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飼い猫チョコのこと やってきた頃の病院編③

当時の我が家は、3つ上の姉との二人暮らし。地方都市のマンションの8階、3LDKの好立地という、今となっては後にも先にもないぐらいの立派なところで暮らすことができていた。家賃は姉と折半。とはいえ、私は学生の身分で、月々の仕送りで払っていた。親のおかげ。

おっと、チョコのことだ。そんな我が家にやってきたチョコは、その頃、玄関の靴箱の下にずっといた。怖かったんだろうな。

猫おばさんから買ったドライのペットフードには見向きもしないチョコのため、少量のご飯にだし汁をかけてだしてみたところ、ようやっと口をつけてくれた。少し安心。その頃の私は猫の栄養に関する知識が皆無だったので、ねこまんま的な何かを食べてくれて安心していた。そして、ご飯を食べさせる私に少し安心したのか、しばらくしてから一緒に眠るようになった。猫と眠る、ずっと憧れていたこと。

そう、そんな幸せな眠りだったのだ。でも、しばらくして異変に気がついた。うん?かゆいな、なんだこれは。手足に虫刺されのような後が。これはもしかして猫蚤なのでは!

布団にころがるコロコロとした小さな何かが複数あるな。これはもしかして、もしかして、寄生虫のなにかなのでは!!!

私は虫がだいっきらいだ。蚊でも大騒ぎするタイプ。
もう半泣きである。プチパニックである。チョコを病院に速攻連れていった。

案の定、病院で蚤と寄生虫がいることがわかった。そして、それ以外にもわかったことがあった。チョコは風邪で熱があり、そして、猫エイズに感染しているとのことだった。

そうか、食欲なかったのは熱があったからだったんだね、気が付かなくてごめんね。エイズに感染してるんだ、こんなに小さいのに。でもこれからも一緒にいようね。

医師の適切な処方で、蚤と寄生虫はいなくなり、熱も下がり、ドライフードを食べるようになった。エイズはずっと付き合っていかないといけないけれど、どんどん元気になってきて嬉しい。あんなにじっとしていたのに、今では部屋を走り回っている。夜は相変わらず、私か姉のどちらかと一緒に眠っている。温かくて、やさしい。チョコが来てくれて良かった。

そんなチョコが来てくれたばかりの頃の話。


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