クレッシェンドの共鳴

2022.6.18 Progress名古屋公演初日にて、初めてクレッシェンドをライブで観て、聴いた。
タカシくんが歌い出した瞬間、感情が大きく揺れて、肌が粟立つのを感じた。まずはタカシくんの歌声があまりにすごい。儚さや不安定さを感じさせないただひたすらに高く気持ちよく伸びるファルセットで歌われるクレッシェンドは、歌詞のひとつひとつの言葉が光の粒のように輝きながら、1曲のストーリーを紡ぐようにキラキラと繋がっていく。これまでを振り返り慈しみ、今この一瞬を取りこぼさないように大切に見つめ、これからへの決意と優しさと強さに繋げていく壮大な物語。その歌声を照らすように、時には歌声に導かれるように、ひとつひとつの動きや表情に対して、恐らく全身どころか全細胞に気持ちを込めて、神経を行き渡らせて、輝きながら踊るダンサーたちの姿。ダンスと歌声と音楽で、あんなに遥か彼方まで広がる物語を描くことができるなんて、超特急さんのライブを見るまで知らなかった。そしてクレッシェンドのさらにすごいところは、そのスケール感で8号車を圧倒することなく、むしろその壮大さと同時にひとりひとりの身近な世界を大切にしていいんだと感じさせてくれるところだと思う。自分と周りの人を、自分と周りの世界を、今の自分とこれまでの自分を、ありがとう、の言葉と気持ちで丁寧に繋げて広げていくようなそのパフォーマンスはあまりにも眩しくて。クレッシェンドが鳴り響く奇跡みたいな特別な時間がどんどん心の中に積もっていって。1日経っても鳴り止まないクレッシェンドの響きに支えられて、私の中の大切な気持ちが広く強くなる。またきっと、これからも大丈夫だと、超特急さんに世界を照らしてもらった気持ちがした。

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