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殿様みたいな野良猫さんの話

歩道の真ん中に、白色に黒の斑模様の大きな猫がいました。私は、猫を驚かさないように、猫を中心として1メートル程度の距離を測りながら、周りを囲むように迂回することにしました。

でも、心の中では、「1メートルぐらいの距離では、迂回したとしても、猫はきっと逃げ出すだろう」と思っていました。しかしながら、その予想は大きく裏切られ、猫は迂回する私をジロリと睨みつけながら、微動だにしませんでした。まさに威風堂々。

先を急いでいた私は、そのまま通り過ぎました。しばらくしてから、気になって振り返ったところ、猫は実にゆっくりとした足取りで車道を横断していました。まるで、この辺りを治めているお殿様のような優雅さでした。

近所に、お殿様のように優雅で堂々とした野良猫がいるという、なんでもない日常のお話でした。

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