、長財布を2個見せてもらうことができた。
片方が羊の革(?)で、もう片方が牛の革という説明を受けた。
私は牛の革の方の強さに、非常に心惹かれた。20年ぐらい使えそうで、革財布で殴り合う大会があったら、絶対に優勝しそうで、魅力的に思えた。
私の目線で、牛の革の方が気に入ったと分かったのか
「どうぞ、お好きにごらんください」
と財布を渡された。思った通りに硬い革で(こんなに強そうな財布に出会えるなんて……)と感動していた。
彼女は
「長財布は在庫がないことも多いのです。今日、二種類お見せすることができたのは幸運でした」
と説明してくれた。私は(革も価格高騰とかありそうだもんな。日本までやってくるのは少ないのかも)と思いながら
「これは、おいくらぐらいでしょうか?」
と聞いた。
「24万円でございます」
私の頭のバグが治った瞬間である。
私は、なんとか財布を彼女の方に戻して(そんなものをよくまあ私に渡して、触らせたものである。思い出すと震えてくる)
「そ、その、とてもすごいお値段ですね」
と答えた。早く小部屋から出たい気持ちでいっぱいだった。
彼女はふふっと笑って
「ええ。しかしながら、この財布をバッグから取り出すところをご想像ください」
とお返事をくださった。超高級ブランドの店員さんの眩しさに圧倒されながら
「今日は、持ち帰って検討します」
と伝え、小部屋から出してもらった。途中、大きなソファに二人で座って、たくさんの商品を吟味しているお客さんなどを眺めつつ、店の外まで送り届けてもらった。

おうちに帰ろう

シャネルの衝撃で、いい具合に頭が落ち着いた私は(落ち着いて考えると、どのブランドも高級品だったな。買う予算について、よく考えないと……)と真っ当な結論を導き出すことができた。
その後、おうちに帰って、お菓子などを食べながら、どのブランドの接客も、超一流で眩しかったが、ディオールの女性の接客が群を抜いていたな……と、しみじみと思い返した。それに、カタログもいいにおいである。果たして、2ヶ月後の私は、ディオールの財布を手に入れているだろうか?
乞うご期待!

※このブランドも見てみたら?というご提案がありましたら、ぜひお願いします。

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