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なぜ太るのか?

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1、食べる人と食べない人

 食べる人と食べない人、何が違うのでしょうか?

 健康を気にしているかどうかでしょうか?それともプロポーションを気にするかどうかでしょうか?それらは完全に間違いではありませんが、最もシンプルな回答があります。

 それは、「食欲の強さ」です。

 「当たり前じゃん!」という声が聞こえてきそうですが、意外と世のお医者さんやトレーナー、看護師さん、保健師さんでも指導をする時に忘れがちなんです。

 例えば病院では、「このままでは将来に関わるのでやせて下さい。」と言われます。また、指導に熱心な看護師や栄養士などであれば、「運動をして、食事は野菜を中心にすれば絶対にやせますから。」といったように(あるいはもっと詳しく)やせ方の説明もしてくれるでしょう。しかしうまく体重が減らせない時、指導する側もされる側も「やればやせるのに、できないのは意志の力が弱いからだ」と考えてしまいがちです。

 でもそれは違います。方法が分かっていてもそれが実行できないのは、「食欲が強いから」なんです。だからできなかったとしても意思が弱いなんて思わなくて良いんです!欲求に対して意思で対抗できたとしても、そこには我慢という苦痛を伴いますから、長続きさせるのも困難です。

 ではそういう人はずっとやせられない運命なのでしょうか?

 いいえ、そんなことはありません。この記事を最後まで読んで頂ければ何らかのヒントを得てもらえると思いますよ。

2、食べても太らない人

 さて少し話は逸れますが、食欲の強弱とは別に食べた食品の吸収量や消化管の通過スピードが多くの人とは異なる人も存在します。いわゆる「痩せの大食い」の方々ですね。今回の話とはあまり関係ありませんが、食べても太らない人は天性のものですので、一般の方が鍛えてもそこまで劇的な体質変化はありません。

 単にものすごく太るだけですので、くれぐれも無茶はしないでくださいね。

3、太らない条件

 話を戻しましょう。太ってしまうのは食欲が強いからです。太らないための条件とはつまり食欲を調整するための条件ということになります。

 食欲の強さがどのように決まるかですが、いくつかの要素が関わります。

 生まれ持った性格、生育環境、経験、学習、そして動物としてもともと備わっている飢餓の回避機能です。

 性格や生育環境や過去の経験についてはどうしようもありませんので割愛するとして、動物として備わっている飢餓の回避機能について説明しましょう。

 飢餓の回避機能は大きく2つあります。

1つは、脂肪減少に対する反応、2つ目は体脂肪が増えた際の脳の反応です。

 人間も動物です。過去を遡れば、現代日本のような飽食の状態は非常に珍しいと言えます。そのため人間も他の動物同様、飢餓に対しては耐える機能を多く持っており、エネルギーの蓄えである脂肪の減少には敏感に反応します。

 少しでも体脂肪が減り始めると空腹感や食欲が刺激され、無意識に目の前にある食品に手が伸びやすくなったり、食べるおかずやご飯の盛り付けが増加する一方で、元の蓄えよりも多くのエネルギーを摂取することに対しては少し遅れて満腹感がやってくるという鈍い反応しか起こしません。

 少し注意を払えば、ダイエットを始めて数日で、知らず知らず冷蔵庫を覗く頻度が増えたり、戸棚や冷蔵庫に置いてあった食品をつい摘んでしまうことが増えたりという現象に気がつけると思います。

 そして人間は基本的に病気や怪我に対しては体を元の状態に保とうとする力を持っているのですが、実は肥満に関しては元の状態を保とうとする機能がそれほど無いばかりか、体脂肪が増えるほど、満腹刺激として働くホルモン(レプチン)の働きを弱くするという変化が起こります。つまり太れば太るほど、さらに食欲に歯止めが効かなくなることを意味します。

 脂肪が減ると食欲が刺激され、脂肪が増えると食欲が強くなる。つまり、基本的に動物というのは飽食の環境においては太る運命にあるのです。

 考えてもみてください。ペットに絶え間なく餌を与えるとどうなるか。それが答えです。

 では、飽食の文化を持つ人間の全てが太っているわけでは無いというのはどういうことでしょうか?

 それは、人間に備わった想像力が関係しています。人間は想像する力が強く、そのため他の動物よりも高次元の欲求を持つといわれます。

 通常、動物には食欲や睡眠欲、性欲といった生理的欲求が備わっています。そしてより高度な動物では安全に対する欲求が備わっていますし、人間のレベルになるとさらに集団(社会)に参加したい、他者と繋がりたいという欲求や、認められたいという欲求、自分らしくなりたいという欲求など、他の動物にはみられないほどバリエーションゆたかな欲求を持っています。

 そしてこのことが、食欲のコントロールに非常に強く関わっているのです。

4、やせたいと思ったらまずすること

 さて、人間は他の動物よりもバリエーション豊富な欲求を持てるという話でした。そして人間はどのような欲求であっても、叶った時には脳内で快楽物質(ドーパミン)を分泌して満足感を得ます。つまり、食欲は他の欲求で置き換えることが可能なのです。

 なお、ドーパミンがたくさん分泌される行動は脳に備わった学習機能によって強く意識づけられます。つまり食欲を叶える時に、質より量で満たすことを繰り返すと、脳は「たくさん食べるという行動自体で満足感を得る」という学習をして、より量を食べるという食行動にこだわりを強めるようになります。

 もしやせたいと思ったら何をしたら良いか。その答えはこちらです。

①食べること以外の欲求を叶えることに時間を費やす

②食欲を満たす時には量より質にこだわり、「たくさん食べる=満足」よりも「品質の良いものを食べる=満足」という学習を増やしていく

 そう、なかなか体重を減らせない人がやるべきことは、やせる方法を試すことではないのです。

 食べること以外にも欲求を見出せることを思い出しましょう。体重と関係ないことでも良いのです。何かを作ることや何処かへ出かけること、友人や恋人との時間を楽しむことやゲームに興じること、人間には様々なことを楽しむことのできる力があります。長い人生の中で、食だけを楽しみに生きるのはとてももったいないと思いませんか?

 そして食欲を満たす時にも、お腹いっぱいになることだけでなく、本当に美味しいものを少しだけ楽しむという方法も試してみましょう。食べ方や食材にこだわるのは、より高度な愉しみ方だと思いませんか?

 ではダイエットの方法論はどのような場合に役に立つのでしょうか?

 食欲以外の欲求を叶えるための方法として体重を減らすことが必要になった時、初めてダイエットの方法論が役に立ちます。それは例えば、「素敵なプロポーションを手に入れて素敵な恋人をゲットする」だとか、「孫の将来を見届けるために長生きする」だとかそういった欲求です。このような場合、ダイエットは手段になります。手段としてダイエットをする場合には、食欲と戦う必要はありません。なぜならより大きな欲求が背景にあるからです。このような場合、ダイエットの方法論は大きな力を発揮します。

 繰り返しますが、食欲が欲求の大部分を占めている間は、ダイエットの方法をいくつ試したとしても、結局はダイエット=食欲に対する我慢という構造になってしまい、長続きしません。

まとめ

 やせたいと思ったら、まずは食欲以外の欲求を見つけましょう!人間にはたくさんの欲求があります。自分の人生全体に意識を向ければ、きっと食欲に匹敵するような強い欲求を見つけ出すことができるはずです。もしかすると、やせたいと思った理由の中にも、欲求が隠れているかもしれませんね。

*この記事は推敲前の原稿であり、後に編集する可能性があります。

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