見出し画像

【第1部】空き家の運営を黒字化した経験から〜行政や地域住人を巻き込んで〜

第0部を見ていただき、第1部を見たい!っと思っていただきありがとうございます!
もし、この部よりご覧になる方は第0部に目を通していただいた方が頭に入りやすいかと思います。(第0部はこちら

この第1部以降では、第0部で書いた内容に肉付けしていくような構成で考えています。
その肉付け第一弾として、私がジョインする前にあきばこ家の事業がどのようにスタートしていったのかを説明していきます。

=========================
〈目次〉
・事業スタートのきっかけ
・事業の仕組み
・建築基準法の"壁"
=========================

【第1部:事業の始まり】
〈事業スタートのきっかけ〉
そもそものきっかけは建築学科の先生の知り合いが大学近くに空き家を所有しているという話から始まりました。
自治会の人も家主が誰なのか分からず、20年近く空き家のままという状態でした。

(↑ながせのながやの位置)
近畿大学の本部キャンパス最寄の近鉄「長瀬駅」徒歩1〜2分の位置にある。
商店街の通りにも位置しているため、商店街とのイベント企画にも参加している。

オーナーは大阪の西成区で子どもの居場所事業をしている方で、そのドキュメンタリーが映画「さとにきたらええやん」にもなっています。
(あきばこ家が主催で大学内放映もしました。詳細はこちら

オーナーの想いとして、学生が地域の子どものための場所づくりを目指して、使ってもらえるならという話でプロジェクトが決まりました。

>オーナーの想いと学生の想いのマッチング

空き家を貸すことや使ってもらうことに抵抗を感じるオーナーが多い中、活用者の「想い」が一番大切だったのではと思います。
「空き家で何かしたい!」という気持ちだけでなく、オーナーに対してのメリット提示が大切だと思います。

今回のケースは使い手の想いが伝わり、改修費用を負担いただける協力的なオーナーの元始まったプロジェクトとなります。

そういう意味では、汎用性が高い事例とは言えませんが地域の拠点として、"アンカーを打つ"存在となり、周囲の空き家の改修・運営依頼、商店街や自治会とのイベント等々に繋がっています。
---------------------

〈事業の仕組み〉
事業スキームとしては以下の図のようになっていて、オーナーに改修費用を負担いただき、あきばこ家が借り上げるいわゆる"サブリース"という仕組みで成り立っています。

サブリースと言えば話題になりましたが、手段の活用方法によっては、有効な活用手段になり得ます。

費用をハード部門の市の助成金を活用することになりました。最大500万円給付されるものです。(今回活用した助成金
行政主催のワークショップに参加し、行政の課題のヒアリングをして、街の課題に対してどのようにアプローチすることができるのかをワークショップ形式ですり合わせを行いました。また改修前の空き家でイベントを3度開催するなど、改修前に近隣との関係性を築きました。

そういった"自走"していくための補助として、金銭だけでなく人や情報のマッチング・発信をしていただけたことが事業を上手く進めるきっかけになっています。
特に「地域サポーター」という行政の職員ではないけれども、行政と民間の仲立ちをする方の存在がとても大きかったです。
---------------------

〈戦前の空き家の大きな壁〉

2016年時点で築86年の「戦前長屋」であったながせのながやを助成金を頂き、地域サロンという機能を持った施設にリノベーションするためには大きな壁がありました。

それは建築基準法がなかった時代に建てられたということです。
建築基準法の制定は1950年であるため、100㎡以上のリノベーションをすると建築確認申請が必要になります。確認申請をするためには現行の基準法に則る必要があり、そうすると消防法も絡んできます。そうなると事業を始まるためのハードルが高くなりすぎてしまいます。

そこで改修後の面積を100㎡以下にして「既存不適格」(当時の法律に則って建築されたので違法建築ではないというもの)として通すことになりました。

建築基準法の前行の建築当時の法律は「市街地建築物法」というものであるので、その基準を満たしている建築であることを証明することになりました。

しかし、市街地建築物法は当時このながせのながやが位置する旧布施市(現在東大阪市)では適用されていませんでした。

ただ、適用されていないけれどもその基準に見合った建築物だという説明を行政にして、承認いただき、改修工事が始まりました。(この辺りのエピソードかなり大変だったと聞いています、、)

ということで第1部では、事業の始まりの部分をお話しさせていただきました。
ながせのながやの工事や、その詳細については次回に説明させていただきたいと思います。

またよろしければ次回もご覧いただけたら幸いです!

===============================
あきばこ家HP
https://nagayarenovation.wixsite.com/mysite

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?