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【キャリアを考える】 昔話はちょっと苦手

キャリアカウンセラーはトレーニングの一環として、さまざまな研修があり、自分がクライエント側の立場でいろいろ話をしなければならないことがあります。
それがとても勉強になることは確かですが、私は自分のことを話すのが苦手です。

成功体験を話しているうちはいいのですが、もちろんそうじゃないことも多いですよね。いや、むしろそうじゃないことの方が多い・・・。

過去の失敗から学ぶのは大事なことだけど、失敗したときの感情まで蘇ってくるのは結構キツイものです。
これまで何度もキャリアカウンセリングで辛かった経験を掘り起こされて、しばらく、長いときは数日間も、そのときの重い気持ちを引きずってしまう経験をしました。
「あのときの経験が自分のその後の人生に大きく影響しているんだ」を知るのは確かに学びになるけれど、過去に戻ってやり直すことはできません。

先日、スーパービジョンを受けていて、相談者の〝自己防衛〟と向き合わなかったことを指摘され、ハッとしてしまいました。
「本人が辛いと思っているところに踏み込めません」と答えつつ、
「それは私が相談者の立場だったら、話したくないからだ」ということに気づきました。

そこには確かに自己概念の矛盾が存在している。だからモヤモヤして、気持ちを整理したくなったのだろうなというのが伝わってきました。
信頼関係があれば、たとえ知って苦しくなるようなことも引き出していいのかな。でも、その信頼関係にも自信がなく、自分の方から逃げ腰になってしまいました。

学生時代、グループから仲間はずれにされた友人に「なぜ、嫌われたのか」、本当のことを伝える役回りをさせられたことが何度かありました。
それは私自身がグループとは関係なしに友人と付き合うスタンスだったからですが、私も訊かれたことに馬鹿正直に伝えることしかできず、もちろん、関係修復の手助けまでできるスキルはありませんでした。
相手が気づいていない短所を指摘するのは、自分のことじゃないのに結構しんどい。だって相手は泣いたり、怒ったりして、絶対に笑ってくれるわけじゃないから。

今回の経験はちょっとそれに似ています。
本当は辛いところにも踏み込まなければ、問題解決にはならないのに・・・。成功体験にばかりフォーカスして、安易な自信につなげてもらおうとか、そういう方向に走りがちな自分。それは私自身が過去の嫌な経験と向き合いたくないから。そんなことが露呈してしまった出来事でした。

自分自身の心身が健康でなければ、相談業務は難しいですね。いつもいつも、自分の未熟さ、弱さに気付かされる怖い仕事だなと思います。


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