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愛猫17歳。とうとうトイレに失敗しだして思うこと

愛猫が年老いた。今年で17歳。人間でいうと84歳くらい。私の親より年上だ。年老いても仕方がない。

そもそも出会った時点で7、8歳だった。家族になったときには12歳。すでにシニアだったのだから、その時から年老いていただろうと言われればそれまでだ。

たしかに、出会った時点で首元に白髪がちらほらあったし、家族になったときには首元の白髪も随分と多くなっていた。

だがとても元気で、どどどどっと走り回る姿はとてもシニアとは思えなかった。動物病院で診てもらった時にも、「年齢の割には元気ですか?」と不安で訊く私に、「すごい元気です」と先生が言ってくれたくらいだ。

その愛猫に老いを感じ始めたのは、1、2年前からだ。今まで飛び乗っていたイスの上に飛び乗ろうとして登れない、失敗するということが増えた。

ごはんを食べようと頭を下げた時にも、自分の頭を支えきれず前足がかっくんと折れて、前のめりに倒れそうになることが増えた。前足も大きく開き、踏ん張るようにして食べている。

どちらも私にバレないようにごまかそうとするので、私は気づかぬフリをしつつ、そっと低いイスと交換したり、ごはんのお皿の位置を高くしたりした。

半年ほど前からは、横になるときや起き上がるときの動きがとてもゆったりになった。以前は「よいしょ」という感じで横になったり起き上がったりしていたのだが、今では「よっ・・・こ~らしょ」という声が聞こえてきそうな位のゆったり感である。

とはいえ、まだまだ元気でかわいい。トイレが終わった後には相変わらず走り回ったりするから、20歳くらいまで一緒にいてくれるかな?いやいや、23歳くらいまではいけるのでは?と願望が混じった思いを抱いていた。

そんな愛猫がある日、トイレを失敗した。トイレの手前でしてしまったのだ。まぁ、年齢を考えればそんなこともたまにはあるよね。と思っていたら、トイレの失敗はその後 毎日続いた。

片付けながら、気持ちがどんどん落ち込んでいく。まだまだ元気で長生きしてくれると思っていたのに、私のそばからいなくなってしまう日は思いのほかずっと近いのかもしれない。

そう思うと悲しくてたまらなくなり、涙で視界がぼやけてくる。

いやいや、まだトイレを失敗しただけで元気でいるのだ。一緒にいる時間を大切にしなきゃ。そう気持ちを奮い立たせ、まずはなるべくトイレに失敗しないように対策を!と、愛猫を観察してみることにした。

幸い、愛猫はトイレに付き合って欲しいとお願いにくることが多いので、そんなときにじっくり観察してみる。

するとトイレのふちに前足をかけて、力を込めて一生懸命よじ登っていることに気がついた。こんなに大変そうによじ登っていたことに、どうして今まで気がつかなかったのだろう。そう思うほど、大変そうだ。

無事によじ登ってトイレに入ったあとは、きっとよじ登ることで前足が疲れてしまったのだろう。ふちに腰掛けるように座り、そのまま用を済ませ始める。

あぁ、もう少し前に進んで、と思わず後ろからお尻を押したくなるが、ここはぐっと我慢である。愛猫自身はきちんとトイレができているつもりなので、そのプライドを傷つけないようにしなければいけない。

トイレから飛び出して行った愛猫の姿を確認してから掃除を始める。ひとまずスロープが必要だな。そう思い、早速トイレの高さを計り適度なスロープを買ってみた。

併せてトイレを失敗してもいいように、防水マットとペットシーツも買ってみた。まずは防水マットを敷き、その上にペットシーツをトイレの手前にあたる位置に置く。

その上にトイレを置けば、手前でトイレを失敗してもペットシーツを交換すればいいだけだし、ペットシーツがない場所で失敗しても防水マットが汚れるだけで床は汚れない。

最後はスロープだ。登りやすい位置を想像し、置いてみる。これで失敗がなくなればいい。もし失敗が続くようなら、別の対策を取らなければ。

突然トイレにスロープがついたことに愛猫が戸惑い、トイレに入れなくなってしまうといけないので、愛猫を呼んで見せてみることにした。

私の誘導に戸惑いながら少しずつ後をつけてきた愛猫が、スロープを目をした瞬間、「あっ!」という風にスロープに駆け寄り、くんくんと匂いを嗅ぎながらスロープを登り始める。

途中まで登ったところで確認は済み満足したのか、トイレの中には入らず向きを変えて去っていってしまった。うまく使えるだろうか、失敗しなくなるだろうか。果たしてその成果は!?

数時間後、トイレの方に向かう愛猫の後をこっそりと気配を消して付いていった。スロープを登り、トイレに入り、お尻の位置は・・・・・・

トイレの中におさまっている!!

よし! よし、よし、よし!!
1人ガッツポーズである。スロープ作戦大成功。その後、トイレの付添いを頼まれたときによく観察してみたが、軽々とトイレに入って用を足している。スロープを登るのも降りるのも問題なさそうだ。

よかった。これで大丈夫そうだ。そう思って3週間ほどしたとき、1度だけ少しだけどトイレの失敗があった。

スロープの位置が少し悪かったのかもしれない。まぁ、こんな日もあるだろう。年齢と共にこれからもっと色々なことができなくなっていくのだ。

そのたびにきっとまた、気持ちは落ち込み悲しくなって泣いてしまうだろう。でも、まだ生きている。そばにいてくれている。悲しい思いは早く吹っ切って、愛猫との残された時間を大切にしたいと思う。

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