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禅 ZEN

ある方からお借りして観たDVD。
中国に渡り修行を修めて帰国し曹洞宗を創始、正しい仏教として仏法と坐禅を伝えようとした道元禅師の生涯を映画化したもの。

失礼なことを言うつもりはないが、やはりこうした伝記物・偉人物は難しいと思う。
本来は広く何かを伝えようとしても映画という短い時間の中で諸々のことを伝えようとするのはどうしても無理があり、ある程度知識やストーリーを判っている人向け的なダイジェスト版のようなものになりがちで、残念ながらこの作品もそれに入ると思う。

だがそれでも全編に透徹している純粋で清んだ何かは感じることができる。
中でも苦難する民の1人として描かれる内田有紀さん演ずる“おりん”が印象に残る。

小さな気づきがあった。
気づきというよりは疑問だったかもしれない。
終盤でその“おりん”が坐禅するシーンで微笑している(ように見える)こと。
アルカイック・スマイルとでも言うのか判らないが、おそらくは道元禅師の言われる“坐禅は安楽の法門”を現しているのだと思う。

“悟り”など望むべくもないし求めようとは思わない。
ただ、いつかこんな顔ができたらとは思う。

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