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生きるということ(『ノマドランド』)

ずっと気になっていた「ノマドランド」を見た。

ノマドとは遊牧民を意味するが、ノマドワーカーのように特定の居場所を持たないということでもある。

ノマドランドはアカデミー賞も受賞しており、実際の車上生活者を題材にした果てしなくドキュメンタリーに近い映画だ。

スワンキーのセリフ

映画の中で、ガンを患い余命があと7〜8ヶ月しかないスワンキーがこんなセリフを言っていたワンシーンが強烈に印象に残った。

『私は国中まわって本当に素晴らしいものを観てきた。アイダホのヘラジカの家族。コロラドで私のカヤックのたった6フィートのところに舞い降りた真っ白なペリカン。それから・・・何百羽ものツバメが私のまわりを飛び回り、それが水面に映って・・・まるで私がツバメと一緒に飛んでるみたいだった・・・最高だった・・今この場で死んでも全く悔いがないと思った。』

彼女たちが営んでいる暮らしは自分で選択した自由な生き方で、そこにあなたは何のために生きるのか、という問いを強く感じた。

ファーンの生き方

主人公のファーンもまた、自分で選択して車上生活者という生き方を選んでいる。

最愛だった夫が亡くなったとき、自分がエンパイアを離れることで彼の存在が失われてしまうのだと思っていたと言っていた。

そんな彼女が、ノマドという生き方をせざるを得なくなった。その中でスワンキーやデヴィットなど様々な人との出会いの中で、自分の生き方をだんだんと見つけていくように思えた。

何のために生きるのか

自分らしくあるとは何なのか、自分には何があるのかを考えたときに、私は自信をなくしてしまう。

人に比べてすごく秀でている才能があるとかであれば簡単かもしれないけど、大抵の人は自分の価値を高めたいともがいても頑張れなかったり、周りとついつい比べてしまって落ち込んでしまったりするほではないかと思う。

でも死ぬ時に自分の人生を振り返って「良い人生だった」と思えるだけの経験や、大切な友人、家族がいて、それだけでも十分私の人生は満たされているのではないかと思った。

この人ともう一度会いたい。この景色をもう一度見たい。このご飯をもう一度食べたい。そういう感情を大切にしようと思った。

いつかまた どこかで

最後にもう一つ、印象に残ったセリフが「いつかまた、どこかで。」というセリフであった。

ノマドは決して「さよなら」を言わない。「いつかまた、どこかで」と言って別れるし、また数日後か、数年後かに本当に再会できるものだ。

亡くなった夫が忘れられないファーンに、息子を自殺で亡くしたボブが告げたセリフである。

いつかまた会える。そう思っているからこそ、個で暮らすノマドたちは、そして私たちもまた、自分たちの人生と向き合って歩んでいけるのだと思った。

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