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【学習日記】局所より、始めよ~ポスト・ヒューマンの観点から、デザインはどのように置き換えられるのか~(Xデザイン学校アドバンスコース#5)

今月は上平先生から「局所より、始めよ~ポスト・ヒューマンの観点から、デザインはどのように置き換えられるのか~」をデザイン研究の最前線などを交えながら講義をしていただいた。
講義のなかで、いくつかの本も紹介していただいたが、理解を深めるためにもこの本は読んでおきたいと思った。日本語版は今後刊行予定だというので、楽しみ。

デザインの意味と実践

抽象的なデザインのアプローチと実践的な取り組みの重要性について学ぶことができた。特に、「実践を通じて愛着が生まれ、そこからコンセプトが具体化する」というプロセスは、実際の現場では納期・予算等の兼ね合いから、取り入れられない工程であることも多く、強く共感した。

デザインは、単なる視覚的な美しさや機能性を超えて、文化や価値観を反映する重要な役割を担っている。
その中で「消費社会的価値観からの脱却が必要な時代になっている」という話があった。この話を聞く中で、ふと、現在のデザイン活動の現場で、

  • 学校や本から学ぶデザインをそのまま流用していないだろうか。

  • 学んだフレームワークをそのまま活用し、デザインにおけるクリエーティブな活動を損なっていないだろうか。

と感じた。刻々と変化する世の中で、固定されたフレームワークに頼りすぎず、実際のPJ活動の中でもクリエイティブな自由を持つべきだと感じた。

デザインの再方向付け

「望ましい機能と意味を達成するために物事がどのようにあるべきか」に焦点を当てるデザイン文化とその実践は、私たちは深く考えるべきテーマだ。デザインは単に人間活動の価値を高めるだけでなく、持続可能な未来を創造するための道具となるべき。現場でこの理念を持ちながら活動するというのは難しい局面もあるが、理念で採用される言葉でもあり、改めて立ち止まることができたのはよかった。(こういったところで、学びの場は大切だと感じる)

特に印象深かったのは、「主体→客体」ではなく「それが何をするか」に着目する視点。このアプローチはデザインの領域を超えて、ビジネス全般においても大きな影響力を持つ。さらに、主体客体を無効化することで新たな秩序を与える「存在論的デザイン」は、組織文化の形成にも非常に役立つ考え方だと感じた。

現場のジレンマと中長期視点の重要性

Goal Directedの弊害についての講義も非常に共感できた。日々、短期的な業績向上を求められる一方で、中長期的な視点をいかに現場に浸透させるかは常に課題だ。この問題はデザインに限らず、あらゆるビジネス領域において重要なテーマである。

相依相関と能動的行動

相依相関のお話では、一方が変われば他方も変わるという関係性に注目することが必要であるという話であったと思う。変化の時代では、組織の中で、新しい組織やコミュニティ形成を実践することがあり、その場においては能動的行動を促すこととが重要視されることがあるが、「関係性の中で生きていることを考慮する」という視点は、改めて持つべきものだと感じた。

専門領域型と脱領域型のデザイン

専門領域型と脱領域型のデザインについてのお話では、現在ではデザインという領域が多岐にわたり、その応用範囲が拡張していることを再認識した。この拡張性は、私たちが常に新しい方法論と視点を取り入れるために重要である。

ポストヒューマンと協議体

ポストヒューマンの概念や「協議体(Constituency)」、「経歴書(Biography)」の話は、自分の実務上は少し難解であったが、「デザインが起こる前に誰を招集すべきか」を考えることの重要性には納得するものがあった。実務においても、この0次的なフェーズは後々問題になることが多く、実務にも役立つ具体的な指針だと個人的には思う。

まとめ

今回の講義を通じて、デザインの多層的な意味とアプローチを深く理解する必要性があることを学ぶことができた。この視点を持ちつつ、私たちがどのように新しい価値を創造し、持続可能な未来を設計するかが非常に重要だ。講義の内容を日々の業務や研究に取り入れ、より豊かなデザイン活動を目指していきたい。

<余談>
個人的に「AIは水をめっちゃ飲む!」のスライドは面白かった。
GPT-3のトレーニングに必要な水・・・までさかのぼれば、確かに・・・である。

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