迷走の日々:鍼治療について

結論からいうと私の顔面痙攣には鍼治療はほぼ全く効かなかった。合計3箇所いったのだが、それぞれについて振り返ってみたい。

治療院A:中国人夫婦ともうひとり中国人の鍼灸師。だんなさんと思しき院長先生は無口であるものの、奥さんの方は話しやすい。初回後は痙攣が減った気がして爽やかな面持ちで1日ほど過ごすことができた。夫や同僚にも「鍼治療いいわ〜」とすすめたぐらい期待が持てた。当初の説明では最初は週1、そこから少し間隔を開けて、ということであったが、いざ始めてわかったことは、痙攣の良し悪しは回数とは関係なさそうなことであった。次第に良くなっていくのかと思われたが、施術中、あるいは直後から痙攣がひどくなることもあった。施術者によるのかと思い変更をお願いしたりしたが誰にあたっても良くなるときもあればひどくなるときもありなんの規則性も見出せないのであった。「笑うと痙攣が誘発されるみたいなんです」と訴える私に、優しい女性鍼灸師の先生はにっこりとこう言った。「じゃあ笑わないようにしたら?ふふ。。」それでも20回近く通っただろうか。。。

治療院B:中国人院長のもと研修生の日本人鍼灸師が数名ローテーションを組んでいる。過去にはメディア露出もあるし患者さんからの声もホームページにのっていて少し期待が高まる。しかし頭に電気ケーブルみたいなものをつけさせられ、怪しい雰囲気が漂っていたため行くのをためらったが、治療院Aで成果がえられずステップアップのつもりで予約をとった。こじんまりとした治療院Aとうってかわって常時患者さんは20名ぐらいはいただろうか。この治療院の落とし穴は予約をとっても予約時間には施術が受けられず混んでいると30分〜1時間以上は待たされることである。院長先生は私も含めどの患者さんにも(カーテン越しなので会話は全て聞こえる)「できれば毎日、せめて週2-3日は通わないと」といっていた。仕事をしている社会人にはかなり高いハードルである。「できて週1なんですが、、」と伝えたら「それじゃ何年かかるかわからない」とおっしゃっていた。色々とつっこみどころの多い治療院ではあったが私は頑張った。ほぼ週2回通ったのである。しかし結果は治療院Aとほぼ同じであった。この治療院のすごいところは院長先生がやたらポジティブなことである。「Fiffyさんどうですか」との質問に「多少良くなった気はしますけどやはりまだありますね。。顔もひきつるし」と答えた私。それに対して院長先生「そうですか、良くなったんですね、よかったよかった💕」とにこにこ。え??人の話聞いてる?それとも日本語の理解の問題?と混乱した私。チャイニーズの強さはこういうところであろう。ちょっとでも良くなったと言おうものなら「Fiffyさん、写真とりましょう、記念撮影」と写真を一緒にとりたがる院長先生。なかなかノーと言えない日本人の私であるが、カーテン越しの隣の男性は「いや、とても写真とる心境じゃないです。まだ治ってないですよ」ときっぱり。押しの強い人にははっきり言わないとダメだ、と改めて実感。

さまざまな疑念がうずまきつつもコロナ渦ギリギリまで私は通った。この時点で治療院A、Bに数十万注ぎ込んだことになる。この頃には色々な顔面痙攣ブログを読んでいたが、鍼治療で改善した、という当事者のブログや記事が皆無であることに気づき始めていた。それでも開頭手術を受けるぐらいなら、、と通い続けた。あと1か月だけやってみよう、あと1ヶ月だけ、と自分に言い聞かせながら。



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