私的東方創想話レビュウ②

少しずつでも感想を残していけたらいいなあと思いつつ、レビュウをしていきたいと思います。

地獄で(作品集227 4.81KB 約2500字)
作者:ひとなつ氏

 妹紅は腹が減っていた。彼女は何かを食べたかった。そして、彼女は死にたがっていた。

 死ぬに死ねぬ身体を呪いながら、妹紅はそれでも死を求めます。無気力な生活を続ける中で、妹紅は一人の少女に出会います。地獄にさえ行けやしないと笑う妹紅に、少女は言うのです。

「なら、私が、連れてってあげる」

 少女は妹紅を何処に連れて行ったのか。妹紅は何を見たのか。是非とも気になった方は読んでいただけたら我が事のように嬉しく思います。

 作者のひとなつ氏は、とにかく作品のレベルが高い作者の一人だと思っています。人に伝えたいことをきちんと伝えられる語彙力、ひっかかりなく読める滑らかな、お手本のような文章など、文章を書いているという方にも是非読んでもらいたいなあと思っています。


連綿と剥離(作品集227 5.23KB 約2500字)
作者:うつしの氏

 祖母が亡くなった。白と黒の参列者を見ながら、霧雨魔理沙は蛇を連想する。『霧雨』という蛇を。

 「理解しあえない者は存在する」
 このお話は、このような部分が前面に出ている作品だと読み終わった後に感じました。魔理沙の独白という形で進むこの作品は、終始魔理沙の感情と、そして「相手はこう思っているだろう」という魔理沙の考えが綴られていきます。そこに相手を理解しようとする意思は入っていません。それは一体どうしてなのか、読んでいただければと思います。

 このお話を読み終わったときに、もやもやとした、なんとなく『すわり』の悪いような気持ちが出てきたのだとしたら、それはもしかしたら作者様の思惑通りなのかもしれませんね。


求めて、求められて(作品集227 23.85KB 約12000字)
作者:くしなな氏

 阿礼乙女になれなかった、阿求の娘の物語(本作品概要より)

 まずこの作品には、オリジナルキャラが登場しています。二次創作の際に一つの壁、問題として立ちはだかるこの問題を、「読んだ人を納得させられるだけのパワーや面白さがあればよい」という形で解答している作品だと感じます。

 阿礼乙女であった母親を、少女はどう感じていたのか。成長するたびに較べられるその影が、少女にどんな影響を与えたのか。是非とも読んでいただければと思います(阿求好きの方には、辛いかもしれません)

 もしかしたらこの作品を読んだ時に、面白い以外にも「怒り」のようなものが湧いてくる人もいるかもしれません。ただそれはつまりそう思わせるだけのパワーが作品に籠っていることの証左だと私は考えています。正しく「二次創作」をしている作品だとも感じました。


最後に

 少しずつでも、作品を紹介出来ていけたらなあとは考えています。本当にたくさんの作品があるところなので、もしこのページを開いて興味があった方は、是非とも東方創想話を見ていっていただけると嬉しく思います。

http://www5d.biglobe.ne.jp/~coolier2/SS_kai.html

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