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目と脳...

パソコンと「一日中にらめっこ」のお仕事をされている方、けっこういらっしゃいますよね?

私は「漢方専門店」で、「漢方薬での治療を生業」としている者ですが、50才を過ぎると、目のカスミや乾燥、異物感、目の重さ、充血、目の奥の痛み...等の、いわゆる「ドライアイ」や「正常眼圧緑内障」「白内障」でお悩みの方が多くなってきます。

現在治療中のA様。三ヶ月ほど前から急に、目の回りから黒くボヤけてきて、視界が狭くなるいわゆる「緑内障」の疑いのため、ご相談に見えました。急性の割には「頭痛や吐き気」などの症状はありません。

眼科で調べた結果は「緑内障」では無さそうとのこと。「更年期の症状ではないか?」と言われて、腑に落ちないご様子。「更年期やホルモンバランスで、見えなくなることはあるんですか?」と、心配そうです。

確かに更年期で「老眼」や「ドライアイ」が発症することは多いですが、視界の回りが暗くなることは無いはずです。念のための「MRI検査」では異状は見られませんでした。

しかし、目の回りや前頭部の頭痛、首の付け根から頭頂部の凝りや、最近は瞼が重くて、目を開いているのが苦痛だと仰います。「ドライアイ」症状もあるようです。それにしても...

明らかに更年期では片付けられない「頭部の病的な何か」を感じます。漢方での治療は「身体全体」を観ますので、目の症状だからと言って「目」だけしか観ない..と言うことはありません。

胃腸下垂と入眠困難、中途覚醒があります。もしかして...と思い「口内炎になったりしませんか?」と訊ねますと、「よく頬や舌を噛むことがあります」と、舌を見せてくれました。舌の上に傷がついています。

舌は薄く、回りにフリルがあります。胃腸虚弱で「血虚」の体質です。閉経したばかりですが「高脂血症」で基準値ギリギリです。ご本人は血が濃いとお医者さんに言われた...と仰いますが、実は全く逆で「血にエネルギー」が足りません。これじゃ「ドライアイ」にもなります。

ここで私は「緑内障」ではなく、「脳梗塞の前兆」ではないかと考えました。どうやら親御さんや親戚筋にも「脳梗塞」や「くも膜下出血」の方が多いそうで、自分でも心配はしていたそうです。

良い血液を増やし、「脳血流を良くする漢方薬」に処方を切り替えました。さて、季節も夏。知らず知らず「熱中症予備軍」になっている私達。「脳梗塞」にもなりやすい季節ですので、油断はできません。

極論を言えば「目の症状」は「脳血流の悪さ」と直結しています。何故なら、「目は脳の出店」だからです。「脳の一部」と捉えて頂いても差し支えありません。だからこそ、見えないことに対して「更年期でしょう」では済まされないと私は思っています。

こちらのお客様はチョッと時間がかかりそうです。後程また、ご報告したいと思います。


くすりの相談スミレ











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