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これを知って準備をしよう!!Salesforce メジャーリリースでおさえるべきポイント

こんにちは。furu_showです。
今回はそろそろ期初に向けて、新しいシステム管理者も増えてくるのかなと思い、システム管理者の業務の一つでもあるメジャーリリースに関して、最低限知っておいてほしい内容をまとめてみました。
Lightningへの切り替えプロジェクトもこのリリースのタイミングで実施することもよくあります。プロジェクト実施のタイミング検討にも参考にしてみてください。
なお、このnoteは「3 Best Practices to Prepare for Salesforce Releases」の内容とその他活用できるリソースを含めてご紹介しています。

はじめに

Salesforceは年に3回テクノロジーの新機能とアップデートをリリースしています。先日、Admin EvangelistのLeeAnne Rimel氏が、Trailhead Liveを利用してSalesforceのシステム管理者に、リリースを最大限に活用するためのガイド、ヒント、ベストプラクティスを紹介する動画を公開しています。録画の全編はここで見ることができますので、英語が得意な方はご覧ください。

年3回のメジャーリリースの機能とは

「メジャーリリース」とは、Salesforceがお客様に新しい機能を提供する仕組みのことです。これは年に3回(春、夏、冬)行われ、新機能として提供する機能の決定の多くは、お客様からの声としてフィードバックされる「優先順位付けプロセス」に基づいています。

この「優先順位付けプロセス」は、お客様自身に実施いただくプロセスで、IdeaExchangeのPrioritizationタブから確認ができます。優先順位する際は期間が設けられます。全世界的にアナウンスがありますので、是非その期間に日本のシステム管理者のみなさまもご参加ください!

↓↓2020年2月の優先順位付けの結果↓↓

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それぞれのリリースにどのような新機能が含まれているかは「新機能リリースノート」で確認ができます。

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このリリースには、パイロット機能ベータ機能、および正式リリース機能が含まれます。

パイロット(Pilot)
パイロット機能とは一部のパイロットプログラムに参加した組織でのみ確認いただける、テスト最終段階の未だリリースされていない機能のことを指します。そのため機能がなくなることもあり得ます。
参照:Salesforce パイロットプログラムへの参加 (ヘルプナレッジ)

ベータ(Beta)
ベータでのリリース機能とは、公開されている機能ではありますがテストをしている段階の機能です。この段階の機能は、まだ完全に動作確証がない段階の機能なので、制限付きでサポートされるものもありますが、基本的にはサポートではないと思った方がいいです。

正式リリース(GA / Generally Available)
パイロットとベータのテストフェーズを通過した機能は、Salesforceのリリースに正式に含まれて正式リリースとして提供されます。この機能は完全に動作する機能とみなされ、基本的には正式サポートになります。ただし日本での提供が可能かは機能にもよるので確認をしましょう。

リリースノートをご覧になる場合は、この用語を踏まえて見ていただけるといいと思います。よく「ベータが正式リリースになりました」と言いますが、こういうことなんですね。

新機能リリースまでにおさえるべきポイント

ここからは、最低限確認しておきたいポイントを3つをご紹介します。

1.リリース日の確認
2.新機能を確認する環境
3.スケジュールに関する通知設定

1.リリース日の確認

新機能がリリースされる日付は、Trust.salesforce.com というサイトの該当インスタンスページにある[メンテナンス]タブで確認できます。
このサイトは、新機能リリーススケジュールのみならず、システムパフォーマンスなども公開していますので、ブックマークしておくことをお勧めします。

Trust.salesforce.comとは
Salesforce の Web サイトであり、サービスの可用性、パフォーマンス、セキュリティ、プライバシー、およびコンプライアンスに関する透明性を提供し、弊社のサービスに対する信頼を高めるものです。
参照:Salesforce Trust サイトの利用 (ヘルプドキュメント)

↓↓例えばAP3のインスタンスにある組織のSpring'20リリース↓↓

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一般的なスケジュールだと、リリース日の約2ヶ月くらい前(約8~10週間前)にプレリリース組織にサインアップすることができるようになります。約5~6週間前にはSandboxのプレビューが開始され、その後Trailheadでリリースバッジを取得することもできるようになります。

注意
リリースによって前後しますので、後ほど紹介する「製品およびサービスに関するお知らせ」を受信して最新情報を常に確認できるようにしておきましょう。

2.新機能を確認する環境**

プレリリース組織へのサインアップ
プレリリース組織とは、新機能をいち早く確認することができる組織です。この組織の取得にはサインアップが必要で、その取得開始はAdmin Blog (英語)にて掲載がされます。
「Get ready for〜」みたいなタイトルで日付などを含めてBlogが公開されます。

ポイント
「Blogトピック条件: Salesforce Releases」で設定しておきましょう。

Sandboxプレビュー
個人的にはSandboxプレビューをおすすめしています。
プレリリース組織は共通組織での提供のため、自社のカスタマイズへの影響や利点を確認するのに少しイメージがつかないことも多いです。
それに対してSandboxは、自社本番環境のいわば"複製"として存在しているテスト環境のため、機能の影響調査や利点を確認するのに適していると思います。

参考リソース
1. Sandbox: カスタマイズとテストのためのステージング環境 (ヘルプドキュメント)
2. はじめてのSandbox 〜テスト環境作成から新機能プレビュー参加に向けたTips〜[SP] (ウェブセミナー動画)

参考:プレリリース環境とSandbox環境の使い分け
あくまでも個人的な意見ですが、私は下記で2つの環境を使い分けています。

私の使い分け方法
・プレリリース環境
: いち早く機能を理解しておく
・Sandbox環境: 理解した機能が自身の組織にどう影響するかを検証する

3.スケジュールに関する通知設定

スケジュールをいちいち覚えておくことは難しいですよね。
ご安心ください。Salesforceからメールで通知される仕組みがあります。
システム管理者は、必ず「製品およびサービスに関するお知らせ」というメールを受信するように設定しておいてください。
このメールにてリリースまでの重要なスケジュールが通知されます。

製品およびサービスに関するお知らせ
Salesforce の使用に影響を与える可能性のある機能やサービスの変更について注意を促し、情報を伝えるために、Salesforce テクノロジコミュニケーションチームから Salesforce 組織のシステム管理者にメールで送信されるお知らせです。このメールにてこれから紹介するようなイベント情報が通知されます。
参考:製品およびサービスに関するお知らせ (ヘルプドキュメント)

受信するには条件があります。上記のヘルプドキュメントを確認し、自身が受け取る条件になっているかを確認しておきましょう。

Sandboxプレビューへの参加に関しても、この「製品およびサービスに関するお知らせ」にて通知されます。
通知されたメールのリンクから下記のようなサイト(各リリースでURLは異なります)にアクセスすることができ、プレビュー参加をするために必要なステップが記載されていますので、ご自身のSandbox組織のインスタンスを確認して必ず"期限まで"に対応してください。

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参考リソース
1. Salesforce から配信される各種通知に関するウェブセミナー (Part 1部分) (ウェブセミナー動画)
2. Spring'20 Sandbox プレビューのお知らせ (ナレッジ記事)
*各リリースでURLは異なります

スケジュール通知・公開実績(Spring '20リリース版)

これらを踏まえて、Spring '20のリリースに関する通知や公開の実績を日付けでまとめるとこんな感じでした。

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✔︎ 2019年12月10日 : Sandbox プレビューへの参加に関する通知
✔︎ 2019年12月17日:Admin Release Countdown: Get Ready for Spring ‘20 公開
(2019年12月10日 ~ 2020年1月4日:Sandboxプレビュー参加対応期間)
✔︎ 2020年1月5日 ~ 2020年2月16日:Sandboxプレビュー期間
✔︎ 2020年2月16日:Spring '20リリース

機能リリース時のユーザトレーニング

どの機能がユーザにとって意味のあるもので、どのように利用するかを考えることは、導入と生産性を向上させるのに重要ですね。これは日頃からユーザに寄り添って常にユーザの声を聞いておく必要があると思います。
私も、かつて活用支援をしていた際、システム管理者の方から聞いた声はメモをとっていました。そしてその要望を実現できそうな機能がでたらリリースされたことをシステム管理者にお伝えしていました。

機能リリース時はユーザトレーニングも必要です。リリースされたことを資料や動画、Chatterで共有するのも効果的だと思いますが、せっかくなので「アプリケーション内ガイダンス」でお知らせすることも検討してみてはいかがでしょうか。

↓↓アプリケーション内ガイダンスはこちら↓↓

その他参考になる動画まとめ

最後に、その他メジャーリリースで含まれる内容やSalesforce の基本的な運用について解説している動画をまとめました。

1.意外と知らない?!Salesforce の計画メンテナンススケジュールウェブセミナー
いつのタイミングでリリースが実施されるの?メンテナンスって何?に対してわかりやすく解説しているウェビナーです。

2.何が「重要」か知りたい!!「重要な更新」特集
リリースノートや、組織の設定から確認できる「重要な更新」について理解していただける内容です。

最後に

いかがでしたでしょうか。
私が活用支援を行う中で共通して聞かれたこと最低限知っておいてほしいことをまとめてみました。これからLightning切り替えプロジェクトを実施いただく際にスケジュール決定の参考になっていたら嬉しいです。

こちらのTrailheadからもリリースについて学ぶことができます。振り返りにみてみてはいかがでしょうか。

ご不明点は、Trailblazer Community (「カスタマーサクセス日本」グループ)、新機能に関するトラブルシュートが必要な場合はSalesforceテクニカルサポートへお問い合わせください。

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