飛脚の脅威


幕末の頃、日本にやって来た欧米の医師が、

飛脚の運動量にびっくりしたそうだ。

飛脚は、一日200Km位を休憩しながらも

一人で走り続ける訳だが、

1番驚いたのが、

梅干し入りのにぎり飯と漬け物をおかずに食べるくらいで、

毎日、走り続ける。

そんな事は欧米ではあり得ないし、

第一、そんな粗食では、

運動量に対しての摂取エネルギーが絶対的に足りない筈、

と言って、その医者は飛脚に毎日、

肉料理を鱈腹食べさせたそうだ。

処が、当の飛脚は、どうも腹がこなれないし、

スタミナが続かない事を嘆いた。

「毎日、こんな肉ばかり食べさせられては

走り続けられない」と言って嘆いた。

等々、肉料理を断って、元の梅干し入りのおにぎりに変えたのだ。

そうすると、元のようにスタミナが持続して、

元のペースで走り切る事が出来るようになったそうだ。


つまり、栄養学から言えば、梅干し入りの「おにぎり」や

「日の丸弁当」ではとても一日の運動量に見合う栄養素や

エネルギーは足りない筈。


処が、ドッコイ、現実的には、飛脚はその様な食生活で

毎日を支障なく送っていたのだ。

梅干しにはクエン酸が豊富なので、疲労物質の

乳酸を除去するので、持続力が増すのであり、

梅も日光に晒す事によって、

大量の太陽エネルギーを凝縮して

含んでいる。

握り飯の米も、明治の頃は玄米飯なので、

イノシトールと言う成分は肝臓を強め老廃物を

体外に排出する働きがあり、

ガンマーオリザノールは神経の働きを強め、

自律神経の調整にも非常に良く、内臓の働きも強められ、

新陳代謝も盛んになる。

その他にも、アミグダリン=ビタミン17と言って、

枇杷の種や葉にも含まれる「癌細胞だけを攻撃する」

貴重な成分もある。


従って、飛脚が食べていた梅干し入りの玄米おにぎりは

「パーフェクトフード」だった。

肉食中心の西洋人は、概してスタミナが持ちません。

プロレスラーなども、最初は圧倒的なパワーを発揮しますが、

其れが何故か持続しません。

食事が肉食中心だと、瞬発力に働く赤色繊維の筋肉は強化されますが

其の割には持続性がありません。

植物性中心の食べ物を摂ると、白色繊維の筋肉が強化され、

それは持続性に繋がります。


と言う訳で、栄養学では説明できないのが食事と

エネルギーの関係の様です。

1昨年、俳優の榎木孝明さんが、1ヶ月余りの

断食行を公開しました。

不思議な事に、その期間は水しか飲んでいないのに、

体重も変わっていなかったと言っています。

「食べたいとも想わなかった」と述懐していました。

人間は、「食べないと死ぬ」と確信していると、

その様に死ぬそうです。

つまり、彼は古武道と気功の達人なので、

空間から、呼吸に依ってエネルギーを体内に取り入れていたの

です。


まるで、「ヨガの行者」の様な境地に彼は達しているのです。

だからと言う訳ではないが、彼の風貌はインド人風だし、

好んで旅行するのがインドだそうだ。

少し話が脱線したが、

こんな事は、西洋医学では合理的に説明できないものです。

この世の中には、魔訶不思議な事実がある事を認めねばなら

ないでしょう。 

特に、人間の身体は進化論だけでは正確に説明しがたい

不思議世界を持っています。

「創造か進化か?」は人間の永遠のテーマに違い在りません。

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