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たとえば、離陸

本屋でも図書館でも、探したい本がある時、しばしばその分類に戸惑って、探したい本が見つからない時がある。(あるというか、割と、ほとんど)

結果、頼りたくなかった店内検索みたいなやつに頼ることになる、時もある。

その後、さらに、その場所を記した地球の一部であるはずの地図やら分類やら棚番号やらに悩まされることになるのだが、それはまた別の話。

その一方で、見つける予定ではなかった本のタイトルに心惹かれたり、こんなところで見つかった!というなんか気になっていた本にめぐり合ったりすることもある。

すぐに読むことがない本が積み上がる時、若い時は「いつか老後の楽しみに♪」ととりあえず買っていた。
本は腐らないし。

今は、老後が見え始めたのでそこまでの余裕を持っては購入しないけど、なんか、その本がいてくれたら安心、という心の支えというか拠り所になったりする。

なんかわからない数学の定理を解き明かした本は、最初の1ページ以上、何度トライしても先に進まないのだけれど、ひたすらワクワクしている。

仕事をしていると、ごく稀に「今の、この対応、この解答、すごくうまくいった!」ということがあって、それは、鬱々していた時の自分が花開いた感じで、それは、ずっと真理を探っていた数学者が定理を解き明かした時のそれと同じなのではないか、と。

なので、「自分が好きだ」「すでに持っている」という本の除外リストをもらって、その上で今の気分なのか、今日見た心を掴まれた風景なのか、疲れた気持ちなのか、なんなのかを教えてもらった後に、その人の驚きの(少し期待を持ってもらっている)顔で開けてもらえる本を届けるということをやってみたくなりました。

お互い知ることはなくて、でも、一瞬交差できるような。

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