『超探偵事件簿レインコード』感想 未プレイ向け

前半ネタバレなし、後半ネタバレありで書いていきます。
私はダンガンロンパは1作目から3作目までプレイ済み。


 ダンガンロンパとの比較を交えながら書いていきます。ダンガンロンパやらずにこのゲームやる人いないと思うので。

 良い点も悪い点も書いていきます。個人的には悪い点が圧倒的に多い作品だったので、批判が多めになります。

●始めに

 結論から言うなら、

・悪くはないキャラクター、
・悪くはないストーリー、
・その悪くない点を全て無に帰すほどの酷いゲーム性、

です。

 私はダンガンロンパを1作目は凡作、2作目3作目は舞台設定とキャラクターを活かした良作だと思っています。

 レインコードはストーリー面とキャラクター面ではダンガンロンパ1作目と同レベル。推理パートや操作性、時代遅れのQTEなどゲーム面ではダンガンロンパを圧倒的に下回る出来だと感じました。

 人にオススメできるゲームかと言われれば絶対に勧めません。
 個人の好みを考慮しなければ、まあまあなキャラクターとまあまあなストーリーを目当てにプレイするには、ゲームとしてあまりに面倒だからです。

●テンポの悪すぎるゲーム性

 プレイしていて苦痛でした。
 そもそもの操作性が悪くキャラを動かすだけで違和感がありずっと慣れません。なんでこんなカクカクした動きなの?
 その悪い操作性で街を歩き回らないといけないのも面倒です。
 ものを調べたりキャラに話しかけたりするポインタの合わせ方が最後まで上手く出来ませんでした。

●謎迷宮を謎解きに活かせ

まずは良い点について

 謎が具現化した異世界ということで、トリックの構造はそのまま謎迷宮の構造になる、という点には面白味を感じました。
 キャラクターが謎迷宮の構造を見てそこからトリックを考えるなど、メタ読みのようなことをしている点は関心します。

 惜しむらくはその謎迷宮の構造を謎解きに活かすという部分が弱かった点です。
 ここでもっとあっと言わせるような謎解きのしかたを私は期待していました。

悪い点について、

 謎迷宮はダンガンロンパの謎解きパートです。学級裁判の代わりと言えますが、比較してもしなくてもテンポがあまりにも悪いです。

・謎解きの間に挟まる長い会話
・次の場面に移る度に挟まれる長いロード
・ミニゲームの無駄なアクション性とQTE

 この作品のトリックは基本的には調査している中でプレイヤーが8割は解けるほどオーソドックスで簡単です。
 その簡単なトリックをテンポの悪いゲーム性で解かされるとどうなるか?

 プレイヤーは調査の時点で8割はトリックに気づいているので、分かりきっていることを整理していくだけの作業になります。
 結論はとっくに出ているのに、キャラクターはなかなかそこに辿り着いてくれない。

 プレイヤーの推理は先走っているのに事実関係を消去法で一つずつ答え合わせしていく。

 ただでさえ長いロードとの合わせ技で物凄くテンポが悪いです。
 そのイライラに私は耐えられなかった方の人間です。

●予測のつくストーリー

 ストーリー展開についてもフィクション慣れしている人なら、少しの伏線で8割と言わずにほとんど全て予想がつきます。

 このゲームの最終章を家族の前でプレイしていましたが、ある場所を見ただけで昔の映画を話題に出してきました。私は知らない映画でしたが後で調べてみたらその通りでした。

母「昔、ソ◯◯◯◯グ◯◯◯っていう映画あったよね」

 その他の部分についても8割は大体序章と1章で予想した通りの真相でした。

 その予想がついてしまう事実関係をまた謎迷宮で順番に整理させられます。

苦痛です。

●大人しいキャラクター

 キャラクターは悪くはないです。悪くはないけど、印象には残らないです。
 ハララさんとか好きなんですけど、特に何も無い。超探偵はただの仲間です。

 全体的にキャラクターは大人しいです。見た目尖っているのかな? と思いきやみんな普通の精神性を持つ普通の人たちで善人です。
 尖ったキャラクター性を推し出すにはキャラが弱い。人間性を推し出すには描写不足。どっちつかずで勿体無いです。
 これに関しては個別のエピソードを見ていないせいもあります。

 今作には狛枝凪人や王馬小吉のようなトリックスターが不在なこともあり、プレイヤーの興味を牽引してくれるキャラクターはいません。

ハララさんは好きです。

 とある出番が少ないけどそれなりに重要なキャラがいるのですが、そのキャラクターがちゃんと物語内で立ち位置があるのが良かったです。
捨てキャラじゃなくて良かった。

●ネタバレ

これ以降ネタバレがあります。








 私がこのゲームで最も面白いと感じた点は、ホムンクルスのピンク色の血です。
 これが無かったら総合評価20点ぐらいなのですが、あまりに面白くてプラス30点しました。

これに気づいた時爆笑しました。

 ダンガンロンパを3作やった身としては血がピンクなのはレーディングのためだと思っていたので。そういうメタ要素を組み込んだ物語は好きです。

 シナリオについては、主人公のユーマといい、ホムンクルスの設定といい、この物語は記憶の連続性とアイデンティティの話をしたいのかもしれません。

できていたかと言われれば微妙です。

●続編に期待

 ダンガンロンパが2作目から面白くなったあたり、このゲームの制作陣はシステムやキャラクター、物語、各要素をうまく融合させることができるのは2作目からのようです。

 1作目はまだ練習だと思って2作目に期待することにします。
 

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